万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌1435 かはづ鳴く1302

2014年07月22日 | 万葉短歌

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万葉短歌1435 かはづ鳴く1302

かはづ鳴く 神なび川に 影見えて
今か咲くらむ 山吹の花  厚見王

1302     万葉短歌1435 ShuD453 2014-0722-man1435

かはづなく かむなびがはに かげみえて
  いまかさくらむ やまぶきのはな
厚見王(あつみの おほきみ)=04-0668歌参照。
【編者注】題詞は「厚見王歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第18首。
【訓注】かはづ(河津)。神なび川(かむなびがわ=甘南備河)[08-1419。飛鳥川?竜田川?]。影(かげ=陰)。咲く(さく=開)。山吹の花(やまぶきのはな=山振乃花)。
【訓注】春日の里(かすがのさと=春日里)[奈良市春日山南、白毫寺町辺]。
【派生歌】今もかも咲きにほふらむ橘の 小島の崎の山吹の花 (『古今集』春歌下、2-121)
 逢坂の関の清水にかげ見えて 今や引くらむ望月の駒 (『拾遺集』秋、3-170)
 春ふかみ神なび川にかげ見えて うつろひにけり山吹の花 (『金葉集』春部、1-78)
 かはづ鳴く神なび川に咲く花の いはぬ色をも人のとへかし (『新勅撰集』恋歌一、11-691)