Ｋ山・６

皆で金を出し合って、ギターを買った



俺が弾いてたら、



Ｋ「エンタ、お前のギターは下手やなぁ」




俺「じゃお前が弾いてみろ」




Ｋ「いや、俺は弾けないけど、俺の友達はもっと上手いぞ」






・・・・・お前、そんな恥ずかしい事を言うなよ










Ｋ山は、四国の徳島生まれで、田舎に帰った時に「すだち」を持ってきて





「俺の田舎では、漬け物にも味噌汁にも、すだちを入れるんや」




と言ってたから、やってみたら



漬け物はいいけど、味噌汁はちょっと・・・・







さだまさしの「眉山」を読んだら、同じ事が書いてあって思い出した







Ｋ「いっぺん阿波踊りに来いよ、うちの家に泊めてやるから」




と言ってたけど、結局行けなかったなぁ

Ｋ山・５

寮では、７人が一緒に住んでた




一番上のＳ先輩だけ一人部屋で、後は二人で一部屋




だからプライベートなんて無い




ある日、Ｋ山が俺に言った




Ｋ「エンタのテープを借りたぞ」




俺「借りる前に、借りていいか聞けよ、それで返したのか？」




Ｋ「いや、そのまま俺の部屋にある」






アカンやん







あの頃から思ってたんだけど、どうもＫ山は




「どこまでは良くて、どこからが悪い」というのが解ってないみたい・・・・







Ｋ山の口癖は




「俺は、エンタみたいな頭のいい奴とは話さん」








・・・・・それって「悪口」なのか？

Ｋ山・４

不思議なんだけど、この「Ｋ山の話」を書いたら



「このブログに来てくれる人」が増えた



皆さん、そんなにＫ山に興味があるのか？








それはそれとして




今にして思えば、Ｋ山は「本気で板前になりたい」と思ってたんだろうか？



というのも



「味噌汁を作れ」と言われて、Ｋ山が作った



店では「味噌を溶く時」にザルを使う



一度味噌を溶いて、そのザルを床（コンクリート）の上に置いた



味をみて


「薄いな」


と言って、床に置いたザルをそのまま使おうとしたから




「待て待て、せめてザルを洗ってからにしろよ」




と俺が言っても、例によって



「うるさいな、このままでいいんや」



と言うから、仕方なく俺がザルを洗って渡した





どう考えても


「料理を作るのが好きで、板前になった」わけじゃなさそう

Ｋ山・３

前に居た「本店」では、女の人がおかずを作ってたけど



支店では、俺たち「下っ端」が作る事になってた





ある日、先輩のＭさんが、Ｋ山に言った




「Ｋ山、お前は｛飯の準備をしろ｝と言われると、すぐにご飯をよそうだろ？



それから椅子を出したり、おかずを盛り付けたりする



いいか、ご飯をよそうのは、一番最後でいいんだ」






で、その日の晩にＭさんが



「おい、Ｋ山、メシの用意をしろ」


と言ったら


Ｋ山は、ご飯をよそいはじめた



で、俺が横に行って、小声で



「さっきＭさんに言われたばかりやないか、ご飯をよそうのは最後にしろって」



と言ったんだけど


「うるさい」


と言って、そのままご飯をよそって、それから椅子を出して・・・



（コイツは、ワザとやってるのか？）と不思議だった





本店に居た時に、先輩のＳさんに言われた



「例えば、鮎を焼く時は、まず奥の方に魚を置いて表面を焼く


裏面を焼く時は、真ん中で焼く


１回目に教えて、２回目に間違ったらもう一度言う


でも、３回目に間違っても放っておく」




それを聞いた時は（冷たい人だな）と思ったんだけど



後になって思えば「２回言われて言う通りにしない」というのは



「聞く気がない」（やる気がない）という事なんだな







Ｍさんも、二度と言わなかった

Ｋ山・２

俺たちの仕事は「魚のウロコを取って、ハラワタを出しておく」（水洗い）



というのを朝一番にする



Ｋ山が休みの日に、先輩が俺に



「明日来る魚は、腹を開かないでおけ、筒切りにするから」



と言った





次の朝、Ｋ山が魚の腹を開こうとするから



俺「昨日｛腹は開くな｝と言われたから」と言ったんだけど



Ｋ山「うるさいな、これでいいんや」



俺「それなら、先輩が来るまで待てや」


Ｋ山「うるさい」



と言って、ドンドン腹を開いていく





それから1時間して、先輩が来て



先輩「エンタ、昨日腹は開くな、と言ったやろが」



俺「Ｋ山に言ったんですが、聞かないんですよ」



先輩「Ｋ山、そうなんか？」



ｋ山「そうです」








（ｋ山の話を書こう）と思ったのは、これを思い出したから



他のイヤな奴は、自分が悪いくせに俺のせいにする



それに比べたら、アイツはマシだったな、と思って







結局、ｋ山は、そんなに叱られずにすんだ

Ｋ山・１

Ｋ山の事は、今まで書かなかったかな？




大阪に居た時、本店に２年半居て、その後支店に行った





どうやら、俺が行く前に先輩の「Ｍさん」が



「Ｋ山、良かったな、後輩ができるぞ」



と言ったのを信じてた、みたいなんだけど




年も仕事の年数も、俺の方が上だった




それより何より、自分が先輩だと思ってるのなら



コーヒーの一杯くらいオゴッてくれてもよさそうに思うが、一回もなかった







住む所も「支店の寮」に移った



朝出勤する時に、Ｋ山と一緒に行った






えらく早起きして、店（ホテルの中の和食の店）に着いてから



ジュースを飲んでゆっくりする、と言う




冗談じゃない



ただでさえ夜が遅いのに、朝早く起きるのはイヤだった



だから、次の日から、俺はもっと遅い電車で行く事にした





それでも充分に仕事はできたけど



今にして思えば、あれが「最初の衝突」だったな



たぶん俺の事を


(なまいきな後輩だ）と思っただろう



俺が２１歳で、Ｋ山が２０歳だった


・・・・・若かったなぁ・・・・

甲子園の話

俺が高校２年の時に、野球部が甲子園に出場した




その時に「応援団」として俺も行った







待ってる間に「ラジオの人」にインタビューされた




やっぱり「田舎者」だから、ちゃんと「相手の喜ぶ事」を言えない




（向こうがイライラしてるのが解った）





無理やりに（ブラスバンドのリーダーに）言わせてた






試合中に、そのラジオを聞いてたら






「必ず勝ちます」と、リーダーの○○君が言ってくれました







・・・・・まぁ間違ってはいないんだけどね









高校生にして「人生の裏側」を観た瞬間だった





「甲子園」という言葉を聞くと、この話を思い出す

優れてる

ある本に書いてあった




「自分が優れてる事を人に見せる事は



仕事をサボるより悪い事だ」





そうなのか？




サボる方が、よっぽど悪いと思うけどなぁ・・・・






大阪で修業してた頃に、よく




「エンタはアホだ、仕事が出来ない」




と言われてたから



（それなら、できる所を見せてやろう）



と思って、頑張ってしまった







まさに「悪循環」だったなぁ・・・・







もっと早く教えてほしかった




ただ・・・・・言われても、「その通りにした」とは思えないけどね（笑

ウナギ

大阪の「ウナギ屋」で修業してた頃




毎朝ウナギを裂くんだけど、そのウナギが配達されてない




社長に電話して確認してもらったら




本社が「送るのを忘れた」という話だった






先輩には、Ｔさん（５０歳）とＭさん（３０歳）が居たんだけど





Ｍさん「Ｔさんに電話して、｛今日は来ないでいい｝と言え」





俺「でも、Ｔさんは、とっくに家を出てますよ」





Ｍさん「うるさい、言われた通りにしろ」







で、言われた通りに電話したら、奥さんが電話に出て



「とっくに家を出た」


と言われた




しばらくしてＴさんが来て、事情を話したら



「それなら今日は帰るわ」



と言って、帰ったんだけど






後で嫁さんから話を聞いて





「エンタはアホやな」



と言ってたらしい





正しい事を言っても、なかなか認めて貰えない






前に書いたけど、会社員は「ホウレンソウ」（報告・連絡・相談）が出来るだけ羨ましい

トマト

今年の７月は、雨が少なくて暑かった




こういう時に、美味くなるのがトマト






















まだ「赤くなる前」だけど



これは、順番に赤くなっていく



だから毎日「木で熟したトマト」をとって食べる事ができる





悪いけど「店で食べるトマト」とは、味が違うね





ただ、ミニトマトは「皮が固い」




一々皮をむくのは大変だけど



「トマトの皮は、消化が悪い」らしい





だから、頑張って皮をむいて食べてる