千客万来

従業員の特典の日、大きな買い物をして帰宅、車庫から家に入らないうちに玄関のチャイムがなった。家の中に主人は居るが車椅子ゆえ、動きが遅い。私は両手に荷物を抱えて狭い車庫の中を移動中、動きがとれないでいた。

家の前に停まっているであろう車のドアの開閉の音がする。用事がある人であれば後から又、必ず連絡がある。玄関に出られなくてもしょうがない。

私が家に上がろうとしていると主人が

「玄関、開いてますよ～」

と叫んでいる。荷物を台所に置いていると女の人の声が玄関から聞こえ、なんと娘が顔をだした。小さなクーラーには小さな可愛らしい鯛と鯵が、ピンクの小さなバケツには孫達が一生懸命に採った貝が入っていて、今夜のおかずにと置いていってくれた。

今夜の夕食は孫達が釣った鯛の塩焼きと貝をサッと茹でることにした。夕食の準備をしていると今度は電話が鳴る。

何時もは電話も取らない主人が受話器を手になにやら親しげに話をしている。受話器を置くと

「お母さん、米、持ってくるって。」

　稲刈りも間じかと思っていても忙しくて田んぼに行けないで居た。田んぼの様子を見に会社の帰りに田んぼに立ち寄ってみたらなんと田んぼの稲が刈り取った後だったのだそれにしても早い台風も来るし、稲刈りも急ピッチで進んでいるのだ。嬉しいやら恥ずかしいやら稲刈りを頼んでいる００さんに頭が上がらない。

新鮮な鯛を焼いていると今度は義妹が枝豆と蒸したさつまいもを持ってやってきた。今日は先客万来だ

新米が１９袋、届いた。また一年、米を買わずに済む