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加藤訓子 パーカッションリサイタル

2008-02-24 00:33:27 | 音楽
加藤 訓子/パーカッション・リサイタル
      土曜ソワレシリーズ 女神(ミューズ)との出会い

2008年2月23日(土)18:00~
横浜青葉台フィリオホール


彼女のコンサートを聴くのは3回目。
一昨年、武満さんの『カシオペア』でド肝を抜かれ
昨年、上野でF.ジェフスキの植木鉢に感銘を受け
今日、マリンビスト加藤の本質に
(やっと?)触れられたような気がする。

自分にとって最初の印象が
『カシオペア』の錚々たるものだったので
逆をたどっている、ということになるのだろう。

マリンバに音楽の「ルーツ」を見出し
木の素朴な響きの中にも
限りない多様性を追求し続けることが
まさに彼女の原点かと思う。

コンサート自体は非常に親密な
リラックスしたものだったのだけれど
後半にいくに従ってぐいぐい引き込んでいく
迫力があった。

前半の打楽器の即興でも
緊張感を失わないのはさすがで(当たり前ですね)
パフォーマーとしての輝きも、相変わらず素晴らしい。
聴きながら「あぁ、音が生きているなぁ」という
実感が沸いてくる。

いささか平凡至極で恐縮なのではあるが
「音が生きている」という言葉が素直に出てきたのは
初めてかもしれない。

それだけ、リアルに感応するものがあった。


『カシオペア』で垣間見たミューズが
シャーマンの身を借りて地上に降り
等身大の姿を見せてくれた、
とでも言おうか。

彼女のコンサートはいつも
天の岩戸を覗き見るようなドキドキがあって
実に、楽しいのである。