馬インフルエンザによりダービーグランプリがJpn1レースの対象から外されるといった不運もあり、今年度の経営も不安視され、廃止の影もちらつきはじめている岩手競馬について、達増拓也・岩手県知事は存続に向けて事業の多角化を検討する考えを明らかにした。
http://www.sponichi.co.jp/gamble/flash/KFullFlash20070927025.html
事業の多角化というのはこういうことらしい。馬券売上げ一辺倒の考え方を改め、むしろ競馬を利用して色々な事業を展開できないものかということ。達増知事は私鉄では鉄道事業は赤字だが、その他の事業においては黒字を生み出し、結果的に全体では黒字となっているという例を挙げて事業の多角化に意欲を示しているようだ。その背景には入場者は逆に前年よりも増えていることにあるからだという。
確かに馬券の売上げというのは水物であり、また一人当たりの購買金額が減少傾向である今、これに頼りっきりでは確かに将来的なことを考えても岩手競馬の経営が飛躍的に改善されるとは思えない。
しかし、事業多角化といっても具体的にどうするのかはまだ見えてこないし、加えて破綻連発で大問題となった第3セクターの二の舞になりかねない危険性も孕んでいる。
一番いいのは競馬事業そのものを第3セクター化することだと思うが、これには法改正が必要。となれば、過去にメイセイオペラやトーホウエンペラー、トウケイニセイ、スイフトセイダイといった名馬を輩出した岩手だけに、これらをまずは利用しての事業は考えられるところである。
となれば、やはりかつては南関東と並び称して地方競馬最強地区として全国に名をとどろかせた時代にタイムスリップして、これら関連のものをまとめていけば結構なビジネスになりうるかもしれない。
中央競馬とは違い、過去の成績などの記録面がお粗末な点が懸念されるが、丹念にまとめていけばそれこそ中央競馬以上のものができうるかもしれない。さらに岩手県内の各種イベントに岩手競馬組合がどんどん参画するようになれば、若い世代の共感を呼べるかもしれない。
但し残された時間は非常に少ない。達増知事は一方で、今年度赤字であれば廃止やむを得ずという姿勢はいまだ崩していないらしい。
果たしてどう多角化していくのか?注目してみる価値はありそうである。