JUDY AND MARY結成15周年記念のトリビュートアルバム。
仕事先のN村氏に教えられて購入してみましたが
これが予想以上の面白さ!
余計なこととは思いながら
やらずにおれない、個人的★づけをやってしまいました!
(長いです、かなり・・・)
01/いきものがかり クラシック
とりあえずオープニングが「クラシック」というのがいい。JAMのうたの世界で表現される10代特有の、自分の力を信じて前向きに生きる純粋さやひたむきさが凝縮された名曲で、おじさんは今でもこのサビを聴くと胸がジンとしたりするものだ。原曲のYUKIはかなり思い入れたっぷりで歌っていたものだが、いきものがかりの吉岡聖恵はちょっとあっさりめというか、あっけらかんというか、その辺が今風なんだろうね。
可もなく不可もなく、というところで★。
02/PUFFY motto
1年の活動休止後に発表されたWARPというアルバムはちょっと支離滅裂というか、良く言えばいえば色んな表現方法を試してみました的なものだと思う。この「motto」という曲は最もシンプルでストレートなバンドでやる音の原点みたいな曲で、JAMの底力を改めて実感させられて嬉しかった。特にPVの、デパートの屋上でやったほとんど一発ライブ撮りは感動的ですらある。その辺のインパクトをグイッとえぐってくれるヘビーなギターは秀逸!それにかぶさるPUFFYのボーカルのぬけ具合もいい味を出していて、実に楽しい。
これはもう、★★★。
03/mihimaru GT Over Drive
チャートで4位まで上がってJAMを一躍メジャーにした曲で、JAMといえばこの曲というファンも多いのだろう。とはいえYUKIに言わせると「別にJAMがやらなくてもいんじゃないの?」というほど、あまり好きな曲ではなかったらしい。彼女にとってJAMの音はあくまでも「JAMにしかできない音」ということで、その唯一無二の存在感に一番の意味があった。ただし、歌っているうちに段々好きになってきた、というわけで、ライブではアンコールナンバーの定番になっていた。Mihimaru GTというユニットは聴いたことがないので(すみません)よく分からないが、この曲を聴く限り、何がやりたいのかよく分からない。もっと自分たちのやりたいようにやれば、はるかに面白くなったと思うのだが、妙に中途半端。
せっかくいい曲なのに、★。
04/奥田民生 散歩道
原曲はドラムの五十嵐公太の曲。「ドキドキ」や「風に吹かれて」など中・高校時代の、毎日生きていること自体が新鮮で瑞々しく、自分の未来に一点のくもりもない、という幸福な時期の心地よさをうたった名曲。さすがにこの手のことをやらせるとこの人の右に出るものはないと言えるくらい、奥田民生ははまりきっていて拍手。
それだけよくできているがために、意外性やインパクトに欠ける分があって、あえておじさんの感想は★★。
05/半沢武志(Free TEMPO) RADIO
メジャー2枚目のCDオレンジサンシャインに収録されていた曲。自分がJAMを聴き始めたのはかなり遅かったのでYUKIがラジオでDJをやっていた頃のことは全く知らないのだけれど、ご他聞にもれず、彼女にとってラジオでリスナーとつながりを持つことは非常に大きな意味を持っていたようだ。JAMがバンドとして当時も今も、音楽以上にファンの心に住み着いているのはそうしたコミュニケーションがあったことも大きいのだろう。半沢武志のアレンジはポップタッチで、どこか80年代の、竹内まりやにこんなのあったね、と思わせる軽妙なリズム感がよい。ボーカルは一瞬チャットモンチーのえりちゃんかと思わせるがSAWAというJAPANESE BLACK系のミュージシャンだそうな。個人的に大好きな声質ということもあるのだが、このリズム感の心地よさと声の癒し感はいい意味で想定外。
これは★★★の大満足。
06/school food punishment Brand New Wave Upper Ground
音づくりの軸が恩田快人からTAKUYAにが移り、1年の休止期間を経たにもかかわらず、解散に向かって進むことになったJAMの未来を予感させる1曲だった。元々恩田快人のもっていたポップで売れる「ロリータパンクバンド」というコンセプトはもう既に達成されていたわけだから、彼自身が続ける意味がないというのも分かる気がするし、YUKIが「恩ちゃんが抜けるなら、やめよう」という言葉も正直そのままだったのだろう。良し悪しは別にしてこの曲やWARPというアルバムを聴くときはそんな感慨が浮かんでしまうのだが、やはり他の人の手にかかると聴こえ方も違って、素直に原曲のよさを楽しもうという気持ちになる。
とてもリメイクするのがやさしい曲とは思えないのだが、そつなくまとまっているので、ま、いいでしょう。★
07/HALCALI ラッキープール
前曲同様WARPからの選曲。流れから行くと、「ドキドキ」や「散歩道」のような10代のライフシーンの切り抜きなのだろうが、バンドのコンセプト自体がそこからずれてしまっては、もはや説得力はない。TAKUYAの曲なのだが、珍しくハズしていると感じるのは、同じWARPに入っている五十嵐公太の「散歩道」とは対照的だと思う。HALCALIのアレンジはむしろそうしたこだわりがない分、自由にやっている感があって、こういう世界もありかと思わせてくれる。いわゆるヒップホップの、いい若いモンが何悲しくてお経を読んでるんだ、というボーカルスタイルは全然馴染めないのだけれど。
個人的な好みは一旦棚に上げて、★★。
08/SCANDAL DAY DREAM
メジャーデビューのCDに入っていた最初期の曲。デビューの頃からレパートリーは200曲を超えていたというJAMはやはりその頃の、というか日本のバンドの中ではちょっと抜きん出ていたのだと思う。YUKIの言葉にもあるように、唯一無二というのが彼らの信条なんだろうが、この曲に関する限りは、あまり「らしさ」を感じないのは、私だけだろうか?YUKI流に言えば「爆風スランプでいんじゃないの?」って感じ。逆に言えば、あの頃のバンドの音って(よく分からないけど)みんなこんな感じだったような気がする。使っている楽器は電気ギターやドラムセットでロック風だが、いかんせんこぶしまわしが演歌!ま、今でもそんなのはよくあることだけど。そういう意味ではこのSCANDALも忠実に「演歌」を歌っているな。ライナーノーツでは女子中・高生で組まれたガールズバンドと紹介されているが、いつもこんな演歌をやってるわけじゃないんだろうな・・
と、おじさんは心配になって★。
09/木村カエラ HAPPY?
「ラブリーベイビー」や「クラシック」、「クジラ12号」「風に吹かれて」など紛れもなくJAM絶頂期の4枚目のCD、POWER SOURCEの中の曲。この作品群の中ではちょっと異質な感じのする曲。CDよりも横浜スタジアムでのライブの印象が強いのだけれど、木村カエラのちょっとシュールな曲づくりはその辺の雰囲気をよく感じさせると思うが、どうかな?
何にせよ、存在感のあるボーカルはさすが、という感じで★★。
10/中川翔子 そばかす
このアルバムの中で一番インパクトがあって、おそらく一番よくできているのではないかと思われる1曲!これは大変素晴らしい!しょこたん歌うまい!これは想像以上だった。すみません!しょこたんのアニソン、アイドル歌謡路線全開で、まるで松田聖子が乗り移ったがごとき世界観の展開は100点満点。原曲も「るろうに剣心」とかいうアニメのエンディングテーマだったそうだから、そういう意味でもハマったのかもしれない。JAMのメロディの分かりやすさ、詩の世界の親近感はアニソンの世界観に通じるところがあるのだと思う。YUKIの書く詩のユニセックスな、男子も女子も共感できるリアルな感覚は、映画でもドラマでもなく、アニメの中にある、と言えば言いすぎだろうか。
とにかく、1日100回ブログ更新という快挙も達成したことだし、しょこたんに★★★!
11/ミドリ ミュージック ファイター
JAM解散後のインタビューで最も印象に残る曲は?と問われてYUKIが答えたのがこの「ミュージック ファイター」。何度も繰り返すようだけれど、JAMのこだわりはあくまでも「JAMらしさ」にあった。それはもちろんどんなミュージシャンにも言えることだけど、「らしさ」のある曲はいつになっても、誰が歌っても、その個性は失われることはない。このトリビュートアルバムに納められている曲はどれも比較的にメロディラインを忠実にたどっているようだが、原曲の「美しさ」を残しながら、どこまで自分たちの世界に描き替えられるか、広げられるか、というところも聴きどころの一つだと思う。ミドリの編成はJAMと同じで、バンドコンセプトも似ているのかもしれない。「ドゥビドゥビパッパ・・・」のあたりは面白いし、ボーカルの後藤まりこのセーラー服姿はぜひ見てみたいと思うのは山々なんだけど、
同じ土俵に乗っかっちゃ、ねえ・・・★。
12/大塚愛 LOVER SOUL
これは文句の言いようがありません。こういう世界もありますよね、というか、奥田民生同様、大塚愛的完成度の高さがあって、マル。この曲が入っているPOP LIFEというアルバムはピークを超えて崩壊寸前の危ういバランス感覚の中でつくられていたようで、「イロトリドリノセカイ」やら「手紙を書くよ」「ランチ イン サバンナ」などTAKUYAの妙に芝居がかった大仰な曲づくりが全面に出ている。この「LOVER SOUL」はその流れの極みで、デビュー当初のシンプルなパンクバンドと同じバンドとは思えない隔たりがある。人は時間とともに成長するものだから、それはそれで当然なんだけど。大塚愛のピアノ弾き語り版はむしろ、当時の世界観に引き戻したといえようか。例えがいいかどうかは別にして、「The Long and Winding Road」に余計なストリングアレンジを加えたと言って激怒したポール・マッカートニーの逆をやっているようなもん。
おじさんはオリジナルよりこっちが好きだなあ、というわけで★★★。
13/シギ KYOTO
こう書いてくると、まるでおじさんがTAKUYAを目の敵にしているようだが決してそんなことはなくて、TAKUYAの感性は好きだし、何よりギターのウデは最高だと思う。ストラト使っても決してアームを付けないとこなんか、抱きしめてあげたいくらい。しかし何よりもJAMの凄いところは、バンドとしてメンバーの完成度が高いというか、あの4人が集まってこそあの音ができる、ということなんだと思う。正直言ってTAKUYAは凄いと思うが、なぜかROBOTはいいとは思えないし(あくまで個人的な好みで・・・)。おそらく、恩田+五十嵐という鉄壁のリズムセクションと芯の強いYUKIのボーカルがあったからこそ、自由で神業的なギターワークが活かせたのだと思う。この「KYOTO」という曲は先のインタビューでTAKUYAが最も印象に残っている曲としてあげたもので、ギターこそ地味だけど、ロールを活かしたドラムや浮遊するようなボーカルが不思議な世界を構築している。シギという人も初めて聴くけど、声質や歌い方が違和感なくはまっていて、原曲の柔らかい雰囲気をよく表現していると思う。
意外性はないけれど、安心感があるので★★。
14/スネオヘアー 小さな頃から
ギターのイントロとピアノのリフが印象的な原曲。ちょっと少女趣味っぽい、子どもっぽい内容ではあるが、曲のつくりとしては決してヤワなバラードではなく、腰の強いベースと小技の効いたドラムが底を支えている。JAM最後の東京ドームで歌っているときも、淡々と演奏しているようで、エンディングに向かって力強く盛り上がっていくところはやはり感動的。バンドの個性を決めるのはリズムセクションだと常々思っているのだけれど、やはりJAMもリズムセクションがキモなのだ。ということをスネオヘアーも思ったのかどうかは分からないが、ちょっと頼りなげなボーカルながら、終始ドラムのリズムキープを強調していて、なかなかいいところを突いてるじゃん、とほくそえんでしまうのだ。多分、人によってはどうしてこれが?と思うかもしれないが、
オジサン的には十分★★★なのだ。
15/真心ブラザーズ ドキドキ
やさしいメロディや詩の内容だけ聴くとほんとに軽いポップチューンなんだけど、バンドスコアのアドバイスにはこのリズムをかっこよくまとめるのは至難の業、などと書いてあった(と思う)。自分は楽器はいくつか持ってはいるけど、練習嫌いとセンスのなさが災いしてまともに弾けるものは全然ないのだけれど、夢は夢として持ち続けるのは個人の自由だから、性懲りもなくバンドスコアなんか買い込んで、後生大事にしまいこんでいる。JAMというバンドはいまだに再結成してほしいバンドの上位に、というか1位になってしまうくらい人気が衰えないようだが、きっと誰の心の中にも忘れられない10代の頃の夢、みたいに大切にしまわれているんだろうと思う。自分がJAMにはまり込んだのは40歳を過ぎてからで、恵比寿のLIVE DVD(POP LIFE SUICIDE2)を見て、自分もここに行きたい!と即座にファンクラブに入会したものだ。その夢はかなわなかったが、今でも日常的に自分のテンションを上げたいときはJAMを聴いている。恵比寿のステージでYUKIが「ジュディ アンド マリーはあなたの一部なのよ!」と話しているが、おじさんも、そう思うよ。15曲通して聴いて、「クラシック」から始まって終わりは「ドキドキ」というのも、いい並びだと思う。このCDはぜひシャッフルしないで聴いてほしい。
そんなおじさんの個人的ドキドキを込めて、これも★★★!
※これはファンクラブに入ったときにもらった会員証がわり(?)の缶バッジ。
もう1種あったけど、無くしてしまいました・・・
というわけで、JAMファンの方も、そうでない方も、ぜひご家庭に置いてほしい1枚であります!
仕事先のN村氏に教えられて購入してみましたが
これが予想以上の面白さ!
余計なこととは思いながら
やらずにおれない、個人的★づけをやってしまいました!
(長いです、かなり・・・)
01/いきものがかり クラシック
とりあえずオープニングが「クラシック」というのがいい。JAMのうたの世界で表現される10代特有の、自分の力を信じて前向きに生きる純粋さやひたむきさが凝縮された名曲で、おじさんは今でもこのサビを聴くと胸がジンとしたりするものだ。原曲のYUKIはかなり思い入れたっぷりで歌っていたものだが、いきものがかりの吉岡聖恵はちょっとあっさりめというか、あっけらかんというか、その辺が今風なんだろうね。
可もなく不可もなく、というところで★。
02/PUFFY motto
1年の活動休止後に発表されたWARPというアルバムはちょっと支離滅裂というか、良く言えばいえば色んな表現方法を試してみました的なものだと思う。この「motto」という曲は最もシンプルでストレートなバンドでやる音の原点みたいな曲で、JAMの底力を改めて実感させられて嬉しかった。特にPVの、デパートの屋上でやったほとんど一発ライブ撮りは感動的ですらある。その辺のインパクトをグイッとえぐってくれるヘビーなギターは秀逸!それにかぶさるPUFFYのボーカルのぬけ具合もいい味を出していて、実に楽しい。
これはもう、★★★。
03/mihimaru GT Over Drive
チャートで4位まで上がってJAMを一躍メジャーにした曲で、JAMといえばこの曲というファンも多いのだろう。とはいえYUKIに言わせると「別にJAMがやらなくてもいんじゃないの?」というほど、あまり好きな曲ではなかったらしい。彼女にとってJAMの音はあくまでも「JAMにしかできない音」ということで、その唯一無二の存在感に一番の意味があった。ただし、歌っているうちに段々好きになってきた、というわけで、ライブではアンコールナンバーの定番になっていた。Mihimaru GTというユニットは聴いたことがないので(すみません)よく分からないが、この曲を聴く限り、何がやりたいのかよく分からない。もっと自分たちのやりたいようにやれば、はるかに面白くなったと思うのだが、妙に中途半端。
せっかくいい曲なのに、★。
04/奥田民生 散歩道
原曲はドラムの五十嵐公太の曲。「ドキドキ」や「風に吹かれて」など中・高校時代の、毎日生きていること自体が新鮮で瑞々しく、自分の未来に一点のくもりもない、という幸福な時期の心地よさをうたった名曲。さすがにこの手のことをやらせるとこの人の右に出るものはないと言えるくらい、奥田民生ははまりきっていて拍手。
それだけよくできているがために、意外性やインパクトに欠ける分があって、あえておじさんの感想は★★。
05/半沢武志(Free TEMPO) RADIO
メジャー2枚目のCDオレンジサンシャインに収録されていた曲。自分がJAMを聴き始めたのはかなり遅かったのでYUKIがラジオでDJをやっていた頃のことは全く知らないのだけれど、ご他聞にもれず、彼女にとってラジオでリスナーとつながりを持つことは非常に大きな意味を持っていたようだ。JAMがバンドとして当時も今も、音楽以上にファンの心に住み着いているのはそうしたコミュニケーションがあったことも大きいのだろう。半沢武志のアレンジはポップタッチで、どこか80年代の、竹内まりやにこんなのあったね、と思わせる軽妙なリズム感がよい。ボーカルは一瞬チャットモンチーのえりちゃんかと思わせるがSAWAというJAPANESE BLACK系のミュージシャンだそうな。個人的に大好きな声質ということもあるのだが、このリズム感の心地よさと声の癒し感はいい意味で想定外。
これは★★★の大満足。
06/school food punishment Brand New Wave Upper Ground
音づくりの軸が恩田快人からTAKUYAにが移り、1年の休止期間を経たにもかかわらず、解散に向かって進むことになったJAMの未来を予感させる1曲だった。元々恩田快人のもっていたポップで売れる「ロリータパンクバンド」というコンセプトはもう既に達成されていたわけだから、彼自身が続ける意味がないというのも分かる気がするし、YUKIが「恩ちゃんが抜けるなら、やめよう」という言葉も正直そのままだったのだろう。良し悪しは別にしてこの曲やWARPというアルバムを聴くときはそんな感慨が浮かんでしまうのだが、やはり他の人の手にかかると聴こえ方も違って、素直に原曲のよさを楽しもうという気持ちになる。
とてもリメイクするのがやさしい曲とは思えないのだが、そつなくまとまっているので、ま、いいでしょう。★
07/HALCALI ラッキープール
前曲同様WARPからの選曲。流れから行くと、「ドキドキ」や「散歩道」のような10代のライフシーンの切り抜きなのだろうが、バンドのコンセプト自体がそこからずれてしまっては、もはや説得力はない。TAKUYAの曲なのだが、珍しくハズしていると感じるのは、同じWARPに入っている五十嵐公太の「散歩道」とは対照的だと思う。HALCALIのアレンジはむしろそうしたこだわりがない分、自由にやっている感があって、こういう世界もありかと思わせてくれる。いわゆるヒップホップの、いい若いモンが何悲しくてお経を読んでるんだ、というボーカルスタイルは全然馴染めないのだけれど。
個人的な好みは一旦棚に上げて、★★。
08/SCANDAL DAY DREAM
メジャーデビューのCDに入っていた最初期の曲。デビューの頃からレパートリーは200曲を超えていたというJAMはやはりその頃の、というか日本のバンドの中ではちょっと抜きん出ていたのだと思う。YUKIの言葉にもあるように、唯一無二というのが彼らの信条なんだろうが、この曲に関する限りは、あまり「らしさ」を感じないのは、私だけだろうか?YUKI流に言えば「爆風スランプでいんじゃないの?」って感じ。逆に言えば、あの頃のバンドの音って(よく分からないけど)みんなこんな感じだったような気がする。使っている楽器は電気ギターやドラムセットでロック風だが、いかんせんこぶしまわしが演歌!ま、今でもそんなのはよくあることだけど。そういう意味ではこのSCANDALも忠実に「演歌」を歌っているな。ライナーノーツでは女子中・高生で組まれたガールズバンドと紹介されているが、いつもこんな演歌をやってるわけじゃないんだろうな・・
と、おじさんは心配になって★。
09/木村カエラ HAPPY?
「ラブリーベイビー」や「クラシック」、「クジラ12号」「風に吹かれて」など紛れもなくJAM絶頂期の4枚目のCD、POWER SOURCEの中の曲。この作品群の中ではちょっと異質な感じのする曲。CDよりも横浜スタジアムでのライブの印象が強いのだけれど、木村カエラのちょっとシュールな曲づくりはその辺の雰囲気をよく感じさせると思うが、どうかな?
何にせよ、存在感のあるボーカルはさすが、という感じで★★。
10/中川翔子 そばかす
このアルバムの中で一番インパクトがあって、おそらく一番よくできているのではないかと思われる1曲!これは大変素晴らしい!しょこたん歌うまい!これは想像以上だった。すみません!しょこたんのアニソン、アイドル歌謡路線全開で、まるで松田聖子が乗り移ったがごとき世界観の展開は100点満点。原曲も「るろうに剣心」とかいうアニメのエンディングテーマだったそうだから、そういう意味でもハマったのかもしれない。JAMのメロディの分かりやすさ、詩の世界の親近感はアニソンの世界観に通じるところがあるのだと思う。YUKIの書く詩のユニセックスな、男子も女子も共感できるリアルな感覚は、映画でもドラマでもなく、アニメの中にある、と言えば言いすぎだろうか。
とにかく、1日100回ブログ更新という快挙も達成したことだし、しょこたんに★★★!
11/ミドリ ミュージック ファイター
JAM解散後のインタビューで最も印象に残る曲は?と問われてYUKIが答えたのがこの「ミュージック ファイター」。何度も繰り返すようだけれど、JAMのこだわりはあくまでも「JAMらしさ」にあった。それはもちろんどんなミュージシャンにも言えることだけど、「らしさ」のある曲はいつになっても、誰が歌っても、その個性は失われることはない。このトリビュートアルバムに納められている曲はどれも比較的にメロディラインを忠実にたどっているようだが、原曲の「美しさ」を残しながら、どこまで自分たちの世界に描き替えられるか、広げられるか、というところも聴きどころの一つだと思う。ミドリの編成はJAMと同じで、バンドコンセプトも似ているのかもしれない。「ドゥビドゥビパッパ・・・」のあたりは面白いし、ボーカルの後藤まりこのセーラー服姿はぜひ見てみたいと思うのは山々なんだけど、
同じ土俵に乗っかっちゃ、ねえ・・・★。
12/大塚愛 LOVER SOUL
これは文句の言いようがありません。こういう世界もありますよね、というか、奥田民生同様、大塚愛的完成度の高さがあって、マル。この曲が入っているPOP LIFEというアルバムはピークを超えて崩壊寸前の危ういバランス感覚の中でつくられていたようで、「イロトリドリノセカイ」やら「手紙を書くよ」「ランチ イン サバンナ」などTAKUYAの妙に芝居がかった大仰な曲づくりが全面に出ている。この「LOVER SOUL」はその流れの極みで、デビュー当初のシンプルなパンクバンドと同じバンドとは思えない隔たりがある。人は時間とともに成長するものだから、それはそれで当然なんだけど。大塚愛のピアノ弾き語り版はむしろ、当時の世界観に引き戻したといえようか。例えがいいかどうかは別にして、「The Long and Winding Road」に余計なストリングアレンジを加えたと言って激怒したポール・マッカートニーの逆をやっているようなもん。
おじさんはオリジナルよりこっちが好きだなあ、というわけで★★★。
13/シギ KYOTO
こう書いてくると、まるでおじさんがTAKUYAを目の敵にしているようだが決してそんなことはなくて、TAKUYAの感性は好きだし、何よりギターのウデは最高だと思う。ストラト使っても決してアームを付けないとこなんか、抱きしめてあげたいくらい。しかし何よりもJAMの凄いところは、バンドとしてメンバーの完成度が高いというか、あの4人が集まってこそあの音ができる、ということなんだと思う。正直言ってTAKUYAは凄いと思うが、なぜかROBOTはいいとは思えないし(あくまで個人的な好みで・・・)。おそらく、恩田+五十嵐という鉄壁のリズムセクションと芯の強いYUKIのボーカルがあったからこそ、自由で神業的なギターワークが活かせたのだと思う。この「KYOTO」という曲は先のインタビューでTAKUYAが最も印象に残っている曲としてあげたもので、ギターこそ地味だけど、ロールを活かしたドラムや浮遊するようなボーカルが不思議な世界を構築している。シギという人も初めて聴くけど、声質や歌い方が違和感なくはまっていて、原曲の柔らかい雰囲気をよく表現していると思う。
意外性はないけれど、安心感があるので★★。
14/スネオヘアー 小さな頃から
ギターのイントロとピアノのリフが印象的な原曲。ちょっと少女趣味っぽい、子どもっぽい内容ではあるが、曲のつくりとしては決してヤワなバラードではなく、腰の強いベースと小技の効いたドラムが底を支えている。JAM最後の東京ドームで歌っているときも、淡々と演奏しているようで、エンディングに向かって力強く盛り上がっていくところはやはり感動的。バンドの個性を決めるのはリズムセクションだと常々思っているのだけれど、やはりJAMもリズムセクションがキモなのだ。ということをスネオヘアーも思ったのかどうかは分からないが、ちょっと頼りなげなボーカルながら、終始ドラムのリズムキープを強調していて、なかなかいいところを突いてるじゃん、とほくそえんでしまうのだ。多分、人によってはどうしてこれが?と思うかもしれないが、
オジサン的には十分★★★なのだ。
15/真心ブラザーズ ドキドキ
やさしいメロディや詩の内容だけ聴くとほんとに軽いポップチューンなんだけど、バンドスコアのアドバイスにはこのリズムをかっこよくまとめるのは至難の業、などと書いてあった(と思う)。自分は楽器はいくつか持ってはいるけど、練習嫌いとセンスのなさが災いしてまともに弾けるものは全然ないのだけれど、夢は夢として持ち続けるのは個人の自由だから、性懲りもなくバンドスコアなんか買い込んで、後生大事にしまいこんでいる。JAMというバンドはいまだに再結成してほしいバンドの上位に、というか1位になってしまうくらい人気が衰えないようだが、きっと誰の心の中にも忘れられない10代の頃の夢、みたいに大切にしまわれているんだろうと思う。自分がJAMにはまり込んだのは40歳を過ぎてからで、恵比寿のLIVE DVD(POP LIFE SUICIDE2)を見て、自分もここに行きたい!と即座にファンクラブに入会したものだ。その夢はかなわなかったが、今でも日常的に自分のテンションを上げたいときはJAMを聴いている。恵比寿のステージでYUKIが「ジュディ アンド マリーはあなたの一部なのよ!」と話しているが、おじさんも、そう思うよ。15曲通して聴いて、「クラシック」から始まって終わりは「ドキドキ」というのも、いい並びだと思う。このCDはぜひシャッフルしないで聴いてほしい。
そんなおじさんの個人的ドキドキを込めて、これも★★★!
※これはファンクラブに入ったときにもらった会員証がわり(?)の缶バッジ。
もう1種あったけど、無くしてしまいました・・・
というわけで、JAMファンの方も、そうでない方も、ぜひご家庭に置いてほしい1枚であります!