東京五輪汚職事件 角川元会長 初公判で“私は無実だ” 2024年10月8日 17時02分
東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に合わせて6900万円余りの賄賂を渡した罪に問われている出版大手KADOKAWAの角川歴彦・元会長は、東京地方裁判所で開かれた初公判で「全く身に覚えのないことであり、私は無実だ」と述べ、無罪を主張しました。
出版大手、KADOKAWAの元会長、角川歴彦被告(81)は、東京大会のスポンサー選定で便宜を受けたことの謝礼などとして組織委員会の元理事高橋治之被告(80)に合わせて6900万円余りの賄賂を渡したとして贈賄の罪に問われています。
8日、東京地方裁判所で開かれた初公判で角川元会長は「全く身に覚えのないことであり、私は無実だ。私の意思1つで会社の方針を決めることはできないし、犯罪に手を染めることなど到底できない」と述べ、無罪を主張しました。
また、「よわい80になろうとしていた私は、推定無罪にもかかわらず226日間も病気に冒されながら独居房で拘禁された」と述べました。
検察は冒頭陳述で「スポンサー契約の見返りとして高橋元理事側に7000万円を支払うことについて説明を受け、了承した」と主張しました。
一方、弁護側は冒頭陳述で「決裁権限を持たず報告ラインにもいない元会長にリスクの情報が伝わる状況自体、存在しなかった」などと主張しました。
角川歴彦・元会長とは
出版大手、KADOKAWAの角川歴彦・元会長は「角川書店」創業者、角川源義氏の次男です。
早稲田大学を卒業後、1966年に角川書店に入社し、「ザテレビジョン」や「東京ウォーカー」などの情報誌や「角川スニーカー文庫」などライトノベルの事業を立ち上げました。
数多くの映画の製作に関わり、1998年には日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞したほか日本雑誌協会の理事長や政府の知的財産戦略本部のメンバーなどを歴任しました。
東京オリンピックの聖火リレーでは、長崎市でランナーを遣唐使船に乗せて聖火を運ぶ企画にも関わりました。
事件を受けて「KADOKAWA」が設置した外部の弁護士などによる検証委員会の報告書では、不適切な行為が止められなかった原因として「上席者、とりわけ会長の意向への過度のそんたくとそれを醸成する企業風土があった」などと指摘しています。
7か月間勾留は「人質司法」で憲法違反 賠償を求める訴え
角川歴彦・元会長は今回の事件で逮捕後、7か月間勾留されたことについて、無罪主張を続けると長期間勾留される「人質司法」であり、憲法違反だと主張して、国に2億2000万円の損害賠償を求める訴えを起こしています。
訴状によりますと、勾留中は弁護士が保釈を請求しても証拠隠滅のおそれがあるなどとして3度にわたって裁判所に退けられ、元会長は不整脈の持病を抱えるなかで意識を失うなど、体調が悪化したということです。
元会長は、「無罪を主張すればするほど身体の拘束が続く『人質司法』で人権と尊厳を侵害された」として、不当に拘束されないことを保障した憲法に違反すると主張しています。
東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約をめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に合わせて6900万円余りの賄賂を渡した罪に問われている出版大手KADOKAWAの角川歴彦・元会長は、東京地方裁判所で開かれた初公判で「全く身に覚えのないことであり、私は無実だ」と述べ、無罪を主張しました。
出版大手、KADOKAWAの元会長、角川歴彦被告(81)は、東京大会のスポンサー選定で便宜を受けたことの謝礼などとして組織委員会の元理事高橋治之被告(80)に合わせて6900万円余りの賄賂を渡したとして贈賄の罪に問われています。
8日、東京地方裁判所で開かれた初公判で角川元会長は「全く身に覚えのないことであり、私は無実だ。私の意思1つで会社の方針を決めることはできないし、犯罪に手を染めることなど到底できない」と述べ、無罪を主張しました。
また、「よわい80になろうとしていた私は、推定無罪にもかかわらず226日間も病気に冒されながら独居房で拘禁された」と述べました。
検察は冒頭陳述で「スポンサー契約の見返りとして高橋元理事側に7000万円を支払うことについて説明を受け、了承した」と主張しました。
一方、弁護側は冒頭陳述で「決裁権限を持たず報告ラインにもいない元会長にリスクの情報が伝わる状況自体、存在しなかった」などと主張しました。
角川歴彦・元会長とは
出版大手、KADOKAWAの角川歴彦・元会長は「角川書店」創業者、角川源義氏の次男です。
早稲田大学を卒業後、1966年に角川書店に入社し、「ザテレビジョン」や「東京ウォーカー」などの情報誌や「角川スニーカー文庫」などライトノベルの事業を立ち上げました。
数多くの映画の製作に関わり、1998年には日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞したほか日本雑誌協会の理事長や政府の知的財産戦略本部のメンバーなどを歴任しました。
東京オリンピックの聖火リレーでは、長崎市でランナーを遣唐使船に乗せて聖火を運ぶ企画にも関わりました。
事件を受けて「KADOKAWA」が設置した外部の弁護士などによる検証委員会の報告書では、不適切な行為が止められなかった原因として「上席者、とりわけ会長の意向への過度のそんたくとそれを醸成する企業風土があった」などと指摘しています。
7か月間勾留は「人質司法」で憲法違反 賠償を求める訴え
角川歴彦・元会長は今回の事件で逮捕後、7か月間勾留されたことについて、無罪主張を続けると長期間勾留される「人質司法」であり、憲法違反だと主張して、国に2億2000万円の損害賠償を求める訴えを起こしています。
訴状によりますと、勾留中は弁護士が保釈を請求しても証拠隠滅のおそれがあるなどとして3度にわたって裁判所に退けられ、元会長は不整脈の持病を抱えるなかで意識を失うなど、体調が悪化したということです。
元会長は、「無罪を主張すればするほど身体の拘束が続く『人質司法』で人権と尊厳を侵害された」として、不当に拘束されないことを保障した憲法に違反すると主張しています。