自然に恋して

春は山菜採り、夏秋はキノコ採り、春夏秋は山登り、冬はスキー、自然に恋する男がひとり

七倉岳~烏帽子岳縦走

2018年09月06日 | 日記
平成30年8月29日(水)~31日(金)


参加者4名(男3、女1) 車1台  ザック重量11kg

8月29日~9月1日まで雲ノ平(黒部五郎~鷲羽岳方面)予定していたが
8月31日と9月1日の天気が悪い予報なので、急遽、コース変更した。
各社の予報では、30日は晴れだったので、決行する。

一昨年、烏帽子岳から水晶岳を縦走したとき、裏銀座の絶景に感激して
今回の縦走を計画したものである。

予報に反して、晴れ間は見られず、槍ヶ岳や穂高、剱岳などの展望がなくて
残念であったが、10時間半にも及ぶアップダウンのきつい縦走の中で
この山の神髄(というか奥深さというか)に触れることができたような気がする。

8月29日(水)曇り 

<私のコースタイム>所要時間6時間50分、歩行時間6時間 
            (昭文社のコースタイム6時間50分)
宇都宮市城山5:00==麻紡IC==七倉登山口1060m9:40・・・
唐沢のぞき1537m11:56・・・天狗ノ庭2454m14:53・・・船窪小屋2450m15:50
・・・七倉岳2509m16:10・・・船窪小屋16:28(泊)9,200円(1泊夕食・朝食弁当)


では、写真をどうぞ!!

今回のルート。

七倉岳登山口駐車場。

山の神隧道から登山口へ。

七倉ダムを左に見て

登山口に至る。今日は標高差約1400mを登る。

早速、きつい登りが待っている。

急登は体が慣れるまでは辛い。

途中に番号札が立っている。船窪小屋が10番で終点である。

ゴゼンタチバナが赤い美しい実を輝かせている。

ハシゴを登って、

大きな岩を登って、

唐沢のぞきについた。きつい登り約500mを登った。登山口から約2時間20分。

さらに斜度を増す登山道。ハシゴがたくさん出てくる。

若いマスタケを発見。テンプラにすると結構いけるんだが・・・

大きな岩を越えると、

またハシゴと大きな木の根が待ち受ける。

八合目とあるが、これから、鼻突八丁と呼ばれる一段と傾斜がきつくなる登山道に突入する。

大きな根っこをまたぐ。

そして、ハシゴの連続である。

これでもかとハシゴ。

やっと7番札である。鼻突八丁が終わったようである。

それでも、まだきつい。

山はすっかり秋の装いだ。オヤマリンドウ高貴な美しさを見せてくれる。

オオー、ブルーベリーではないか。ブルーベリーの木が登山道脇に群生している。圧巻である。
渇いた喉に美味しさが一段としみる。野生のブルーベリーは、甘酸っぱくて
さっぱりしていて、美味しい。栽培ものは甘いだけで酸味がないが・・・

アキノキリンソウ、まさに秋だ。

アカモノも赤い実をつけている。

励ましの看板がうれしい。それほど、辛いということだ。

天狗ノ庭に着いた。高瀬ダムがエメラルドに光る。天気が良ければ、槍ヶ岳や穂高がよく見えるのだが・・・

手前に烏帽子岳、奥に真ん中やや右に赤牛岳、左の方に水晶岳が見えてはいるが・・・・

9番についたぞ。かなり疲労困憊のみんなを励ましてくれる。

蓮華岳の山頂は雲の中。蓮華の大下りは見えている。迫力満点である。

チングルマの薄紅の綿毛が美しい。

陽が差してきた。チングルマやキリンソウの花畑がきれい。

ウサギギクも頑張っている。もう最後だろう。

秋の花、ワレモコウも咲きだした。

クロトウヒレンや

ミヤマオトギリ、

アキノキリンソウ、

ウメバチソウ、

ミヤマコゴメグサはあちこちに可愛らしい群生が見られた。

読めますか? ”ようこそ船窪小屋へ”と書いてあります。

とうとう来ました。10番札です。

船窪小屋が見えてきました。

船窪小屋に到着です。約6時間10分。昭文社のコースタイムを10分短縮しました。
すごいことです。平均年齢70歳が頑張りました。

七倉岳は小屋から20分です。頑張って登りましょう。

晴れ間が出てきました。

針ノ木岳はすっぽり雲の中です。

七倉岳山頂2509m。山頂は晴れていますが、周りは雲だらけ。眺望はありません。

小屋に戻り、受け付けをして宿泊。

山菜のテンプラとボルシチが美味い。ランプの宿なので、電気がない。冷蔵庫がない。
従って、冷えていないビールで我慢、我慢。

夕食メニュー。

台風の影響でキャンセルが14名ほどあり、宿泊客は我々4人とソロの人が二人。ゆっくり寝られそうだ。

明日の目的地の烏帽子岳、それから先の稜線上におととし登った三ッ岳が聳えている。
三ッ岳山頂からの眺望は忘れられない。これから向かう水晶岳、また槍ケ岳や穂高連峰、
そして剱岳や立山連峰が一望できた。

夕食を済ませて外に出ると、陽が落ちるところっだ。

明日はどんな天気になることやら。







8月30日(木)曇りのち一時雨

<私のコースタイム>所要時間10時間30分 歩行時間9時間30分
           (昭文社のコースタイム8時間)
船窪小屋4:15・・・船窪乗越5:25・・・船窪岳(第一ピーク)6:00・・・
船窪岳(第二ピーク)2459m7:45・・・不動岳2601m10:48・・・
南沢岳2625m12:46・・・烏帽子岳山頂分岐14:24・・・
烏帽子小屋2551m16:28(泊)9,500円(1泊2食)


では、写真をどうぞ!!

小屋から約1時間で、船窪乗越に着く。
案内板には、不動岳3時間、烏帽子岳7時間と書いてあるが、
我々は、不動岳5時間20分、烏帽子岳10時間かかった。案内板の時間は楽天的な気がする。
ここから、難行苦行が始まる。

小屋の弁当を出して軽めの朝食を摂る。

乗越から約35分で船窪岳山頂に着く。
しかし、この先に第二ピークがあり、どうもそのピークが船窪山山頂と呼ぶようだ。

船窪岳第二ピークへの稜線を行く。

高瀬ダムを望む。晴れていれば、ダムの後方に槍ケ岳や穂高岳が見えるのだが・・・・

晴れている時の写真です。(1週間ほど前にO氏が撮った写真です。)
槍ケ岳と穂高連峰。

晴れている時の写真です。(1週間ほど前にO氏が撮った写真です。)
左から燕岳、大天井岳、穂高連峰、槍ケ岳。
こんな絶景が望めたんです。

ミヤマトウキやトリカブトが咲いている。

荒々しい崩落した風景が現れる。崩落美とでも呼びたいような美しさもある。

スリリングな痩せ尾根を行く。

余裕のスマイルを浮かべるI氏だが、内心は・・・

エイヤット身軽なW女史。

船窪第二ピークが現れる。

さらに、ずっと左に重量感のある不動岳が聳える。まだまだ遠そうだ。

崖を下って、登り返す。

野菊が群生している。秋の風情満点である。

花畑が現れる。イブキトラノオ、トリカブト、ミヤマトウキ、アザミが咲き乱れる。
今年はどの山に登っても花に恵まれて幸せである。

不動岳が呼んでいる。

それにはいくつも山を越えなければなるまい。なだらかそうでも、

山頂直下の登りはきつい。

第二ピーク直下の絶壁を登る。

船窪岳山頂の山名板から1時間45分で、船窪岳第二ピーク到着。晴れていない分、涼しくて歩きやすい。

船窪第二ピーク付近から撮った晴れている時の写真です。(1週間ほど前にO氏が撮った写真です。)
黒部ダム、立山連峰、剱岳。

船窪第二ピーク付近から撮った晴れている時の写真です。(1週間ほど前にO氏が撮った写真です。)
中央は、針ノ木岳、その右に蓮華岳。

シナノナデシコに出会う。初めて見る花である。色といい形といい美しい花だ。

次に目指すは不動岳。痩せ尾根をいくつも越えなければなるまい。

まず、下る。

どこまでも下る。今回の山行での下りは、船窪岳でもそうであったが、とにかく、地獄の底まで下って行く。
そして、登り返しがきつい。こんな連続であった。不動岳への道も今まで以上の厳しさが予想される。

痩せ尾根を行く。右は絶壁。ある意味、こんなに真近では、なかなか見られない光景かもしれない。

絶壁に咲くマツムシソウ。急な下りと這うような登りで疲れた我々をホット癒してくれる光景だ。

不動岳が少しずつ近づく。ガレ場が続くので緊張の連続である。

フジアザミという大ぶりな花と葉のアザミに出会う。これも初見参である。

振り返ると、真ん中やや右奥の七倉岳、その手前が船窪岳さらに目の前が船窪岳第二ピーク。
あんなところをよく乗り越えてきたもんだ。

不動岳近し、頑張ろう。

あの岩峰がピークらしいぞ。

オブジェの後方に針ノ木岳が聳え立つ。あの山もいい山だった。

と、思いきやまだ先のようだ。ガックリ、疲れがどっと出てくる。

山名板が見えてきた。あれが不動岳だ。

やっと着いた。小屋から6時間30分、よく歩いた。
眺望の良さそうな山頂だが、残念ながら槍ヶ岳など遠くの山は望めない。

右からこれから向かう南沢岳、その左が烏帽子岳。その奥に水晶岳から赤牛岳の稜線が見く見えている。
雨がポツポツ降りだした。カッパを着て、南沢岳に向かう。痩せ尾根が続きそうだ。

ナナカマドの真っ赤な実が輝いている。葉はまだ緑のままで、紅葉はまだ先のようである。

南沢岳乗越から南沢岳に向かう。

樹林帯の左のザレ場を登る。砕けた大理石が、垂直を感じさせる急斜面を覆っているので、
斜面に貼り付くような前傾姿勢で登るのだが、ズリズリと滑り落ちてしまう。
下はどこま続くか谷底である。振り返ると、ここが今回一番の正念場だったようである。

不動岳から約2時間で南沢岳に着いた。なんとか、難所を越えたようだ。

烏帽子岳に向かう。愚痴っても仕方ないけど、晴れていれば、どんな絶景が展開していたのだろうか。
もう、ここに来ることはないだろうから残念だ。

端正なトリカブトが静かに咲いている。

中央に尖った岩峰の烏帽子岳が霞んで見える。
吹きさらしの大地なので風がとにかく強くて、雨が横から吹き付けてくる。寒い。

これから向かう48池と烏帽子岳方面。烏帽子岳の奥に、野口五郎岳へと続く稜線の三ッ岩岳がドンと聳える。

左奥に餓鬼岳、右真ん中に燕岳が遠望できる。

奥の中央が赤牛岳、左に水晶岳が連なる。

中央が、一昨年登った水晶岳である。あの時は、眼前に雲ノ平が一望できたっけ。

烏帽子岳に向かう。

稜線の左側に下りていく。風がさえぎられて、寒くなくなってきた。雨も上がってきたようだ。

中央が烏帽子岳、その左奥がニセ烏帽子岳。

四十八池と呼ばれる地帯で時節には一面花畑になるらしい。
今はチングルマの綿毛やトリカブトなどが見られる程度である。
季節は移り、秋の風情が感じられるようになってきた。草紅葉の装いが間近のようだ。

イワギキョウが咲いている。

烏帽子岳への分岐に着いた。4人のうち、2人は烏帽子岳に登ったことがないので登ってくるように薦めて、
我々2人は、一足先に烏帽子小屋に向かう。

振り返ると、左奥が南沢岳、その右に不動岳が肌を露出してたたずむ。

そして、不動岳の奥に船窪岳が聳える。長い難行苦行の山行が終わろうとしている。
安堵感と淋しさが入り混じった微妙な感じがする。

ニセ烏帽子岳を越えると烏帽子小屋が見えてきた。10時間30分に及ぶ山行は終わった。






8月31日(金)朝のうち小雨、のち曇り

<私のコースタイム>所要時間 歩行時間
        (昭文社のコースタイム4時間10分)

烏帽子小屋6:15・・・ブナ立尾根中間点7:44・・・ブナ立尾根登山口9:14・・・高瀬ダム9:40
==(昼食)==安曇野IC==鹿沼IC==宇都宮市城山16:25


では、写真をどうぞ!!

小屋を出て間もなく、展望が広がっている場所で、昨日の縦走路を振り返る。
右から不動岳、南沢岳、ニセ烏帽子岳と荒々しい山稜が続いている。

北アルプス三大急登の一つであるブナ立尾根を下る。

中間点で休憩。I氏の差し入れのオレンジがみずみずしくておいしい。

ブナ立尾根の最後の方は、鉄パイプを組んだ仮設のような階段が続く。
この近辺は、チタケの宝庫である。一昨年は、足元の登山道に群れて出ていた。
節はずれだが、5本の肉厚の優良チタケを見つけた。

登山口に着いた。これから高瀬ダムまで30分弱歩く。

針ノ木岳を眺めながら、濁沢を行く。

不動沢吊り橋を渡る。

不動沢トンネルを抜けていく。結構長いトンネルだ。

高瀬ダムに着いた。タイミングよく、タクシーが2台待機していたので、直ぐに乗り込んで七倉山荘まで下った。
山荘で源泉かけ流しの温泉に入浴して帰路に着いた。


七倉登山口から船窪小屋までの登りは標高差約1400mあり、
三大急登といわれているブナ立尾根(高瀬ダム約1300mから烏帽子小屋2550m・・・標高差1250m)より、
難儀したような気がする。
ブナ立尾根の登りは、4時間40分だったが、七倉からの登りは6時間10分かかった。

船窪小屋から烏帽子小屋までの行程は、登り下りの高低差がすごく大きくて、延標高差からすると
かなり上位に入るような気がする。かなり体力のいるルートだと思う。

展望は楽しめなかったが、山行中、誰ともすれ違わなかったし、また追い越されたりしないという
奥深い山の山行をそれなりに楽しめたのはひとつの収穫だと思う。
記憶に残る山行のひとつとなるでしょう。

今回はこれでおしまい。




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