津波で流される家や車の映像を見てこれ夢じゃないだろうかと思った。あの中に人がいるんじゃないかと思うともどかしさを感じる。
その時、バイクに乗っていた。家まで数百メートルの所まで近づいた下り坂でハンドルが小刻みにふらふらと揺れてフロントタイヤが滑った。ハンドルの異常?タイヤの異常?電柱の上から水がばしゃばしゃとこぼれていた。人々が道に出て来た。揺れが大きくなった。地震だ!急いで路肩にバイクを停めてエンジンを切った。まずい、倒れそうだ。サイドスタンドを出して倒れないように踏ん張った。長く感じられる時間。急いで家に帰った。妻は泣きじゃくる近所の子供を抱いていた。家では自転車が倒れ家具やピアノが動いていた。今日は休みなので伊豆に釣りに行ったかもしれない、映画を観に行ったかもしれない。でもほとんど家にいて日用品を買いに行ったぐらいであった。被害に会った人がいる。家に帰れない人がいる。
そして、まだ安否のわからない東北の親類や友達の無事を祈るばかりだ。
これから何ができるか考えよう。