アタシだって言いたかないよ、言いたかないけど言わせてもらうよ

その時に思った事、面白かった事を書きます

2008年07月16日 11時53分21秒 | Weblog
子供の頃に聞いた話




昔は、こんな田舎にも「物乞い」が来た




家の前に立って「何かめぐんで下さい」と言う





ほとんどの家は、知らん顔をするか追い出した










でも、ある家の嫁さんは、「可哀相だ」と言っていつもご飯をあげてた






それが何年も続いた








ある日、いつもの様に「物乞い」が来た





いつもの様にご飯をあげた





そしたら、その物乞いは





「どうやらここに来るのもこれが最後になりそうです




あなたにはお世話になったから、これを受け取って下さい」






と言って「仏像」を差し出した







嫁さんは、何回も断ったんだけど「どうしても受け取ってくれ」



と言われて、仕方なしに貰う事にした







そして毎朝毎晩、その仏像を拝んだ









その物乞いの人は二度と来なかった










それからしばらくして、村の人がその家に来て






「どうも体の調子が悪い」と言う







嫁さんは、それを聞いて




「それなら仏さんに聞いてみるわ」




と言って拝んでみると




どこからともなく声が聞こえた






「あなたの家の墓がちゃんとしてないから、ご先祖さんが怒ってる




こういう具合にしなさい」






それを伝えて、その通りにすると体の具合も良くなった







それからは、その噂を聞いて色んな人が来る様になった






親切な嫁さんは、その後幸せに暮らしましたとさ





めでたし、めでたし





















と、普通の昔話ならここで終わるんだろうけど










色んな人の相談を聞く様になってから、嫁さんは夫に言った
























「私は神さんになったんやから、アンタは近寄ったらアカン」











可哀相に、夫は二度と相手をしてもらえなかった、とか








子供の頃に聞いた時は、意味が解らなかったけど




そういう事ね




田舎だから、他に楽しみも無いだろうに・・・・











「人間の幸せって何だろう?」というお話