海に出て
もうダメかもしれない、と思ったことが一度あります。
自分のボードで海に出始めて
数ヶ月経った6月のことです。
その日は
風もなく穏やかなお天気で
私は
いつもの砂浜から出発して
いつものように
岬方面へ漕ぎ出し
岬の先端の小さな砂浜に
上陸して
海を眺めながら
おにぎりを食べて
ちょっと休んで、
また漕ぎ出し
出発した砂浜に戻りました。
それで
もう帰るつもりだったのですが
とても順調だったので
もうちょっとやりたいな、、
と思ったのです。
それで
いつも南に行くから
北の一番最初の砂浜まで行ってみようと思い
漕ぎ出しました。
けれど
しばらく漕ぐと
風が出始めたことに気がつきました。
それで
やっぱり戻ろう、と思い
Uターンして
出発した砂浜へ向かい漕ぎ出しました。
けれど
思いのほか、風が強くなり
雲行きも怪しくなってきました。
急いで戻らなくては、、と思い
漕ぎましたが
風は陸からの向かい風で
漕いでも漕いでも
進まないのです。
風はますます強くなり
雨も降り出し
もう立って漕ぐことは出来ず
正座して漕ぎましたが
身体は冷え
足は痺れ
パドルを握る指もかじかんで
それでも
パドルを手放したら大変なので
必死にパドルをつかんで漕ぎました。
漕いでも漕いでも
進まない、、、
もうダメかもしれない、、
と思い、
118に電話をしようと
首からぶら下げたiPhoneを
手にしました。
けれど
電話をしている間に
流されてしまうことがわかったのです。
漕ぐことをやめたら
流される、、
何度も
電話をしようかと思いましたが
必死に漕ぎました。
そして
やっと
砂浜に着いたのです。
本当にほっとして
腰が抜けて
しばらく立ち上がることができませんでした。
諦めず
漕ぎ続けてよかった、、と思いましたが
もし
天気図を見て
1日の天気の変化をわかっていれば
「軽い気持ち」で漕ぎ出すことは
なかったと思います。
ボードもパドルも車に積んで
遠くから
海を眺めると
何事もなかったように
静かな海でした、、。
欲張ってはいけないなぁ
、、と思いました。