百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

有機農業の行方

2013-12-18 23:05:35 | Weblog
12月になると、有機農業推進法が制定されたのが7年前の12月だったことから、いつも決まって『有機農業』について考えてみたくなる。
「江戸時代の人口3000万人の時代の循環型社会と比較して4倍の人口持つ現代社会の循環型のそれは同一のモデルで成り立つのか?」という質問がよくあるが、
明治時代の初期のお米の収量は192kg(反あたり)であったが、現代は550kgといわれており、100年あまりでほぼ3倍に。耕作面積も江戸初期に205万ヘクタールだったものが、明治初期には321万ヘクタールになって現代は454万ヘクタールに。
これらはすべて化学肥料や農薬による功績なのか?化学肥料や農薬の功績もあるだろうが、栽培技術の向上や品種改良等もあり、化学肥料や農薬のみを評価することはあまり賢明ではなさそうに思う。
ただ化学肥料や農薬なしで現在の日本の126百万人の食を満たすことが本当に出来るのか?ひとつは有機資材が国内にあるバイオマスで十分賄えるのか、もうひとつは有機栽培によって収量は決して落ちないと言い切れるのか?この2点を何らかの方法で担保で出来れば、有機農業は飛躍的に拡大することになるであろう。

農地バンク法

2013-12-18 00:00:44 | Weblog
秘密保護法可決のさなか、農地バンク法が可決・成立している。
内容は、飛び地になった田畑を集約・大区画化、大型農家や新規参入企業等に貸し出すことを可能とするというもの。
政府は当初14年度から予定していた業務開始の時期を13年度中に前倒しする考えのようだ。
一方でこの法律の可決で政府は・大規模集約農業・遺伝子組み換え食物の大量生産や・農薬・危険薬物の大量使用を目論んでいるとも言われ、
TPPの加盟の素地づくりという人がいる。
内容は政府が各県に「農地中間管理機構」を設け、地域の農家が集まり集約する農地を決めると、その農地を機構の予算で集約し、その後、担い手に長期貸し付けするというもの。
表面的には問題はなさそうだが、担い手が決まるまでの期間の農地の利用方法や貸付先(担い手??といえども企業)の決定方法、更には効率化を追求するが故に忘れ去られそうな“安全・安心”(グローバルな曖昧な基準の採用で)、海外企業の進出、永続性のない農地の活用(環境保全や緑地維持等)等々・・・なんとも多く問題を抱えており、もっとも展開してほしくない方向に向かいそうな気がしてならない。