【ラジオNIKKEI賞】レース展望
10週間にわたる東京開催が終了し、今週から夏の福島開催がスタートする。日曜のメインを飾るのはラジオNIKKEI賞(30日、GⅢ、ハンデ、芝1800メートル)。夏の福島競馬の開幕を告げる名物3歳重賞で、荒れるレースとしても有名だ。
シリウスコルト(美浦・宗像義忠厩舎、牡)は前走の皐月賞こそ、差し決着を2番手から運んで14着に敗れたが、芙蓉Sを勝ち、ホープフルSでも6着に健闘するなど高いレベルで経験を積んでいる。2走前の弥生賞ディープインパクト記念では逃げて3着に粘った。能力自体は重賞でも通用するところを十分に示しており、福島も1200メートルとはいえ新馬戦を快勝している。ハンデ56キロも想定内。開幕週の馬場を味方にできれば念願の重賞タイトル奪取が見えてくる。
サトノシュトラーセ(栗東・友道康夫厩舎、牡)は毎日杯6着、青葉賞4着と重賞戦線で健闘中。特に前走は直線で内の馬が外に出てきたことで不利を受けたが、そこから盛り返す根性を見せた。勝ったシュガークンとは0秒2差とわずかだっただけにもったいない競馬だったが、地力の高さは示した。こちらも56キロは許容範囲。福島は初めてだが、同じ小回りの小倉で1勝クラスを勝っており、好勝負に持ち込める。
札幌2歳S覇者で登録13頭中、ただ一頭の重賞ウイナーのセットアップ(美浦・鹿戸雄一厩舎、牡)はここ2戦、朝日杯フューチュリティS7着、サウジダービー11着と敗れている。帰国初戦に加え、トップハンデ58キロがどう出るかだが、巻き返しても不思議はない存在だ。
ショーマンフリート(美浦・手塚貴久厩舎、牡)=54キロ=は前走、東京の1勝クラス(芝1800メートル)を快勝。好スタートを切って離れた3番手からリズムよく運び、直線で堂々と抜け出した。共同通信杯はスタート後に外から前をカットされる不利で気持ちが切れてしまい、10着に敗れたが、ポテンシャルは高いものがある。流れが速い方が力を発揮できるタイプで、開幕週の馬場で先行激化となれば、一気にチャンスだ。
アレグロブリランテ(美浦・上原佑紀厩舎、牡)=56キロ=はフジテレビ賞スプリングS2着の実績がある。前走の皐月賞こそGⅠの壁に跳ね返されて15着に終わったが、レースを重ねるごとに成長中だ。約2カ月半の休みを挟み、さらなる成長が期待できる。
ゆりかもめ賞勝ち馬で青葉賞5着のウインマクシマム(美浦・畠山吉宏厩舎、牡)=55キロ、白百合S1、2着のミナデオロ(栗東・藤原英昭厩舎、牡)=57キロ=とオフトレイル(栗東・吉村圭司厩舎、牡)=56キロ=などにも注意を払いたい。