公営競技はどこへ行く

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郵便事業の営業損益は、2022年度に民営化以降初めて赤字に転落した。 翌年度の2023年度は、赤字は896億円に拡大

2025-03-12 21:26:27 | 政治経済問題
岐路に立つ郵便 日本郵政 増田社長に問う NHK 2025年3月12日 14時00分

メールやSNSの普及などを背景に、厳しい経営状況が続く日本郵便。

去年、郵便料金の値上げに踏み切ったが、今後も郵便事業の赤字は拡大する見通しだ。

一方、全国に張り巡らされた郵便局のネットワークを生かし、公共インフラの担い手に転換しようと模索する動きも出ている。

150年以上の歴史を持つ郵便が岐路に立つ今、グループを率いる日本郵政の増田寛也社長に今後の戦略を聞いた。
(経済部記者 坪井宏彰)

“従来型ではやっていけない”
日本郵政 増田寛也社長
できるだけサービスをデジタル化をして、郵便局にわざわざ来ていただかなくてもサービスをお届けできるようにしていく。

郵便局にいらっしゃるお客様は大きく減っていくと思う。従来型のサービスではもうやっていけない。
3月7日、インタビューに応じた日本郵政の増田寛也社長。

語ったのは、時代に合わせて変化しなければサービスを維持できないという危機感だ。

メールやSNSの普及で郵便需要は減少。

燃料費や人件費などのコストの増加も重なり、郵便事業の営業損益は、2022年度に民営化以降初めて赤字に転落した。

翌年度の2023年度は、赤字は896億円に拡大している。
去年10月に郵便料金の値上げに踏み切ったが、総務省の試算では2026年度以降、赤字は再び広がる見通しだ。

日本郵政のグループ全体でみると、黒字を維持している。

しかし、傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命からの収益で郵便事業の赤字を穴埋めしているのが実情だ。
Q.郵便料金は去年値上げをしたが、郵便事業は赤字が続く見通しだ。改善に向けた検討の状況は?
増田社長
郵便利用の減少はなかなかあらがい難く、苦渋の選択だが、去年10月に値上げもさせていただき、経営的には少し改善された。

郵便の商品やサービスのラインナップを豊富にして、ニーズに合った商品開発をより進めていきたいが、それだけでは限界がある。

荷物の事業は、郵便法に縛られずに料金も自由に設定でき、マーケットが伸びる分野なので、魅力あるサービスを提供していく。

全国にある郵便局のネットワークをより活用できるようなサービスを展開して収益を上げていきたい。
地域の生活インフラ拠点に
今、日本郵便が取り組んでいるのが、全国に張り巡らされた郵便局の活用だ。

人口減少が進む地方では、自治体の出張所の廃止や、鉄道の廃線、地域の金融機関の業務の縮小などが相次いでいる。

そこで、こうした生活に欠かせない機能を郵便局が代替できないか、模索しているのだ。

人口減少問題をライフワークとして訴え続ける増田氏の問題意識にも重なる。
増田社長
過疎化が進めば、その地域の多くのサービスをこれからどこが提供するのかが問われる。

公共的なサービスを提供する役割を郵便局が果たせれば、地域にとっては非常にいいことだと思う。

全国には2万4000局の郵便局があるので、郵便局のあり方をこれから大きく切り替える、逆にチャンスだと思っている。
熊本県天草市。この市では、去年、市内にある25の出張所のうち22か所が廃止され、地元の郵便局が住民票や税務関連の証明書の交付などの行政事務を代行している。
二江郵便局(天草市)
2019年以降、全国39の自治体(2025年1月末時点)と、こうした「事務の包括的な受託」の契約を結んでいて、今後さらに増やす方針だ。

さらに鉄道会社との連携も進む。
安房勝山駅・郵便局(千葉県鋸南町)
地方では無人駅が増える中、無人化した駅舎に郵便局を設けて、駅と郵便の窓口の一体運営を始めている。
自治体や鉄道会社から委託費を受け取る仕組みで、地方の担い手不足を補いつつ、収益確保にもつなげたい考えだ。
Q.鉄道会社との連携も、地域を支えるという文脈の一環か?
増田社長
今、地域の日常生活で一番大変なのは、買い物の支援、交通手段の確保、それに病院だと思う。これがないと日常生活が営めない。

鉄道会社も駅員の数を減らしたり、無人駅にしたりしてなんとか鉄道ネットワークを維持しようと努力している。

であれば無人駅の駅舎に郵便局を移してそこでサービスを両方いっぺんに提供するようなことが時代のすう勢にかなっている。
“公共の役割の強化が鍵”
インタビューを通じて増田社長が強調したのが「公共的な役割の強化」というキーワードだ。
増田社長
過疎化が進めば、それだけ求められることは多くなっていく。

自治体からも例えば「地域に年金の受け取り場所がなくて困る。ぜひ郵便局で存続してほしい」ということを強く要請される。

であれば、年金だけではなくてもっと日常的な買い物支援などをやらなければいけない。

今まであまりやっていないが、やらなければいけないことはどんどん逆に大きくなる。

公共的な役割をより果たす、そういう役割が大きくなってくる。
郵政民営化のあり方の議論も
今、郵政民営化法の改正案を議員立法で提出しようという議論が進んでいる。

自民党の議員連盟の案では、郵便局による公的サービスの提供を本来業務に位置づける一方、郵便局のネットワークを維持するために財政上の措置を国に求めるのが柱となっている。

これに対して完全民営化を目指した当初の法律の目的から逆戻りするのではないか、といった指摘も出ている。

増田社長は、国民が納得できる内容になるような議論を求めたいと語る。
増田社長
郵便局の果たす役割が時代とともに変わっていくことに応じた見直しを今、議論しているのだと思う。

民営化した時はまだ日本全体で人口が増えている時で、国営でやるよりも民間会社で十分担えるようなサービス拠点に郵便局を切り替えていこうという議論だった。

しかし、2008年に人口がピークアウトして急激に減ってきている中で、公共サービスをどうするかが今、問われている。

国民の皆さんが認めていただけるようなレベルなのかどうかが、議論の中核部分だ。
明治4年(1871)に取り扱いを始めてから、150年以上の歴史を持つ日本の郵便事業。

時代の変化の中でどう持続可能な姿に変えていくのか。

岐路に立つ郵便のかじ取りが問われている。
(3月14日「おはBiz」で放送予定)
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