くりぃーむソ~ダ

気まぐれな日記だよ。

狼おとこ(35)

2022-03-15 19:27:23 | 「狼おとこ」

「泣くんじゃねぇよ、ばか」
「……おい、誰か上がって来なかったか?」
 一瞬声が途切れた。アリエナは自分の部屋の前に立ったまま、じっとしていた。
「なんだ、アリエナか――」外に出てきたトムが、つまらなさそうに言った。
「なんだとは、なによ」と、アリエナはそう言い放つと、バタンと勢いよくドアを閉め、中に入った。入るとすぐ、身震いしながら固唾を呑んだ。ダイアナの言葉を思い出したからだった。

(狼男は、トーマスなのよ――)

 もしかしたら、とアリエナは思った。さっき話していたのは、ダイアナのこと……。そういえば、ダイアナは川岸で見つかったと言っていた。おそらく、ダイアナはトムにもう狼男になるのはやめてって、そう言いに外へ出たんだわ。正体がばれるのを恐れたのか、それじゃないなら事故があったのかもしれない。とにかく、その時、なにかが起こったのよ――。
「トーマス達が来ていたのは、やっぱり、ダイアナのことだったのよ」
 誰かに言わなくちゃ、とアリエナが思った矢先、もうひとつの考えが頭をよぎった。
(もしかしたら、ダイアナがわたしのことをしゃべったかもしれない。狼男の正体をわたしが知ってるなんてことがわかったら――)
 トムの意地悪な笑い声が聞こえてきた。声はアリエナの錯覚に過ぎなかったが、驚いたアリエナは、その場にへたりこみ、両耳を覆って目を閉じた。
 いまにも、叫び声を上げて助けを呼びたかった。棺に横たわっていたダイアナの顔が、自分の顔に変わっている光景が思い浮かんだ。
(ごめんね、ごめんねダイアナ。あなたの仇を取ってあげたかったけど、わたしじゃだめ。わたし――あなたみたいになりたくないの)
 許して、許して、とアリエナは何度も何度もつぶやいた。父のケントの顔が、閉じたまぶたに写った。エレナの顔、トムの顔、バード、リチャード、オモラ、たくさんの人間の顔が、次から次へと浮かんでは遠ざかっていった。アリエナは、見えない手を伸ばして、助けて欲しいと祈った。しかし、誰も、力になってくれる者はいなかった。ダイアナがいなくなった今となっては、真実を知る者は自分しかいなかった。そしてそれは、自分一人だけが危険であることをも、同時に意味していた。
 ダイアナの事件を境にして、狼男はぱったりと鳴りをひそめた。アリエナの父のケントも、ひと頃のようないそがしさから解放され、じっくりと腰を落ち着けて町長の任に着いていた。町の警戒は、しかし狼男が出没していた時よりも厳重だった。夜間は、町の女達も協力して、何人かのグループになりながら、カンテラを手に町内を見回った。酒場は、そんな人々の士気をあげる最高の場所だった。

「おれ達が協力すりゃ、狼男の野郎なんていちころさ!」

 エールがなみなみと注がれたカップを掲げ、男達は歓声を上げた。女達もそれに続き、次々とカップを高く掲げた。日夜、狼と狼男とを呪う歌が大合唱された。まだ、やっと歩き始めた子供でさえ、そのリズムを口ずさんでしまうほどだった。

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よもよも

2022-03-15 06:06:32 | Weblog

やれほれ。

転勤族ならあるあるだけどさ、

ゴミの分別収集。。

もうだいたいいろいろ分けるのは慣れたもんで、

マニュアルにひととおり目を通しておけば

だいたい迷わないでも混乱しないようにはなったんだけど

富良野地方は細かい分別に合わせて

専用の袋も種類がいろいろあって

さすがにまだ混乱させられる。。

こっちに来てしばらくしてから気がついたんだけどさ、

ゴミ袋にも消費期限があって、

それを過ぎたら使えないんだわ・・・。

だから前もって買いだめしておくのも

管理が難しくなるしさ、必要になったら補充する感じなんだけど、

そうすると、いかんせん買い物の回数が多くなるんよね。。

それを狙ってやってるわけじゃ無いと思うんだけど、

ゴミ袋だけ買いに仕事開けなり休日なりに買い物行く??

歩いて楽々行ける距離でもなし、

なんだかんだ車出さなきゃならないのもあって、

ついで買いする確率だいたい100%だわXXX

昨日も生ゴミ専用袋のストックが切れちゃって、

買い物行くのめんどいんだけどさ、

あんまりめんどくさがると、ついで買いが本気買いになっちゃうから、

買い物行きたくないんだよなぁ・・・。

もう絶対おやつは買わないからな。

でも買っちゃうんだろうなぁ。

意志弱々XXX

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