2021年11月30日、普天間基地所属のMV-22オスプレイが民家の玄関前に水筒を落下させた事件の補足。溜政仁沖縄県基地対策統括官が12月2日にキャンプ瑞慶覧を訪れ、米軍に抗議した。在沖縄米国海兵隊政務外交部長のニール・オーエンズ大佐は、住宅上空を飛ぶ際は、後部ハッチを閉めることを義務づける事を検討すると言ったとのこと。
これまで開けていたことを認めた訳だが、事故を起しながら、これから検討するとふんぞり返る米軍。これは即刻無条件でできることだ。義務づけるまで飛びませんというのが筋だろう。ハードではなくソフトの部分の欠陥が明らかになったのだから、即実行は当然だ。何を検討しなければならないのか?!
2012年からオスプレイは沖縄の空を飛んできた。要するにこの9年間、米軍はこうした安全配慮義務を果たしていなかった。杜撰すぎる。これは、日米地位協定による米軍主導がもたらしている問題だ。日本政府の責任も改めて問われている。
青森での米空軍F-16戦闘機による事故は、緊急時の燃料の補助タンクを投棄する問題について、真剣に考え直すべき事を教えてくれている。そもそも空中からの投棄は全般的に危険だ。ブツは2mをこえるものであり、ジェット燃料だ。重さによる破壊力のみならず、爆発炎上を起す可能性もある。人家から20mといわれている地点に落ちていたが、もろに人家などに当たっていたら、家もろとも焼け落ちた可能性もあった。爆発しなくてもジェット燃料がしみこんだら、危なくて住めなくなりかねない。気化すれば危険な時間は長く続かないだろうが、それにしても恐ろしいことだ。
関係機関は、こうしたリアルな恐ろしさを想起しながら、事に当たるべきだ。私も緊急時マ二ュアルを調べておかなければなるまい。沖縄では緊急着陸は日常茶飯事だからね。関係機関は、厳正に対処すべきだ。
本日の沖縄タイムスに、米軍から謝りに来る青森県と、謝罪に来ない、抗議に出向く沖縄県の2重基準の問題が出ていた。そのとおりだろう。何故か。沖縄の米軍は歴史的に占領者であり、米軍のふんぞり返り型が違う。日本政府にとって、保守基盤である「支持者たち」への態度と、沖縄県民の政府への反発の態度の違いなのか。日本政府(内閣・外務省・防衛省)の米国への迎合を打破しない限り事故は起き続けるだろう。
私たちの覚悟が問われている。
註:青森県深浦町での2個目の補助タンクが発見されたという。12月2日。何故か産経新聞が詳細に報じている。