2023年11月14日(火)曇 名護湾に停泊中の「白嶺」を撮りました。
12日18時過ぎに東京から帰ってきたときは、急いでいたこともあり、名護湾に目が向かなかった。未確認。13日13時30分頃、「白嶺」を確認。カメラ機材をもたず、後でになっていました。
10月31日に那覇港で撮っていましたから(既報)、また名護湾にも現れるかもと考えていました。因みに、2022年10月3日ー那覇港(那覇軍港の対岸)、12月3日~6日、名護湾(既報)。などの記録があります。
名護湾の砂浜から。14:49
右側は本部半島。
青い「柱」が目立ちます。
アンカーを落として停泊中。14:50
この船はJOGMEC(独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構)所有の船です。
外見は美しい。私は、この船が何をやっているのか、怪しいと思っています。
同法人のHPによれば、目的「石油及び可燃性天然ガスの探鉱等、石炭の探鉱、水素の製造等、地熱の探査並びに金属鉱物の探鉱等に必要な資金の供給並びに風力の利用に必要な風の状況の調査、その他石油及び可燃性天然ガス資源、石炭資源、水素資源、地熱資源、風力資源並びに金属鉱物資源の開発を促進するために必要な業務並びに石油及び金属鉱物の備蓄に必要な業務を行ない、(後略)」とある。
お役所文で読みにくいな。
理事長は高原一郎氏。同HPより。経済産業省関東経済産業局長、中小企業庁長官、資源エネルギー庁長官、そして丸紅(株)副会長からJOGMEC理事長に転身している。
彼の理事長メッセージにこうある(同HPより)。「JOGMECは、2023年4月から新たな5年間の中期目標期間(第5期)を迎えました。予断を許さない世界情勢、エネルギー情勢の中で、カーボンニュートラル社会の実現に貢献しつつ、我が国の資源・エネルギーの安定供給を確保して、国の経済安全保障に寄与するというJOGMECの使命により一層応えていく所存です」と記している。
吟味したら、いろいろ問題点を摘出できそうだ。なお同HPの研究論文に「イスラエル・ハマース衝突が石油・天然ガス情勢に与える影響」豊田耕平(筆)をみつけた。彼らからすれば当然の問題関心なのだろう。
14:53 曇っており、白とブルーが際立たないが、「白嶺」は2012年竣工。総トン数6317トン、全長118.3m、全幅19m、吃水6.2m。海洋資源等調査・探鉱の船だ。
運航は海洋技術開発(株)が行なっている。1973年設立の会社。当時から「白嶺丸」(74年4月~2000年3月)、「第2白嶺丸」(1980年~2012年1月)、「白嶺」(2012年2月~)を運航してきた。
こちらのHPに沖縄との事が記されている。「主要事業」に「政府方針に基づき、沖縄周辺の海域や南鳥島周辺海域の日本の排他的経済水域を中心に、海底熱水鉱床、コバルトリッチ・クラストあるいはレアアース堆積物等多様な海底鉱物資源の賦存状況等調査を、「白嶺」の安全運航を最優先しつつ音波機器による探査から深海底ボーリングまで様々な機械装置等を用い、調査効率を高めるための支援を行ないつつ実施」とあります。
名護湾に入ってくるのは、「安全運航」のためであろう。強風・波浪の中での調査は、苦しい(船体の位置を固定するのが難しい)からだ。
この船には自動船位保持装置(DPS)が着いており、波に揺られても調査地点がずれないように固定できる。14:53
なお、こうした湾内に避難しているときは、ただの投錨だけであり、他船とかわるまい。
14:54 拡大して見る。右が船首側。左が船尾。アバウト東を向いている。
真ん中の青い柱が、船上設置型掘削装置。高さ35m。この柱の下の船体に開口部があり、掘削装置をおろしていく。水深2000mの海底から約400m掘削できるそうだ。
船尾にある船上設置型掘削装置の左(後方)にあるクレーンが20トンクレーン。その左にある物が海底着座型掘削装置(BMS)だろう。その左のクレーンがAフレームクレーン(荷重:50トン)だ。これでBMS等を下ろしていく。角度的に見えないが、複数の滑車がついており、BMS等と繋ぐケーブルを下ろしていく。
理系でない私には難しいことは分かりませんが、海底鉱物資源の探査等は、利権と結びついており、独立行政法人が何をしているのか、私たちは注目していくべきだ。沖縄の海を利権がらみの「国益」対立の場にしてほしくないものだ。
15日、居なくなっていたが、18日にまたきていた。19日にはいませんでした。天候は、この船の調査にとって中々微妙な影響を与えるようです。