
伊藤忠商事の岡藤正広 会長
伊藤忠会長「スキームに無理あった」セブン&アイ非上場化白紙 NHK 2025年3月3日 17時24分
創業家側によるセブン&アイ・ホールディングスの非上場化が白紙となったことについて、出資を検討していた伊藤忠商事の岡藤正広 会長は、「残念だが当初のスキームに無理があった」と述べたうえで、今後の出資の可能性については否定する考えを示しました。
セブン&アイをめぐっては、カナダのコンビニ大手からの買収提案に対抗し、創業家側が会社を非上場化する提案を行っていましたが、伊藤忠商事などの出資の見送りによって先週、計画が白紙となりました。
これについて、伊藤忠商事の岡藤正広 会長は3日、記者団の取材に応じ、創業家側が非上場化に向けて設立した特別目的会社に投資先としてふさわしいとする格付けが下りなかったことなどを指摘し、「残念だが当初のスキームに無理があった。創業家側が資金調達を模索する中で徐々に悪い方向に向かい、このあたりが引き際だと思った」と述べました。
そのうえで、セブン&アイに今後、出資する可能性があるかを問われると、「創業家側の計画がダメだったからといって伊藤忠商事としてTOB=株式の公開買い付けをやることはない」と述べました。
さらに岡藤会長は、セブン&アイの井阪隆一 社長が退任する方向で調整が進んでいることについて、「経営体制を変えるよりも、どのように企業価値を上げるかという戦略を実行する人を充てることが大事だ。よりダイナミックな戦略が必要だと思う」と話していました。