阪森郁代「ボーラといふ北風」蟻塚 2012-03-08 05:51:40 | クンストカンマー(美術収集室)短歌 蟻の曳く蝉のなきがらそのはるか先に湿りの蟻塚が待つ 蟻塚は何故、湿っているのか。それは虫達のなきがらが運ばれていくからだろう。つまり蟻塚は墓標なのだ。蝉は生きている間中、鳴きつづけている。蝉のなきがらは多分、蟻にばらばらにされて運ばれる。それは歌人の辿る運命に似ていないだろうか。