新橋古本まつり ヴェルーシュカ『変容』
打ち合わせの帰りに新橋を経由したのが運の尽き、というか
SL広場の「古本まつり」に遭遇。
この手のイベントにありがちな「文庫本100円コーナー」が並ぶ中
あまり期待せずに覗いたテントで
ヴェルーシュカ(モデルでアーチスト)の『変容』という写真集を発見。
見ての通り、ボディペインティングされた人物と風景の融合が
実に見事である。今風に言えば(?)光学迷彩の現実版というところ。
初版は1987年、SF映画「プレデター」がアメリカで公開されたのと同じ年のこと。
本書の解説では当時流行だった「記号論」の文脈で
小難しいことを書いているが、見た目のインパクトだけで十分だ。
カバーに多少汚れあり、第二刷で6,300円はまあまあの価格か。
アマゾンで検索すると、最低は7,000円からだ。
古本屋というのは従来、分かる人が分かればいいという
おおよそ商売っ気のない業界だから
特にこういうイベントでは、分類はメチャクチャ
POPひとつ付いているわけでもないということが
当たり前のようになっている。
神保町あたりではお店ごとに得意分野があって
純文学に強いとか山岳図書ばっかり、楽譜専門とか
見て歩くのがとても面白い。
それと同じにというのは無理かもしれないが
「一般大衆」相手だからといって、辞書だの文庫本だのでは
古本に対する興味はますます失われるであろう。
この業界の「専門性」を払拭することで
新しいビジネスを構築したのがBOOK OFFだと言われている。
BOOK OFFが出版社や新刊書店に脅威であることは確かだし
古本業界に与える影響も大きいのだろう。
買取~販売の値付けをマニュアル化して
本をリサイクル化したのは確かに画期的だった。
しかし、一般の小売業界、接客業界では既に
サービスや接客を省略して価格を落とす戦略は終焉を迎えている。
「コンシェルジュ」という言葉が流行していることからも分かるように
顧客はお店に対して専門性を求め、ナビゲートしてもらいたがっているのである。
BOOK OFFで購入できる本は、所詮その程度のモノでしかないし
サービスクオリティは残念ながら、限界が見えている。
その一方で、旧態依然として進化のスピードが遅かったがゆえに
小さな古本屋には、むしろ勝機が巡ってきたとは言えないだろうか。
つまり一般大衆相手の「古本まつり」だからこそ
BOOK OFFが切り捨てた本来の専門性をもっともっとアピールすべきなのだ。
ただし、分かりやすく、楽しめることが必須。
ヴィレッジ・ヴァンガードの真似をしろとは言わないが
個性的な古本のプレゼンテーション方法を研究すべきだと思う。
ちなみにこの『変容』を見つけたのは茶々文庫という
入間市のお店のテントで
文芸、美術、音楽CD(輸入もの)が並んでいたのだが
そのセレクトに一本筋が通っている。
店番をしていたのは髯のじいさんとメガネのじいさんで
なかなかいい味を出していた。
本日はこの茶々文庫にて上記写真集のほかにCD
メシアン/幼子キリストに注ぐ20のまなざし Pf:ベロフ ¥1,050 を購入、
30分で合計7,350円の衝動買いだ。
1冊100円の文庫本だの300円の料理本が1日何冊売れるかは知らないが
商売として、どちらが面白いだろう。
携帯プレーヤー市場では
30周年を迎えたウォークマンが音質にこだわった製品を投入して頑張っている。
「大」が切り捨てたものにこだわり続けることで
付いて来る顧客は必ずいるのである。
<本日の収穫(ムダ使い・・・?)>
ヴェルーシュカ『変容』 1988年6月10日初版第二刷
リブロポート刊 定価5,000円
Oメシアン/幼子キリストに注ぐ20のまなざし Pf:Mベロフ
EMI Records 2005 2枚組み \1,050(税込)
追記
UCCの缶コーヒーが今年で40周年なんだそうだ。
個人的には、決してエヴァは好きではないのだが
だからと言って、レイやアスカを否定するほど
了見は狭くない(?)のだ・・・
打ち合わせの帰りに新橋を経由したのが運の尽き、というか
SL広場の「古本まつり」に遭遇。
この手のイベントにありがちな「文庫本100円コーナー」が並ぶ中
あまり期待せずに覗いたテントで
ヴェルーシュカ(モデルでアーチスト)の『変容』という写真集を発見。
見ての通り、ボディペインティングされた人物と風景の融合が
実に見事である。今風に言えば(?)光学迷彩の現実版というところ。
初版は1987年、SF映画「プレデター」がアメリカで公開されたのと同じ年のこと。
本書の解説では当時流行だった「記号論」の文脈で
小難しいことを書いているが、見た目のインパクトだけで十分だ。
カバーに多少汚れあり、第二刷で6,300円はまあまあの価格か。
アマゾンで検索すると、最低は7,000円からだ。
古本屋というのは従来、分かる人が分かればいいという
おおよそ商売っ気のない業界だから
特にこういうイベントでは、分類はメチャクチャ
POPひとつ付いているわけでもないということが
当たり前のようになっている。
神保町あたりではお店ごとに得意分野があって
純文学に強いとか山岳図書ばっかり、楽譜専門とか
見て歩くのがとても面白い。
それと同じにというのは無理かもしれないが
「一般大衆」相手だからといって、辞書だの文庫本だのでは
古本に対する興味はますます失われるであろう。
この業界の「専門性」を払拭することで
新しいビジネスを構築したのがBOOK OFFだと言われている。
BOOK OFFが出版社や新刊書店に脅威であることは確かだし
古本業界に与える影響も大きいのだろう。
買取~販売の値付けをマニュアル化して
本をリサイクル化したのは確かに画期的だった。
しかし、一般の小売業界、接客業界では既に
サービスや接客を省略して価格を落とす戦略は終焉を迎えている。
「コンシェルジュ」という言葉が流行していることからも分かるように
顧客はお店に対して専門性を求め、ナビゲートしてもらいたがっているのである。
BOOK OFFで購入できる本は、所詮その程度のモノでしかないし
サービスクオリティは残念ながら、限界が見えている。
その一方で、旧態依然として進化のスピードが遅かったがゆえに
小さな古本屋には、むしろ勝機が巡ってきたとは言えないだろうか。
つまり一般大衆相手の「古本まつり」だからこそ
BOOK OFFが切り捨てた本来の専門性をもっともっとアピールすべきなのだ。
ただし、分かりやすく、楽しめることが必須。
ヴィレッジ・ヴァンガードの真似をしろとは言わないが
個性的な古本のプレゼンテーション方法を研究すべきだと思う。
ちなみにこの『変容』を見つけたのは茶々文庫という
入間市のお店のテントで
文芸、美術、音楽CD(輸入もの)が並んでいたのだが
そのセレクトに一本筋が通っている。
店番をしていたのは髯のじいさんとメガネのじいさんで
なかなかいい味を出していた。
本日はこの茶々文庫にて上記写真集のほかにCD
メシアン/幼子キリストに注ぐ20のまなざし Pf:ベロフ ¥1,050 を購入、
30分で合計7,350円の衝動買いだ。
1冊100円の文庫本だの300円の料理本が1日何冊売れるかは知らないが
商売として、どちらが面白いだろう。
携帯プレーヤー市場では
30周年を迎えたウォークマンが音質にこだわった製品を投入して頑張っている。
「大」が切り捨てたものにこだわり続けることで
付いて来る顧客は必ずいるのである。
<本日の収穫(ムダ使い・・・?)>
ヴェルーシュカ『変容』 1988年6月10日初版第二刷
リブロポート刊 定価5,000円
Oメシアン/幼子キリストに注ぐ20のまなざし Pf:Mベロフ
EMI Records 2005 2枚組み \1,050(税込)
追記
UCCの缶コーヒーが今年で40周年なんだそうだ。
個人的には、決してエヴァは好きではないのだが
だからと言って、レイやアスカを否定するほど
了見は狭くない(?)のだ・・・