緒方靖子は自分の30年を振り返る事は初めてで、前しか見ない性格だと思っていたので自分でも以外だったが、それも山路の影響だと憂鬱になっていた。
上層部から、山路の情報を出来るだけ集めるよう指示を受け接近したが、探れば探る程なにも出ず、彼の人柄に親しみが湧き、自分でも以外な程大胆な行動で彼と深い仲になってしまった。
仕事は20才になってから丁度10年、本業は情報収集のスパイ活動といっていいだろう。
最初はそんな仕事とは知らず、外資系の保険会社で能力主義だと説明されて入社を決めた。
最初から給料はよかったが、夜も休日も仕事の依頼が多く、英会話が得意なので外人相手の調査がほとんどだった。
その内、大手の商社に秘書として派遣された。秘書も大勢いて、派遣は臨時雇いの穴埋めの仕事だ。
靖子は英語、中国語が得意なので重宝され、3年契約になり、よほどの事がない限り自動更新されるという好条件だった。
政治面では問題の多い中国と台湾だが、経済では最も重要な国である事には変わりなく、この会社も中国支社には大勢の社員が出張していた。
靖子は留守番役の補佐だったが、病気で一人欠員が出た為正社員の仕事を任せられた。
引き受けたくはなかったが、待遇が良かったので様子を見ることにした。
当然海外出張も役員に同行するが、誘惑が多いのを聞いていたので積極的にはなれなかったのだ。
自身も22才になったばかりの頃、40代の営業部長と深い仲になり、それが原因で部長は離婚、靖子に迫ってきたが、一緒になるなど考えた事もなかったので、結局会社を変わる結果となった。
それ以来正社員にはならず、調査の派遣会社に登録して時々職場を変えてきたが、特に男性との縁もなく30才を越えていた。
山路は現在一人で身軽だからすきに付き合えばいいのだが、身辺調査を頼まれたのが気になっていた。
表面上何も出てこないのが却って不自然に感じたのだ。
上層部から、山路の情報を出来るだけ集めるよう指示を受け接近したが、探れば探る程なにも出ず、彼の人柄に親しみが湧き、自分でも以外な程大胆な行動で彼と深い仲になってしまった。
仕事は20才になってから丁度10年、本業は情報収集のスパイ活動といっていいだろう。
最初はそんな仕事とは知らず、外資系の保険会社で能力主義だと説明されて入社を決めた。
最初から給料はよかったが、夜も休日も仕事の依頼が多く、英会話が得意なので外人相手の調査がほとんどだった。
その内、大手の商社に秘書として派遣された。秘書も大勢いて、派遣は臨時雇いの穴埋めの仕事だ。
靖子は英語、中国語が得意なので重宝され、3年契約になり、よほどの事がない限り自動更新されるという好条件だった。
政治面では問題の多い中国と台湾だが、経済では最も重要な国である事には変わりなく、この会社も中国支社には大勢の社員が出張していた。
靖子は留守番役の補佐だったが、病気で一人欠員が出た為正社員の仕事を任せられた。
引き受けたくはなかったが、待遇が良かったので様子を見ることにした。
当然海外出張も役員に同行するが、誘惑が多いのを聞いていたので積極的にはなれなかったのだ。
自身も22才になったばかりの頃、40代の営業部長と深い仲になり、それが原因で部長は離婚、靖子に迫ってきたが、一緒になるなど考えた事もなかったので、結局会社を変わる結果となった。
それ以来正社員にはならず、調査の派遣会社に登録して時々職場を変えてきたが、特に男性との縁もなく30才を越えていた。
山路は現在一人で身軽だからすきに付き合えばいいのだが、身辺調査を頼まれたのが気になっていた。
表面上何も出てこないのが却って不自然に感じたのだ。