ニジマスの里は、人里はなれたところにありマス。
にじます、イワナの養殖場はは清流の、水の豊富な川のそばにあります。
それらの川は、深い森に続いています。
ニジマスの里も、阿武隈山脈に続く森の入り口にあります。
入り口と言うからには、人間の住む地域と魑魅魍魎の住む世界の境目です。
ですから、人間の開発もそれなりに入ることになります。
例に漏れず、ここニジマスの里も、数年前のゴルフ場の開発で、近くの山々と谷間が切り崩されています。しかし、ゴルフ場計画は頓挫してしまったので、やりっぱなしになってしまってあります。
ここまでが長い前置きで、この荒れ果てた山々はどうなると思いますか。
森の傷口をふさぐように、まるで包帯のように、『くず』と言う植物が入り込むときがあります。たいていはそうなるんですけど。
ところが、この『くず』がいったん入り込むと、くずは、育ってくる木々を夏の間中覆いつくしてしまいます。
まるで、『くず』の英語名が『グリーンスネーク」と言うように、ありとあらゆるとこをのた打ち回って、繁茂します。
一年、二年と茎が太くなってめったことでかれることはありません。
こうなると、もはや何十年たっても、元の森は再生することはなくなってしまいます。
実際に、二十年たってもくずで覆われたところはそのままです。
でも、人間が少し、鎌で、くずを刈ってやると木々は助かります。木々がそだって日陰ができるとくずは次第に勢力を衰えさせます。
くずは、見かけほど硬くないので、鎌で刈ることができます。
森は自分の傷口をふさぐために、くずを繁茂させるようですが、くずの勢いをとめることができなくなっています。
人間の勝手で傷口を作ったのだから、人間が少し手助けをしてやるべきだと思いますが、
一人の力ではビビたるものです。
そして今年も冬が来てしまいました。
『くず』にまかれて、今年の夏も小さな苗の木々が何本枯れたでしょうか。
いつも通るところがそうなのです。でも今年は、ここにちょっと大きくなった木を植えてあげようと思っています。
そして少し面倒を見て、『くず』がまきついたら鎌で刈ってやろうかと思っています。
では、皆様また明日も頑張ろう。何年後の自分を考えていますか。