公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

少しは治まってきたのか?

2007-09-12 21:52:06 | 競馬

JRAあたりではあまり聞かなくなった馬インフルエンザだが、地方競馬でも続々と陰性となる馬が現れ、かなり終息化に近い形にはなってきている。函館&札幌競馬場から牧場等への直接退厩も今日からできるようになり、馬の移動もボチボチ可能な情勢にはなってきている。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22875&category=A

しかし、いまだこの問題に悩まされているのが川崎競馬。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22876&category=B

累計で49頭出たが、内31頭がまだ陽性のまま。

さらに、ダービーグランプリ、日本テレビ盃の今年限定の地域限定重賞格下げの決定がなされたが、いまだ馬インフルエンザ問題でくすぶる様相であるため、10月3日開催の大井の東京盃、8日開催の盛岡の南部杯、9日開催の金沢・白山大賞典あたりの開催も現在は極めて流動的。ひいては31日の大井のJBCの開催も、年初の馬鹿げた騒動とはまた違った形で危うくなっている。ま、JBCは賞金が高額であるため、開催がムリとなったら今年は中止(他の重賞は地域限定となるかもしれないが)となるだろう。

JRAにしたって、白井の競馬学校が検疫場所から除外されたことにより、外国馬の出走が極めて困難な情勢になっており、スプリンターズステークスの今年の外国馬の出走はゼロ。そればかりか、前にも書いたが、地方から馬をつれて来れないため、地方のトップジョッキーが中央では今は乗れない形になってしまっている。

この間ドリーム競馬を見ていたら、

「凱旋門賞などの海外のレースに出走せず、国内に専念する有力馬が今年は多く、盛り上がりが期待できそう。」

という声もあったが、果たしてそうなのか?確かにこの調子でいくとJpn1レースとしては例年盛り上がりを欠く秋華賞に何とG1級優勝馬が4頭出走の予定となるが、90年代の、「秋のG1 10連戦!」とか言っていた時代ならばともかく、今の時代だと必ずしも盛り上がるとはいえないのではなかろうか。

21世紀に入って急激に国際化が進んだ日本の競馬なのに、今は中央と地方の「交流」さえままならないという、まるで昭和の時代の「鎖国競馬」に逆戻りした様相が伺える。ある意味懐かしいけど、今の時代背景を考えると、鎖国競馬というのはいかがなものなのか?

(馬インフルエンザ続報)

笠松、またもや日程短縮。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22891&category=B

川崎、依然21頭陽性。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22895&category=B

金沢は全て陰性となった。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22896&category=B

となると金沢の終息宣言は近い日に来るのかも。

園田、19日に再開。しかし当面は毎開催日ごとの検査キットは欠かさない模様。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22897&category=B

旭川は明日の開催出走予定馬も全て陰性。したがってコスモバルクも出走OK。

http://www.netkeiba.com/news/?pid=news_view&no=22909&category=B

コメント (6)
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競輪とケイリンって違うの?

2007-09-12 16:19:18 | 競輪

昨日、国際柔道連盟の理事選で、山下泰裕氏が落選し、国際柔連における日本人が一人もいなくなるというショッキングなニュースがあった。

そのニュースをラジオなどで聞いていたら、

「『柔よく剛を制す』という柔道の精神が消え去ってしまう」

とか、

「寝技が軽視され、立ち技が断然優勢になるような、単純に力がモノをいう柔道に成り下がってしまうだろう」

という声があった。しかしながらもうとっくの昔に技が重視される柔道というのは消えうせたといっても過言ではないし、アテネ五輪では逆に日本勢はそうした柔道の流れに対応していたはず。だから女子に至っては、7種目5種目も金が取れたのではないか?

今の「国際柔道」というのは技を積極的にかけなければ負ける。ひと試合に2つの警告がつけば即失格となって負け。それも下手をすればあっという間にくる。

しかし、柔道のことをしらない人間にとってみれば、「国際柔道」のほうが見ていてハラハラしてくる。対する、全日本柔道選手権は一度日本武道館で見たことがあるが、途中で「眠たくなってきた」ほど。ちなみに確か全日本柔道は「効果」という項目はなかった。

かつて、日本では無敵を誇った小川直也は、オリンピックではとうとう金メダルが取れなかったが、その理由は攻めの遅さにあったといわれている。つまり小川がまさかの敗戦を喫したあたりから柔道の流れは既に変わっていたといえるのではないか。

というわけで、柔道のことは全く知らない私だが、来年の北京で男女合わせて金が一つも取れないという状況に追い込まれれば大ピンチといわざるを得なくなろうが、今の柔道の流れも攻めを速く、そしてたくさん仕掛けなければならないという観点に立てば、アテネのときと同じような形で対応できると思われる。

前置きが長くなったが、柔道に次ぐ日本生まれのオリンピック種目といえば「競輪」である。しかしオリンピックで行われているのは「ケイリン」であって、「競輪」ではない!という声がよく聞かれる。競輪専門解説者でさえそのように言っているわけで、そういったほうが「都合がいい」場合があるのかもしれない。

ところで、日刊スポーツの今日の別刷で、下重会長と中野さんの会談が掲載されていた。冒頭で下重会長が競輪とケイリンの違いのギャップを嘆いていたが、それを聞いた中野さんが、その2つは決して別のものじゃない、と返している。

確かにルールが「若干」違うのは承知の通り。ところで、3年前の近畿地区プロを見に行った際、「ケイリン」が行われていたが、これが結構面白かった。競りなし、牽制なしと、競輪の「醍醐味」と言われているものがないにもかかわらず迫力満点の展開。場内も大喝采だった。ところが競りあり、牽制ありの従来の競輪を見るととたんに「眠たくなってしまう」のはなぜなのか?

トレーニング的な観点からいうと、以前にも書いたが、競輪とケイリンではやることはほとんど一緒ということも言われている。となると、競輪とケイリンって、柔道とJUDOほどの差のものなのか、と思えてくるわけだが・・・

だったらJUDOにも対応している柔道家はもちろんいるわけ(でないと五輪で金など取れるわけがないわな)で、ケイリンに対応できる競輪選手がいてもおかしくないのではあるまいか。

実際のところ、80年代の頃の競輪選手は、本気で世界選のケイリンを勝つことを目標に置いていた。逆に、本家の意地とプライドをかけて、絶対に金を取らねば、という気持ちを持った選手が多かったわけで。

ま、現実には甘くはなかった。87年に本田晴美が金メダルを取るまで、銅が精一杯。でも、銅メダルを取れるだけマシだといえよう。

ましてや初期の世界選ケイリンこそ、「競輪」と「ケイリン」という違いがあるものだった。どちらかといえばケイリンはポイントレースに近い形のものだった。だから6日間レースで歴代2位の勝利数を誇るダニー・クラークや、ポイントレースで世界選7連覇を果たしたことがあるウース・フローラーといった長距離系の選手がやたらと強かった。そんな異種競技戦であっても、競輪選手は勝たねばならないと意気込んでいたぜ。

しかし、今の「ケイリン」って、長距離系選手はまず勝てない。瞬時に踏みなおしが要求される展開に変わってしまい、間をおいて踏みなおさねばならない長距離選手がケイリンに出場する機会は今やほとんどない。となると、競輪選手が本気で取り組みさえすれば、今のほうが本当はケイリンで勝つチャンスは高いと見る。

もっとも、テオ・ボスやクリス・ホイといった選手や、アテネでダブルを達成したライアン・ベイリーといった選手は長く一定したスピードを保つことができるタイプ。そうなると、最低でも400だったら1周は逃げ切れるだけの力を持たねば世界レベルには到達はできないということもできよう。

ところで現在日本の監督をしているマニェ氏だが、彼はどちらかといえばパワー系の選手で、最後の200あたりから一気に全開するような走りに目を見張るものがあった。逆にいえば、マニェ氏や、ヒュープナーといった選手の走りについていけなくなった競輪選手はそのあたりから凋落しはじめたといえる。

そして、日本を凋落させた「原動力者」?マニェ氏が今日本の監督をやっているというのも不思議な縁である。もっとも、マニェ氏がジュニア時代の頃のフランス・トラック短距離界といえば、プロは中野さんに毎年勝たれ、アマといえば、ルッツ・ヘスリッヒら東ドイツの黄金時代。フランスは昔は強かったけど、今はすっかり弱体化、と言われた時代だった。

だからマニェ氏の話を日本の選手はよく聞いたほうがいいと思う。そして恐らく、マニェ氏は若いお前らが競輪を変えろ!と諭しているはず。

さらにいえば、競輪とケイリンが違うなんていう話なんかになったら、何を考えているのか!って怒鳴られるんじゃないか?

「ナカノはケイリンと競輪は違うなんて言ってたのか!」

って。

ま、若干のルールの違いっていうのは、他のスポーツを見ても少なからずある。野球だって、大リーグとプロ野球では若干ストライクゾーンが違うって毎回言われているし。思うに競輪とケイリンの違いっていうのもそんなもんじゃないのかな?

コメント (4)
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