ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

短歌人3月号「DIES IRAE(3)」伊波虎英、3月の扉

2011-03-04 05:59:59 | 平成23年短歌人誌より
現し世は永久(とは)に未来のなき死者の置き忘れたるビニールの傘

ビニール傘はよく置き忘れられる。と言うより捨てられるというのに近い。その程度の現世なのだ、未来のない死者にとっては。しかし、今を生きる者にとってはそうではないだろう。

真弓「こはきもの」斎藤典子

2011-03-04 05:59:32 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
松の木が二本切られてはろばろと飛鳥の山まで見ゆる窓あり

「松の木」「はろばろ」「飛鳥の山」、日本的な風景の広がる言葉。木が切られることで隠れていた景色が見える。飛鳥の山には見えている景色以外にも歴史が付加されてより一層美しく晴々したことだろう。