「感じるものって、何よ」
「それが、ともかく話を理解しようと集中していたんだけれど、慎一君が居たくなったわけでしょ」
「そうよ、だから」
「私もどうしてって聞いたのよ・・そうしたら、なんか落ち着いてほっとした気分になった、いままでにない気持ちを感じた、と大体そんな話を繰り返したのよ」
「はっきりしないわね」
「私それで考えついたの、徳永さんは慎一君のお父さんなのじゃないかと」
「お父さん・・・つまり本当の父親だってこと」
「そうだとすれば納得がいくんだけど」
「慎一君はそういった話しをしたの?」
「いや、全然、私の感じ方なんだけど、叔母さんあの似顔絵、どことなく慎一君に似ていると思わない」
弥生にいわれて、総務の柴田が送ってくれた似顔絵を見直したが、共通点はあまり感じられなかった。
「慎一君の眼つきなんかはお母さん似だけどね」
「でも全体の輪郭は似ていると思うわ」
「じゃあ、あなたは慎一君は不倫の子だというのね」
「まだ何にも証拠はないけど、それもあるかなって」
久美子は、弥生の考え、感じ方は当たっているかもしれないと思った。
8月最後の金曜日、久美子は結論を出さす為、千恵子を自宅に呼びよせる事にした。
真夏の暑さが去り、秋雨前線が迫って曇りがちの午後、千恵子が人目を避けるように現れた。
「無理にお呼び出しをしてすいません」
「いえ・・・」
「女も40才を迎える頃になると、一通り振り返るだけの経験を積まされてくるものですね」
「そうでしょうね」
「私も、人様に言えないような、独身生活を送っています」
「そうは見えませんけれど」
「でも、嘘や、周りの人を惑わす真似だけはして来なかったつもりです」
「・・・」
「勝野さん、徳永さんがいるのに、なんで健吾さんと婚約なんかしたのですか、私、あなたのこと、殆ど調べたわ」
「それが、ともかく話を理解しようと集中していたんだけれど、慎一君が居たくなったわけでしょ」
「そうよ、だから」
「私もどうしてって聞いたのよ・・そうしたら、なんか落ち着いてほっとした気分になった、いままでにない気持ちを感じた、と大体そんな話を繰り返したのよ」
「はっきりしないわね」
「私それで考えついたの、徳永さんは慎一君のお父さんなのじゃないかと」
「お父さん・・・つまり本当の父親だってこと」
「そうだとすれば納得がいくんだけど」
「慎一君はそういった話しをしたの?」
「いや、全然、私の感じ方なんだけど、叔母さんあの似顔絵、どことなく慎一君に似ていると思わない」
弥生にいわれて、総務の柴田が送ってくれた似顔絵を見直したが、共通点はあまり感じられなかった。
「慎一君の眼つきなんかはお母さん似だけどね」
「でも全体の輪郭は似ていると思うわ」
「じゃあ、あなたは慎一君は不倫の子だというのね」
「まだ何にも証拠はないけど、それもあるかなって」
久美子は、弥生の考え、感じ方は当たっているかもしれないと思った。
8月最後の金曜日、久美子は結論を出さす為、千恵子を自宅に呼びよせる事にした。
真夏の暑さが去り、秋雨前線が迫って曇りがちの午後、千恵子が人目を避けるように現れた。
「無理にお呼び出しをしてすいません」
「いえ・・・」
「女も40才を迎える頃になると、一通り振り返るだけの経験を積まされてくるものですね」
「そうでしょうね」
「私も、人様に言えないような、独身生活を送っています」
「そうは見えませんけれど」
「でも、嘘や、周りの人を惑わす真似だけはして来なかったつもりです」
「・・・」
「勝野さん、徳永さんがいるのに、なんで健吾さんと婚約なんかしたのですか、私、あなたのこと、殆ど調べたわ」