ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

詩「確かなこと」

2010-02-19 05:25:58 | 
昼間からカーテンを締め切った部屋で、僕は放ち切るまで君は満ち溢れるまで二人で抱き合った。

もう君はいないけれどあの暗い砂糖をたっぷりと溶かした珈琲の底のような部屋は、まだそこに確かに存在していて僕は時々見上げているけれど何一つ変わらずにある。

ある、確かにある。

しかし、君がいた時ほどにはその部屋に何かを感じたりはしない。

もう今は。