美浦トレセンが大規模改修中 いよいよ関東馬がつくる新時代へ突入
長く勤めた栗東から美浦へ異動して約3カ月が経過。周囲からは「慣れた?」とよく聞かれますが、実際のところは激務に追われてアッという間の3カ月…。今でも、美浦トレセンの全体像は把握できていない状況です。
というのも、上半期を締めくくる宝塚記念を前に、春のG1は関東馬が大活躍。牡馬クラシックはソールオリエンスが皐月賞を制すと、ダービーではタスティエーラが優勝。NHKマイルCもシャンパンカラーが制し、古馬ではソングラインがヴィクトリアMと安田記念を連勝-。これだけ活躍されると、むしろ栗東にいた頃よりも仕事はハードでした。
そんなある日。美浦の某調教師がいたずらっぽい顔をしながら「おまえよ~、美浦と栗東の両方のトレセンを経験したんだったら、何で美浦の馬が弱いのかを記事にして書けよ!」と言ってきました。弱いも何も…春は東西がっぷり四つで組み合ったじゃないですか!
とはいえ、関東圏で行われる平場~特別レースでは、関西馬がVをかっさらうケースをよく見かけますし、長く続いた“西高東低”のイメージは簡単には覆らないのかもしれません。師の質問に対する完璧な答えは、難し過ぎて返しようがありませんが、わずかな期間で私がまとめたリポートをここに記したいと思います。
☆長く続いた「西高東低現象」はここ10年でかなり薄れて来ているよ
これまでで最も印象に残ったのは、某ベテラン騎手にあいさつさせていただいた時のひと言。「美浦って無駄に広いでしょ?馬場も北と南に2つあって。馬にとっても人にとっても、栗東みたいにもっとコンパクトにした方が効率的でいいと思いますよ」。また、ダービーを目前に某厩務員はこんなことを言っていました。「乗っていた時にずっと感じていたのは、美浦の坂路は軽過ぎるってこと。軽過ぎて、あれじゃ馬に負荷が掛からない」。
それでも、攻め馬専門の某助手はこう言い切ります。「関西馬が強かったのは、単に馬の質の問題でしょ。施設の差とかは、栗東に行ったことがないから分からないけど、少なくとも馬乗りとしての腕が劣っているとは思えない。むしろ、俺らの方が上ぐらいの気持ちでやっているよ」。
☆違いまっせ~。明らかに「栗東の坂路」調教が功を奏したのですよ
美浦には無かった事での「調教鍛錬の質の違い」の影響は大きかったし、それによって関東の馬主さんも良い馬を関西所属にしたりしたもんな
☆近年の関東の攻勢は「ノーザンの外厩」の効果が大きいと認識しておりまする
ご存じの方も多いと思いますが、現在、美浦トレセンでは大規模な改修工事が行われています。新坂路コースは、スタート地点が半地下に設置され、高低差を現状の18メートルから約33メートルへ。今秋にも完成予定で、同時期には長らく使われてきた北馬場も閉鎖。跡地は新築中の厩舎地区に充てられる予定です。
某ベテラン騎手が指摘していた“機能性”が改善されつつあり、某厩務員が望んでいた“新坂路コース”も完成間近。厩舎スタッフのモチベーションも高いとなれば、春のG1で関東馬が得た勢いは、今後さらに加速することでしょう。
☆☆ですな!間違いなく東西拮抗時代が来ますわ☆☆
そもそも関西所属騎手が関東に居座ったり、その逆もあるような時代ですから。
交通環境も大きく様変わりした現代は「東西」の概念そのものが薄れておりまするが?w
私が競馬を見始めた80年代後半は関東馬が隆盛を極め、91年ダービーでは82年バンブーアトラス以来、9年ぶりに関西馬のトウカイテイオーが勝ったと話題となりました。そこから関西馬の大攻勢が始まりましたが、ああいう時代の移り変わりを味わうことも競馬の楽しみの一つと言えるでしょう。
☆あったあったw
美浦の施設の充実を境に、関東馬の時代が到来するのか?今後も注視していきたいと思います。いずれにしても、今後も東西トレセンが切磋琢磨することにより、ファンの心を揺さぶる白熱した戦いが繰り広げられることを期待します。(デイリースポーツ・松浦孝司)