ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け35年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】陸自第8師団長等を乗せ、伊良部島沖に墜落した事故は何故起きたのか?ー墜落直後のていたらく(中編)(202300505)

2023年05月05日 | 米軍/自衛隊

 この問題の中編を書く。2023年4月6日に話しを戻す。15時過ぎ。4月4日に名護市安和で逮捕された人が釈放されて、ほっとしていた私に、この墜落のニュースが友からのメールを通して入ってきた。伊良部島沖と聞いたが、「一寸待ってよ」気分で帰宅した。7日の沖縄タイムスで第8師団の「偵察飛行」だと知り、これは向き合うしかないと決めた。7日の記事は経過は出ているが、ぴんとこなかった。7日夜のネットで掃海艇が来て捜索していると知り、私はホワイトビーチから行ったと考えた。8日午前、本件について、掃海艇「ししじま」か「くろしま」かを確かめた。「ししじま」だった。その直後に潜水艦救難艦(広島県呉から)が現地に向かっていると知り、事故の重大性に気がついた。私も感度が悪かった。それで現地に行くことを算段し、8日夜に航空機の予約等を入れた。こうして11日~13日下地島・伊良部島に渡った(既報)。事故発生から6日目~8日目だ。生存の見込みは殆どない。

 一番の問題はこの事故を誰が責任を持って対処しているのかだろう。師団長が含まれているのだから、陸上幕僚監部が担当しており、事故現場(伊良部島沖)から見たら統合幕僚監部がタッチせざるを得まい。到底陸幕だけでは対応できまい。しかし最大の問題は現場での対応だ。現場に近いのは宮古島の陸自警備隊であり、陸自第15旅団(那覇を司令部とする)だ。当の第8師団は着任したばかりの師団長の遭難で慌てただろう。右往左往しているにしろ、現場に遠すぎる。海上自衛隊の艦艇(勝連)と航空機(那覇基地)が出て、航空自衛隊のヘリと航空機が出ているだろう。むろん海保は宮古島に多くの巡視船を抱えている。現場まで30分で着く。

 肝心なことはどこに墜落したかの確定だ。ひとまず巡視船や航空機等で探していただきながら、関係各機関(陸自宮古警備隊、海自・勝連、海自航空隊・那覇、空自・宮古島警戒隊、空自・那覇、海保11管区・宮古島、もちろん第8師団・熊本)が集まり、捜索の肝を共有することが重要だ。

 この海域に詳しいのは、海人を除けば、地元の海保だ。彼らの分析を主に考えるしかあるまい。そのときの海流の流れ、風向・風速、潮の干満などの複雑な要素が絡まり合っているだろう。4月6日は丁度大潮だ。満ち引きの高さ・幅が大きい。当然流されやすい。だからこそ墜落現場が特定できれば探しやすいが、さもないと、難しくなる。結果的にソナーという機械を投入し、海底での無人潜行機を使い探したわけだ。

 こうしたワサワサした中で、誰がリーダーシップを発揮したのか、報道では伝えられてこないのだが、現場の統括官が不在だったのではないか。第8師団から地上でヘリをサポートをする部隊(整備や通信)を派遣していれば、彼らがやったのだろうが、こうした話しは聞こえてこない。

 万が一の時、どうするのかというマニュアルは不可欠だ。鉄則ができていれば、相互に連携できる。現場は正に島嶼部であり、宮古島、池間島、下地島、伊良部島が重なっている。空からはもちろんだが、海から、陸からの連携が不可欠だ。そもそも潮の干満の時間によって、浮遊物は上がる、下がるがあり、それを探す。但し岩場が広がっており、岩の奥とか、岩の穴などに入ってしまえば、探しようがなくなる。陸から海からの双方からの捜索は不可欠だが、どれだけやったのだろうか。陸域に約300名と出ていたが、池間島と伊良部島合せれば、足りなかっただろう。結果的に海保の巡視船が殆どを拾い上げたようだ。

 ここからが本題だ。6日夜に公表された機影が消失した現場は、池間島北東と図示されている。しかし翌日に訂正されている。伊良部島沖約3kmに。約8kmも離れており誤っていた。この機影を把握していたのは、宮古島野原の空自第53警戒隊の最新のレーダー基地からだ。このレーダーから墜落現場は北西に17、18kmに過ぎない。

 プロットを打ち間違えたというが、今時のレーダーの陰影は即プリントされるだろうに。それと地形図とを照合した図面もあっというまにできるはずだ。それを慌てて打ち間違えるはずがない。余りにもレベルが低い。真意不明だが、段取りの悪さ、失敗を間違えましたで、済ませるつもりだろうか。今、約8km離れていると書いたが、海域を考えると、池間島北側と南西側で島に物理的に阻まれており、当然捜索範囲は全く異なる。素人でも分かることだ。お粗末すぎる。

 たった一つの事故でこうなのだから、戦争となれば、てんやわんやになってしまい、到底有効な対応は不可能だろう。軍隊はいらないと言うことだ。琉球の島々を戦場にするな!

 



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