別れの花束

会社で誰かが辞める噂が流れていた。それが誰かは知らなかった。噂話は尾ひれがつき大きくなっていく。主人が事故に遭った時もそうだった、人は他人の不幸を喜ぶ。

気温３０度を越える中、バックヤードで仕事をしていると隣の課のＡ子さんが

「００さん、居ますか*(はてな)*」

「今日、お休みなの、急に会議の都合で休みを交代したみたいよ。」

「私ね、今日が最後なの。」

店の中では最年長、今まで世話になったお礼を言い、ねぎらいの言葉を掛けた。
退社時間になりタイムカードの前に行くと彼女は休憩のタイムカードを押そうとしていた。

「辞めるって決めてからタイムカードの押し間違いがなくなったの*(笑顔)*」

と苦笑い、

「それ、判ります*(びっくり2)*」

と二人目を見合わせてにっこり*(笑顔)*

タイムカードを押し、ロッカーに行くと

「あなたも花束、渡しにいかない*(！？)*ちょっと時間が掛かるけどいいかしら*(はてな)*」

一緒に仕事をしたことはないけれど気持ちだけでもと*(5)*人で花束を贈ることになったのは今日の午後の話。店内で彼女を探し、花束を渡すと彼女の目から大粒の*(涙)*が流れ、私達ももらい泣き。

*(1)**(4)*年間、一緒に仕事をした仲間、これからも一人、二人と減っていく、出会いがあって別れがある。いつまでも元気でいて貰いたい。

　　　　　お疲れ様でした*(音符)*