向かい風

明日は午前中に退院する。もうベットに次の予約が入っている。

褥瘡の手当ての仕方のおさらいとその他諸々の用事が待っている。

私が家でやっている褥瘡の手当ての仕方を見て貰って指導を受けるのか、看護師の手当ての仕方を見るだけなのかが判らないが、「やってみてください。」と言われても良いように家で使っている道具を病院に持って行くことにした。


夕べの看護師が私が来るのを待っていた。処方箋のことで話があったのだが飲み薬の担当は主人、褥瘡の塗り薬は私が管理することになる。ハッキリしたことは判らないが２~３種類の塗り薬があるような感じ、どの塗り薬を何処の褥瘡に塗るのか間違えられない。

昨夜のガーゼと絆創膏の話が出て、褥瘡専門の看護師がいるそうで、その人の話ではガーゼを使っても上絆創膏を使っても差支えないと言うことだったのでと言われた（看護師さんも勉強になったね）

まっ、褥瘡の手当てに１０メートル５４００円の絆創膏を使うのは病院だけだと思う。必需品だし、思う存分使えるし、個人支払ではないし。


主人の寝室の布団の準備が整った。夕べから熱が出た主人だが抗生剤を処方してもらっての退院になる。明日の夕食は焼肉の予定、病院でいくらかご飯は食べれるようにはなった、家でも食べれるだろうか、カルシュウムを取らなくてはいけないけど、明日は二人で退院祝いだ。

主人が早く病院に行かなかったお蔭で個室料金の支払いが発生し、重なる様に思いもよらぬ他の出費が判明した

吹く風は向かい風だ。

「出来ますか？」じゃなくて「やってもらわなければいけいので。。。」でしょ。

褥瘡の手当てについて看護師からうんちくがあった。明後日の夜からは私が手当てをしなければいけない。救急外来で一応、看護師から手当の仕方を教わったのでそれでいいと思うのだが、実際、手当をしているところを見たいと言う、大差はないと思うが

救急の看護師は何処のメーカーのものでも良いので泡をつけて洗ってください。ガーゼはこのようなものを使ってください、それとテープはこれをと実物を見せて、主人の褥瘡を洗浄してくれた。

土・日と私が手当てをした。泡のボディシャンプーかハンドソープかは判らないがとにかく泡のものを買い、塗り薬を塗るパテを買い、油さしに水を入れて褥瘡に吹きかけて汚れを落とし、薬をぬった。

道具を揃えたのに泡はビオレじゃなくてはいけないと言うし、ガーゼは１０枚入って２００円ちょっと、１回に３枚使うので一箱で１週間は持たない、一週間に一度、病院の売店に来られるかと聞かれた。

「来れませんけど。」

極めつけはテープで１０メートルで５４００円　それを使えば治りが確実に良くなるものだとすれば考えなくもないが今までのテープで良いし、テープの話は却下した。

やれベットに寝た方が良いとか、マットはあれが良いとか。。。。。曲がりなりにも３８年間、介護をしてきた。やってきたことがすべて正しいとは思わないが、主人にとって最善の道を通ってきたはず、他人にとやかく口を挟まれることは如何がなものか。

看護師が何回も

「出来ますか？」

と問う。が「出来る出来ない」ではなく「家に人にやってもらわなければいけない。」とは言えないのだろうか

日本語は一字違うと意味が反対になることさえある。　あさっての午前中、看護師が同じ人ならばどういう会話になるかは判らないが気持ちよく退院とはならないような気がする。それこそ大人げないかな～

戦うしかない。

病室に入るなり「先生のお話があります。」

要は褥瘡を治すには体力をつけなくてはならない、今の状態では栄養剤を使うのが一番いいと。その栄養剤みたいなのが医薬品じゃないので超高額　でも買うしかないだろうな～

血液検査の結果が良く、鼻から入れられていた管は外されお昼から食事が出ると言うから青天の霹靂。
お風呂に入れてもらい、さっぱりした主人、おかずは殆ど残したがご飯は一口残しただけだった。

家で好きなものを食べて栄養をつけた方が良かろうと今週末の退院が決まった。褥瘡の手当ては家でやることになる。１２日以降、褥瘡がどうなっているか見ていないが、長期戦になるのは判っているので戦うしかない。


介護認定の手続きも進んでいるし、お風呂にも入れてもらえるはず。


入院が長期になるだろうとの勝手な判断のもと、主人の寝室の掃除を後回しにしていた午後から、掃除機をかけ、ごみを片付けた。明日は布団干しだ。

寝ていても車椅子に乗っていても褥瘡は圧迫される、なにかいい方法はないものか。。。

悪いこともあれば良いこともある。

あっちもそっちもこっちのプロモも棚替えしなければならない。季節商品を扱う部門なら当然の事ながら、一度に重なると支障をきたす。

各自、予定を立てたのはいいが、そうは問屋が卸さない。

接客にレジ、体は一つ、一つの売り場に一日掛かった、今日は日曜日だし、お客さんも多く猫の手も借りたかった。

区切りのいいところで退社、洗濯物を取り込みに急いで帰宅、庭に出ると義妹が草むしりをしている。

「暇だったのでお邪魔してます～」

明日の休みに庭の草むしりをしようと考えていたので　少し頑張れば良さそう　主人が居ないとなれば週の休みは２日間、通院もないので丸々２日、遊べることになるが、痛いのはガソリン代。病院の支払いもあるし、諸々出費も多いがストレス解消も大事、今夜は手抜きでお弁当を買ってきた。

今月末には鶴の湯が待っている。一泊の間の主人の事が気になっていたが入院していれば安心、愉しんで来よう。

長期戦覚悟

月曜日に先生の話があるとの連絡がきた。先生って何科の先生　病床は総合診療科、受診している科は循環器と泌尿器。

話があるのは栄養科の先生だそうな。今日、病室に居たら看護師が来て色々処置を始めた。入院してから褥瘡の具合がどうなっているのか聞いてみると匂いも収まってきたし、褥瘡から溢れ出ていた液も少なくなってきたと言う。栄養をつけなければ褥瘡の回復力も上がらないし、長期戦になるでしょうとの事、退院できればそれでいいが、見通しは全く見えない。



仕事中に上司が回って来て

「（主人の）調子はどうなの」

「良い方ではないですね。」

とは言ったものの悪い方でもない。主人の姉妹たちも主人の調子を気遣ってくれるが調子が良い時と悪い時の差が大きいので何とも言えない。

主人にそのことを伝えると

「今が落ち着いているよ。」

苦笑いしていた。早く病院に行っていればこうはならなかったのに願として病院に行くことを拒否していたのは主人、でもそのつけは私にも回ってくる。

初めての一人湯巡り

午前と午後に病室に顔を出してきた。月曜日の午後から先生が話があるとの連絡、何処の課の先生かなって聞いてみたら栄養管理の先生だと。

夫婦そろって偏食が激しいし、私は料理を作るのも苦手、はてさて月曜日はどんな話があるのだろうか、気が重い




初めての一人湯巡り。長時間の運転、隣が空いていても特別、なんてことはなかった。最近はお湯を確かめられればいいので長湯は禁物。今日もパパパパパっと３湯入ってきた。途中３０分の休憩もしっかりとった。それから雨の中、病院へ。



疲れた～

予定は未定で決定ではない。

明日、早朝に出掛けてから温泉に入ってから病院に行こうかと思っていたら、循環器と泌尿器を受診しなければいけないとの事、そうなると早朝の湯浴みは時間的に無理になる。

まずは病院に行ってから予定を組むことになる、県内の湯浴みか県外か。


娘が持ってきてくれた単行本はまだ1ページも読んでいない。　久しぶりの読書三昧も良いが週に一度の
湯巡りも辞めるわけにはいかない。一人での湯巡りは始めてだ、寂しいけど無事故で帰れればそれで良しだ。

生あくび

左奥歯が痛み出した。疲れが溜まっている証拠、生あくびが止らない




病院に顔を出すと布団も取り替えて貰い、着替えも済ませていた。お風呂にも入れて貰ったそうな。介護認定の用紙も出してきた。希望は訪問入浴。この先、どうなるかは判らないが今のところは其れだけ。


洗濯回数３回、明日も　庭の草も我が物顔で大きくなったし、田植えもこれからだが、この調子だと手は回らない。なるようにしかならないが打つ手があれば打っておかないと、後で身に降りかかるのは必至。

介護生活で初めて。

今までは入院しても短期間で付きっきりだった。今回は長期入院で付き添わなくても良い。この家で一人で居るのも初めてだ。

公休日はどうしようか迷い中。一人で画像のない温泉に営業開始と同時に入って画像をゲットしても良いし、思いっきり寝てても良いし。主人が退院すればまた介護の日々が始まる。束の間の休息と言うことで予定を組んでみようかしら



病院に顔を出すと調子は良さそうでお腹が空いて、何でも食べたいと言う。退院したらお寿司を食べようと言ったら

「おかあさん、大間でマグロが食べたい。」

「元気になったら何処にでもいくわよ、だからがんばれ～」

食事を一人分作るのはちょっと面倒、でも自分の好きなものだけ食べれるって幸せ明日は天ぷらにしようかな～

無駄な抵抗

主人の褥瘡を見た先生たちが次々と絶句。皮膚科の先生はカメラでパチリ

それでも最後の抵抗を試みる主人、

「入院しなくては駄目ですか。。。。」

家で私に褥瘡の手当てをしろとすかさず先生が

「それは無理でしょ。」



「早く病院に来ていればこんなことにはならなかったのに」

あきれ果てた主人の態度に涙がこぼれる


鼻からチューブで栄養を直接、胃に、薬は粉にして胃に。食べれるようになってくれれば言うことはない。食べれない原因が判ればなお嬉し。

仕事帰りの娘が病室にやってきた。娘の説得があって主人を病院に連れてくることが出来た。もう限界だったんだとつくづく思った。これから毎日、病院通い。安全運転で行こう