やまびこ農場ブログ~北沢ニジマスセンター・食べ物工房旬~

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TPP について考えること

2013-10-11 09:01:33 | Weblog
まづ、TPPは、Trans Pacific Pactの略で、環太平洋条約とでもいうところでしょうか

その中で、米は、現在700%の関税がかかっていて、その関税をかけることで、

外国から輸入されたコメに、税金がかけられて、その税金で、様々な農業の施策がなされています。

政府が高く買って、それを安く売る農産物の逆ざやと言われるところに、この関税のお金が使われています。

もちろん、安い米が国内価格と同じなので、結果的に、国内のコメの生産が保護されるという構造です。


先日、羊のオスを買いに行きました。

この羊は、今の日本のコメの政策とともに、飼われているもので、飼料米としてのコメを食べて大きくなっています。

オスが夏の暑さで死んでしまって、メスばかりになってしまい、オスが必要になりました。


福島県の鮫川村まで行きました。

幹線道路の国道から入ること一時間ばかり、こんなところにも人が住んでいるのかという山間地に、羊が30頭ほど飼われていました。

福島の原発事故のあと、ここでも、やはり、羊は屋内でしか 飼育できないとのことでした。

放牧できないばかりか、肉にして売るためのもできないとのこと。

放牧できないので、餌代はかさむし、肉は売れないし原発事故のあとは、餌代だけ払って 収入はないとのことでした。

経営主体者は、70歳代の人たちでした。


代表の次男さんが言うには、

「原発事故の前に、ここを始めた時は、農林大臣賞までもらって、天皇陛下のところで、賞状をもらったんだ。

除染が終わって、放牧できるかと思ったら、とんでもない、放牧どころかでさえできない。

いつになったらと聞いても

へんじはない。羊をやめろということなんだと思う。」


羊のかつての放牧場のあとの周りは、たわわに、刈り取るばかりの稲が黄色に 実っていました。



TPPにおいて、様々な農産物の関税がなくなったら、この山奥のコメ作りはどうなんだろうと思います。

政治家こそ、こんなところにも、営々として人々の農業を中心とした営みがあり、

それを守ることこそ

政治の役目だと思うんですけどね。


次男さんが、「結局、なんでも百姓をやめろということなんだ」といったことに、

自分の無力感を感じました。


空の青さと稲の黄色がなんと心に残ったこと。