月曜の夜もかおりは仕事で夕方に出掛けたが、体全体がだるく全く気乗りがしなかった。
昨夜はどうなってもいいと思っていたのだが、際どいところで寺井は疲れていたのか眠ってしまい、朝起きてみると、早出だから出掛けるとメモが置いてあった。
いいかげんな男だと呆れた気にはなるが、居ないとどうしようもない寂しさに襲われる。早く独立したいのと裏腹な行動に、自身でもうんざりしながら店に入ると、藤代が早々と来ていた。
「かおりさんお帰り、新潟のお母さんどうでした?」
「ええ、大丈夫です、思っていたよりも元気そうで」
「そう、それなら良かった、あそこは僕の父も仕事で利用している所だから」
「そうなんですってね、私母から聞いたんです」
かおりが聞く前に藤代から話し出してくるのは作為的だな、と警戒心が強くなった。
「いまは不動産がメインなんだけど、いろいろな仕事をしてきたので、何でも聞いてくれれば喜びますよ」
「母が喜んでいました」
「かおりさん今度帰る時は教えてね、僕も戻る用事があるんだ」
「お仕事で?」
「いやそうでもないんだけど、いろいろあって」
かおりからみた藤代は、親に頼って遊んでいるヨタのひとりに過ぎなかった。
「僕ね、船橋のライブハウスにも時々行くけど、新しくオープンした店があって、小さいけどいい店だから今度行きませんか」
「船橋ですか」
「誰か友達を誘って一緒に」
「そうねえ」
親しく話せる相手はまだいないので、行くのなら寺井に頼むしかない。
帰ってみると、夜食の用意がしてあった。
「作ってくれたの」
「うん、早く帰れたからね」
寺井は目が合わない様にして話している。
「ねえ、船橋って詳しいのでしょう?」
「友人がいて、よく行ってたよ」
「津田沼に新しいライブハウスが出来たって」
「ああ、津田沼で初めてだってチラシを見たことがある」
「今度連れて行ってよ」
「知り合いがいるの?」
昨夜はどうなってもいいと思っていたのだが、際どいところで寺井は疲れていたのか眠ってしまい、朝起きてみると、早出だから出掛けるとメモが置いてあった。
いいかげんな男だと呆れた気にはなるが、居ないとどうしようもない寂しさに襲われる。早く独立したいのと裏腹な行動に、自身でもうんざりしながら店に入ると、藤代が早々と来ていた。
「かおりさんお帰り、新潟のお母さんどうでした?」
「ええ、大丈夫です、思っていたよりも元気そうで」
「そう、それなら良かった、あそこは僕の父も仕事で利用している所だから」
「そうなんですってね、私母から聞いたんです」
かおりが聞く前に藤代から話し出してくるのは作為的だな、と警戒心が強くなった。
「いまは不動産がメインなんだけど、いろいろな仕事をしてきたので、何でも聞いてくれれば喜びますよ」
「母が喜んでいました」
「かおりさん今度帰る時は教えてね、僕も戻る用事があるんだ」
「お仕事で?」
「いやそうでもないんだけど、いろいろあって」
かおりからみた藤代は、親に頼って遊んでいるヨタのひとりに過ぎなかった。
「僕ね、船橋のライブハウスにも時々行くけど、新しくオープンした店があって、小さいけどいい店だから今度行きませんか」
「船橋ですか」
「誰か友達を誘って一緒に」
「そうねえ」
親しく話せる相手はまだいないので、行くのなら寺井に頼むしかない。
帰ってみると、夜食の用意がしてあった。
「作ってくれたの」
「うん、早く帰れたからね」
寺井は目が合わない様にして話している。
「ねえ、船橋って詳しいのでしょう?」
「友人がいて、よく行ってたよ」
「津田沼に新しいライブハウスが出来たって」
「ああ、津田沼で初めてだってチラシを見たことがある」
「今度連れて行ってよ」
「知り合いがいるの?」