子供の頃真っ黒に日焼けしで、つやつやした肌のおじいちゃんが
大きな鮎を売りに来ていた。大人になってわかったこと。祖母と年が
同じだった。川で鮎を釣っては、料亭などに売り歩く仕事をしていた。
個人の家では、特別お付き合いで我が家にだけ売ってくれていたとの事。
だから近所の人と話しても誰も思い出の中に出てこない。魚嫌いの
祖母も鮎だけは特別やと言って食べていた。笑顔を思い出す。
「食べ方は、お箸でこうやって裏表身を押さえると、すーっと
骨が抜けるんで。」と教えてくれた。子供の目にはそれが
マジックのようだった。未だに上手く真似できない。
母は魚が大体好きだったが、中でも鮎がやはり大好物だった。認知症が
出始めてからは時期で無い時も「鮎が食べたいなぁ。」と言い、
店頭に並ぶ頃になると、前日食べても「今年鮎まだ食べて無いなぁ。」
と言った。週に2,3回鮎の塩焼きをしてあげた。その都度大喜びだった。
店頭に並び始めると、そんなこんなを懐かしく思い出しながらつい
買ってしまう。昨日我が家も鮎の塩焼き。あのおじいちゃんの持って
きた鮎は大きかった。店頭では見たことが無い。
祖母や母の笑顔を思い出させてくれる鮎に有難う!ご馳走様でした!
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