万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌1426 我が背子に1295

2014年07月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌1426 我が背子に1295

我が背子に 見せむと思ひし 梅の花
それとも見えず 雪の降れれば  山部赤人

1295     万葉短歌1426 ShuD437 2014-0715-man1426

わがせこに みせむとおもひし うめのはな
  それともみえず ゆきのふれれば
山部赤人(やまべの あかひと)=原文には「山部宿祢(すくね)赤人」。01-0318歌参照。
【編者注】題詞は「山部宿祢赤人歌四首」(1424~1427)、その第3首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第9首。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾勢子)。思ひし(おもひし=念之)。降れれば(ふれれば=零有者)。


万葉短歌1425 あしひきの1294

2014年07月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌1425 あしひきの1294

あしひきの 山桜花 日並べて
かく咲きたらば いたく恋ひめやも  山部赤人

1294     万葉短歌1425 ShuD437 2014-0714-man1425

あしひきの やまさくらばな ひならべて
  かくさきたらば いたくこひめやも
山部赤人(やまべの あかひと)=原文には「山部宿祢(すくね)赤人」。01-0318歌参照。
【編者注】題詞は「山部宿祢赤人歌四首」(1424~1427)、その第2首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第8首。
【訓注】あしひきの(足比奇乃)。山桜花(やまさくらばな)。いたく(甚)。恋ひめやも(こひめやも=恋目夜裳)。


万葉短歌1424 春の野に1293

2014年07月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌1424 春の野に1293

春の野に すみれ摘みにと 来し我れぞ
野をなつかしみ 一夜寝にける  山部赤人

1293     万葉短歌1424 ShuD437 2014-0713-man1424

はるののに すみれつみにと こしわれぞ
  のをなつかしみ ひとよねにける
山部赤人(やまべの あかひと)=原文には「山部宿祢(すくね)赤人」。01-0318歌参照。
【編者注】題詞は「山部宿祢赤人歌四首」(1424~1427)、その第1首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第7首。
【訓注】すみれ(須美礼)。摘み(つみ=採)。来し我れぞ(こしわれぞ=来師吾曽)。なつかしみ(奈都可之美)。寝(ね=宿)。


万葉短歌1423 去年の春1292

2014年07月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌1423 去年の春1292

去年の春 いこじて植ゑし 我がやどの
若木の梅は 花咲きにけり  阿倍広庭

1292     万葉短歌1423 ShuD436 2014-0712-man1423

こぞのはる いこじてうゑし わがやどの
  わかきのうめは はなさきにけり
阿倍広庭(あへの ひろには)=原文には「中納言阿倍広庭卿(まへつきみ)。03-0302参照。
【編者注】題詞は「中納言阿倍広庭卿歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第6首。
【訓注】去年の春(こぞのはる=去年春)。いこじて(伊許自而)[唯一例]。我がやど(わがやど=吾屋戸)。若木(わかき=若樹)。


万葉短歌1422 うち靡く1291

2014年07月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌1422 うち靡く1291

うち靡く 春来るらし 山の際の
遠き木末の 咲きゆく見れば  尾張連

1291     万葉短歌1422 ShuD433 2014-0711-man1422

うちなびく はるきたるらし やまのまの
  とほきこぬれの さきゆくみれば
尾張連(をはりの むらじ)=前歌(08-1421)参照。
【編者注】題詞は「尾張連歌二首」、その第2首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第5首。
【訓注】うち靡く(うちなびく=打靡)。春来るらし(はるきたるらし=春来良之)。際(ま)。木末(こぬれ)。咲きゆく(さきゆく=開徃)。


万葉短歌1421 春山の1290

2014年07月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌1421 春山の1290

春山の 咲きのををりに 春菜摘む
妹が白紐 見らくしよしも  尾張連

1290     万葉短歌1421 ShuD433 2014-0710-man1421

はるやまの さきのををりに はるなつむ
  いもがしらひも みらくしよしも
尾張連(をはりの むらじ)=姓(かばね)だけで名は未詳。この二首だけ。
【編者注】題詞は「尾張連歌二首」、その第1首。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第4首。
【訓注】咲き(さき=開)。ををり(乎為里)[02-0196。撓み曲がる…の名詞形(依拠本)]。妹(いも)。白紐(しらひも)。


万葉短歌1420 沫雪か1289

2014年07月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌1420 沫雪か1289

沫雪か はだれに降ると 見るまでに
流らへ散るは 何の花ぞも  駿河采女

1289     万葉短歌1420 ShuD431 2014-0709-man1420

あわゆきか はだれにふると みるまでに
  ながらへちるは なにのはなぞも
駿河采女(するがの うねめ)=04-0507参照。
【編者注】題詞は「駿河采女歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第3首。
【訓注】沫雪(あわゆき)[泡雪。≠(春の)淡雪(あはゆき)]。はだれ(薄太礼)。まで(左右)[左右手・真手(まて)、握手]。


万葉短歌1419 神なびの1288

2014年07月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌1419 神なびの1288

神なびの 石瀬の社の 呼子鳥
いたくな鳴きそ 我が恋まさる  鏡王女

1288     万葉短歌1419 ShuD429 2014-0708-man1419

かむなびの いはせのもりの よぶこどり
  いたくななきそ あがこひまさる
鏡王女(かがみの おほきみ)=第0092歌参照。
【編者注】題詞は「鏡王女歌一首」。「春雑歌」三十首(1418~1447)の第2首。
【訓注】神なび(かむなび=神奈備)。石瀬(いはせ=伊波瀬)[奈良県生駒郡斑鳩町車瀬?]。呼子鳥(よぶこどり=喚子鳥)。我が恋(あがこひ=吾恋)。


万葉短歌1418 石走る1287

2014年07月07日 | 万葉短歌

―― 巻八 ――

― 春雑歌 ―

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万葉短歌1418 石走る1287

石走る 垂水の上の さわらびの
萌え出づる春に なりにけるかも  志貴皇子

1287     万葉短歌1418 ShuD424 2014-0707-man1418

いはばしる たるみのうへの さわらびの
  もえいづるはるに なりにけるかも
志貴皇子(しきの みこ)=第0051歌参照。
【編者注】題詞は「志貴皇子懽(よろこびの)御歌一首」。部立て「春雑歌(はるざふか)」三十首(1418~1447)の第1首。
【訓注(全原文)】石激 垂見之上乃 左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨
【巻八歌数】246(1418~1663)、うち短歌***(1257~****)。


万葉短歌1417 名児の海を1286

2014年07月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌1417 名児の海を1286

名児の海を 朝漕ぎ来れば 海中に
鹿子ぞ鳴くなる あはれその鹿子  

1286     万葉短歌1417 ShuD419 2014-0706-man1417

なごのうみを あさこぎくれば わたなかに
  かこぞなくなる あはれそのかこ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「羇旅歌」。
【訓注】名児(なご)[大阪府住吉海岸?]。漕ぎ(こぎ=榜)。海中(わたなか)。鹿子(かこ)[第4句、水手(かこ)?]。あはれ([(偏)立心(旁)可]怜)。鹿子(かこ=水手)[第5句]。
【巻七歌数】350(1068~1417)、うち短歌324(0963~1286)

(巻七 雑歌・譬喩歌・挽歌 了)


万葉短歌1416 玉梓の1285

2014年07月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌1416 玉梓の1285

玉梓の 妹は花かも あしひきの
この山陰に 撒けば失せぬる  

1285     万葉短歌1416 ShuD415 2014-0705-man1416

たまづさの いもははなかも あしひきの
 このやまかげに まけばうせぬる
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。ただし頭注(仮称)読下しに「或本の歌に曰(い)はく」。
【編者注】題詞は「挽歌」。十三首(1404~1416)の第13首。
【訓注】玉梓の(たまづさの=玉梓之)。妹(いも)。あしひきの(足日木乃)。山陰(やまかげ=山影)。撒けば失せぬる(まけばうせぬる=麻気者失留)。


万葉短歌1415 玉梓の1284

2014年07月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌1415 玉梓の1284

玉梓の 妹は玉かも あしひきの
清き山辺に 撒けば散りぬる  

1284     万葉短歌1415 ShuD415 2014-0704-man1415

たまづさの いもはたまかも あしひきの
  きよきやまへに まけばちりぬる
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「挽歌」。十三首(1404~1416)の第12首。
【訓注】玉梓の(たまづさの=玉梓能)。妹(いも)。玉(たま=珠)。あしひきの(足氷木乃)。山辺(やまへ)。撒けば散りぬる(まけばちりぬる=蒔散漆)。


万葉短歌1414 薦枕1283

2014年07月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌1414 薦枕1283

薦枕 相枕きし子も あらばこそ
夜の更くらくも 我が惜しみせめ  

1283     万葉短歌1414 ShuD415 2014-0703-man1414

こもまくら あひまきしこも あらばこそ
  よのふくらくも わがをしみせめ
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「挽歌」。十三首(1404~1416)の第11首。
【訓注】薦枕(こもまくら)[菰枕、07-1318]。相枕きし(あひまきし=相巻之)。子(こ=児)。あらばこそ(在者社)。


万葉短歌1413 庭つ鳥1282

2014年07月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌1413 庭つ鳥1282

庭つ鳥 鶏の垂り尾の 乱れ尾の
長き心も 思ほえぬかも  

1282     万葉短歌1413 ShuD413 2014-0702-man1413

にはつとり かけのたりをの みだれをの
  ながきこころも おもほえぬかも
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「挽歌」。十三首(1404~1416)の第10首。
【訓注】鶏(かけ=可鶏)。


万葉短歌1412 我が背子を1281

2014年07月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌1412 我が背子を1281

我が背子を いづち行かめと さき竹の
そがひに寝しく 今し悔しも  

1281     万葉短歌1412 ShuD413 2014-0701-man1412

わがせこを いづくゆかめと さきたけの
  そがひにねしく いましくやしも
=未詳。作者名・脚注・左注のいずれもない。
【編者注】題詞は「挽歌」。十三首(1404~1416)の第9首。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾背子)。いづく(何処)。さき竹(さきたけ=辟竹)[割竹]。そがひに(背向尓)。寝(ね=宿)。
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