ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

映画「小さいおうち」

2014-03-14 18:52:08 | 映画
カミさんと山田洋次監督の映画「小さいおうち」を観て来ました。昭和の10年代の、東京は山の手の高台に新築された、赤い屋根を持つ3人家族と女中さんの交流の物語である。

山形の山里からタキ(黒木華)が女中奉公に上がった先には、何不自由なく生活している家族があった。その家の恵まれた環境の奥様(松たか子)は、主人の部下の芸術家の板倉(吉岡秀隆)に次第に魅かれて行く。秘められた恋の筈が、次第に人の口にものぼるようになるのだが、この成り行きが主人に知られない様にと心を痛めるタキだった。

やがて戦線が拡大されて戦場に向かう板倉と奥様との別れの時が来る。しかし最後の逢瀬を願う奥様の手紙は、タキによって届けられることがなかった。そして終戦近くを迎えて、奉公先の家族の事を心配しながら郷里に帰されたタキだった。後年に奉公先の夫婦が東京空襲で防空壕で亡くなったことを知る。

60年を経て、奥様の手紙を届けることをしなかったタキ(賠償千恵子)だったが、ひとり住まいで亡くなったあとには、孫の青年(妻夫木聡)に自分史と共に一通の未開封の手紙を残していた。自分史には60年間秘められた奥様の恋の経過が記されていて、さらに自分が奥様の手紙を届けなかったことが終生心を悩ませたことも記されていた。

前作「東京家族」に引き続き、山田監督ファミリーと言うべき俳優たちが競演している。83作目にあたるこの作品は、異常な時代に翻弄される女性の心の奥深くを描いていて、一見に値する映画だと思ったのです。

映画の出来は B と評価したい。

映画のパンフから。
                     
コメント
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