JRAでは馬インフルエンザの問題は終息に向かいつつあると強調している。しかし、移動制限の解除の動きはいまだなく、そのため、JRAの指定場所以外の場所へ馬を移せない。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2007/09/01/08.html
身近な話としては、地方競馬へ馬を持っていけないため交流競走が実施できず、3歳未勝利馬の出走機会が大幅に失われることから、今年だけの暫定処置として次回開催について大幅に3歳未勝利戦が増やされることになった。
一方、地方競馬は依然としてインフルエンザ問題は深刻。とりわけ金沢、佐賀では何と保有頭数の約2割が陽性という異常ぶり。金沢は大幅な移動制限を行った効果が出て一気に終息化の方向に向かっている様相だが、佐賀はこれといった対策をいまだ打ち出せないまま、「だましだまし」開催を行っている。
園田は急激に陽性馬の頭数が増えたことから、7日間の開催中止を余儀なくされたが、同じく急激に増えた大井は保有頭数が比較的多いということが要因となり、明日だけの中止にとどまった。しかし交流競走の比率が比較的高い笠松は自身の所属馬はさほど陽性馬は今のところ出ていないものの、組めるレース数が減少することになり、次回開催は5日間から3日間へと短縮。
こうして考えてみていくと、馬インフルエンザの問題はもはや中央・地方と分けて取り組む問題ではないことが分かる。
となると、ここはJRA、NARの監督省である農林水産省が率先してこの問題の終息に取り組むべきではないかと思うわけだが、なぜかこの問題について農水省の関与はほとんど見られない。
確かに、馬インフルエンザは鳥インフルエンザのような強い毒性は持たないとされ、人への感染の可能性はほとんどないが、他の動物に伝染する可能性はある(可能性として高いのは犬)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6
しかも今回の場合、感染源がいまだ特定できていない。さらにオーストラリアにおいてもニューサウスウエルズ州で大量の陽性反応馬が出て、同州の競馬開催が無期限中止に追い込まれている状況だが、ひょっとすると日本からウイルスが持ち込まれ、それが原因で感染している可能性もある。
となるとますます農水省の強い指導力が求められるはずなのに、JRAが「開催できるから」といっているから、それなら別にこちらが何かをする必要もないなどと考えているのではないか。ただ開催できるから云々の問題ではないはずなのに。
今の競馬は国内のみならず、海外へも頻繁に馬が移動するのは当たり前。ところが、その当たり前のことがいまだ事実上解除できない現状である以上、JRAや地方競馬の各主催者にただ任せるのではなく、監督省が率先してこの問題の調査、指導にあたるべきだと考えるが。
(馬インフルエンザ情報)
岩手でさらに10頭。今日の水沢開催は行う。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22615&category=B
佐賀もまだまだ出ている。1日の開催は行った。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22621&category=B
船橋も漸増傾向。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22620&category=B
大井は何とか沈静化の方向に向かっている様子。
http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22619&category=B
JRA、施設外移送一部解禁へ。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20070901063.html
9月2日、佐賀競馬結局中止。
http://www.keiba.go.jp/topics/2007/0902_4.html
その原因は馬主が検査を拒否したためとか。何を考えているのか・・・
http://www.asahi.com/national/update/0902/SEB200709020003.html
川崎競馬で、何と一気に59頭も陽性反応。12~14日開催は様子を見て判断
http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20070902012.html