ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き、琉球諸島を巡る基地・戦争への道を問いかけ、自然を語る。●無断転載、お断り。
 

【拡散願います】ロシアとウクライナ、そして私たち(20220303)

2022年03月03日 | 考え直すために

 私が石垣島に行く間際(2月18日)からロシアによる不穏な動きが始まっていた。そして石垣島で私はテレビに釘づけにされていた。2月22日、親ロシア武装勢力が実効支配する「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」なるものの「独立」をロシアのプーチン大統領が「承認」したと聞いた。くすぶっていた力と力の対立がロシアという巨大な力によって、一方的に変更されるのだ。この措置は戦争の火蓋を切ることを前提としている暴挙だ。ウクライナの分割統治から、全面戦争へ。

 私は、プーチンの思惑を即、理解した。ウクライナをロシアの属国にするということを。対空レーダーを撃破し、対地攻撃ヘリが低空からロケット砲を打ち込む光景をみた。陸路でつながるロシアとウクライナは戦車機甲部隊のかっこうな戦場となっていった。

 冗談じゃない! ロシアは戦争をやめろ! 兵を引け! このことは当たり前の感覚だし、要求だ。一方で、私はテレビにでている少なからぬ解説者が、防衛省周辺の「識者」だと知って、驚きを禁じ得なかった。彼等は相手がロシアだから、「ウクライナから手を引け」と言い、何やら穏健派に聞こえてくる言動を重ねていた。米国の戦争を支持し、同盟を組んでいる彼等が、「人道主義者」然と語る不条理に、私は呆然としていた。私たちは、この裏と表に敏感でなければならない。

 政治が、人を殺し、街や自然を壊す戦争を発動する。プーチンはロシアの大統領として、今、ロシア連邦を大国へと再建していく野望に燃えているのだろう。1991年のソ連邦崩壊から31年目の春。ソ連邦崩壊とは何だったのだろうか。武力と武力で押し合う「東西冷戦」の危うい均衡の中での生と死を世界大で強要していたという事実にすら気づいていないプーチン。

 いつか再びの「夢想」が今蘇っているのだろうか。冷戦から31年を経て、核戦争になる可能性の予備ボタンを押してしまったプーチン。他方の米国は、ウクライナに軍事援助を強化する一方、NATO外での紛争だからと直接の介入を控えている。もしも核戦争となれば、勝者はいないことを知っているのだろうか。少なくとも慎重になっているはずだ。

 しかし、1991年のソ連崩壊を謳歌してきたのは米国だ。1991年の湾岸戦争から2001年のアフガン戦争、03年のイラク戦争などなどの戦争に介入し、自ら口実を作り上げ、地域戦争を繰り返してきた。

 私たちが今考えるべき事は、武力による覇権主義を放棄し、この武力に依拠した政治をやめることだ。もちろん、このためには、相互の信頼の構築が欠かせない。どうしたらできるのだろうか?

 そして私は、1986年4月に核爆発したチェルノブイリ原発がロシア軍に占拠されたという事実に驚愕している。迂闊にも私は同原発がキエフの北側のウクライナにあることすら明確に認識していなかった。ベラルーシの印象(被曝地帯になっている)が強かった。

 もしも原発(ウクライナに15基の原発がある)が何らかの攻撃を受けたらどうなるか。福島原発のメルトダウン・核爆発を体験した私たちは分かっているはずだ。広大な地域が人間の生存が不可能な環境に陥るだろう。我々人間を含む生物の遺伝子が破損され続けていく。核戦争はその頂点に立つものだ。

 私たちが歴史を巻き戻すのは難しい。だがこうした複合的な危機の時代だからこそ、一人一人が生きることを諦めない、考え抜き、お互いの了見を知る勇気が必要不可欠だ。

 ロシアへの圧力は、ロ・中の結束を促していく。米国などは、こうした包囲網を全世界で造りだしていくだろう。ウクライナ問題は遠いヨーロッパの話では済まないはずだ。ロシアは日本とも接している大国だ。既に米国は嘉手納基地にF-35、12機をアラスカから派遣してきている。電子偵察機RC-135を派遣してきた。既に演習即実戦の米日同盟が形成されているのだ。この事実は重く、危険だ。

 武力と武力の押し合いをやめなければ、そこに核兵器が控えているのだ。米日安保同盟の中核は核兵器であることを知るべきだ。こうした緊張の中にいるからこそ、核兵器禁止条約を批准しなければならない。被害者が加害者になってはならない。加害者は被害者のことをしらなければならない。

 ロシアがウクライナを属国にしていく戦争に私は反対する。翻って、沖縄は米国の、日本国の属国から抜け出すことが、反戦であり、平和への道につながると私は確信している。日本の市民は、米国の属国であることに無頓着でありながら、「ウクライナに平和を」などと言っていてはダメだ。戦争と平和を考えるならば、自らの足下(身の回り)に敏感であってほしい。ロシアの野望はウクライナに軍事拠点を造りだし、NATO勢力と対峙することだろう。私たちは、どの陣営の武力にもノーを提示する闘いが重要だ。

 だからこそ私たちは、民主主義と人権の重要さを認識し、鍛え上げ、人権擁護を世界水準にしていかなければ、ならない。「戦争で死にたくない」と泣いていたウクライナの子どもたちがいる。このウクライナの子どもたちにつながる私たちの民主主義と人権と平和を、世界大につくりだしていきたい。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 



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