50回という節目の大会を迎えた今年のオールスター競輪は17日、高知競輪場で決勝戦が行われた。
スタートは5・佐藤友和が取るが、7・飯嶋則之がすかさず1・山崎芳仁の番手を主張しに行き、道中の並びは、山崎-(佐藤・飯嶋)-3・伏見俊昭-8・菊地圭尚、4・豊田知之、2・新田康仁-9・鈴木誠-6・遠澤健二。
注目の山崎の番手争いは佐藤が執拗に飯嶋に牽制をかけるものの、3周回目で飯嶋が山崎の番手に入る形となり、佐藤は一車引いて3番手。ジャン前から新田が動いてきたが、山崎がその動きに突っ張る形となり、飯嶋は労せず山崎の番手でレースを進めることに。
バックから豊田が捲って出てアッと驚かせたが、伏見が豊田の動きに乗じて飯嶋の内へ入り込む形となった。しかし飯嶋が4角で追い出しをかけて山崎を交わすとあとはそのまま押し切って初のG1制覇。2着に伏見、3着に豊田が入った。
今回の決勝は単騎ということもあったし、北日本が4人で結束といっても、いずれもマークタイプの選手ではないということから、飯嶋は最初から山崎の番手を狙うという形でレースを進めた。
道中は山崎の番手に入る形となった佐藤に執拗に攻められるシーンもあったが、結果的に佐藤を根負けさせて山崎の番手に入り込み、さらに新田の動きに対して山崎が突っ張りをかけたことから最後はほとんど無風状態で回れる形となった。
それにしても、4角では伏見、豊田も山崎後位にもぐりこんでいたというに、彼らに先んじて仕掛けた脚は確かなもので、ここまで着実に力をつけてきたというところを印象付けた。準決勝でも平原康多を最後にズブリと差した脚は確かなものがあったが、今後は関東一のマーク選手として、関東のみならず、北日本の先行選手の番手をもスンナリと回れる可能性が高い。となれば今後もさらに勝つチャンスが増えるともいえよう。
今回特筆すべき動きを見せたのは豊田。ラインを組めない一方で、果たして何をしてくるか分からないという注意すべき点はあったが、山崎と新田が早めの仕掛け合戦になったことはあったにせよ、バックから一気に捲ってきたというあたりは、とても現在40歳とは思えない走り。17年ぶりに進出した(90年の平塚・日本選手権以来)G1決勝で3着に入ったのは立派といえる。
一方、佐藤は不慣れな番手戦になったばかりか、その番手を守らねばならないという走りにならざるを得なかったということで道中明らかに気負いが見られた。そして肝心ともいうべき残りあと2周を通過したときに3番手のままで何もできなかったことは悔やまれるのではないか。