日本のギターの普及の歴史を振り返ると、安価なガットギターが出回った頃が長かったように思う
学校ではハーモニカやリコーダーを教えられて、目にするのはアコーディオン、なんて時代だった
モダンフォークが流行り始めた頃、初めて国産の量産フォークギターが発売され若者が飛びついた
大方の家にはガットギターしかなかったので、無理やり金属弦を張ってみたり、ピックガードを貼り付けたりしてフォークギター気分を味わった人も多かった
ウクレレはいつからかわからないが、とにかく安価で手に入る身近な楽器だった
ウクレレから入ったミュージシャンが多いのはそういう理由からだと思う
学校には吹奏楽部というものがあって音楽好きはそこに入るのだが、管楽器が馴染めなかった
運動会向けの行進曲やクラシックナンバーが、当時巷に流れ始めたポップスの魅力には到底かなわないと子供心に思ったものだ
中学生の頃来日したビートルズはもはや神がかりだった
イギリスの港町から出てきた4人の若者が曲を作って演奏してコーラスをやる、チャラチャラしているがウィットに富んでいて攻撃的だ
そのうち「Revolution」なんていう曲を発表してエレキギターのファズトーンを当たり前にさせた、そうロックの誕生だ
ファズトーンはその後サイドギターの不要を生み出すきっかけになった、ギター、ベース、ドラムスの3人でなんでもできる時代の幕開けだ
ウクレレは手軽で可愛いし、ギターほどの音域はないが可能性は無限大だ
ひょんなことでウッドベースを弾くことになった私は楽曲における低音部の重要性を認識することになる
大学でIさんからリズム感がいいからバンドのベースにすべしと言われ気を良くしてエレキベースに持ち替えて奏法を学んだ
音のバリエーションや携帯の利便性などからエレキベース一辺倒になったが、スタンディングベースも気になる存在でたまに弾く
ジャズを敬遠していて勉強してこなかったが、ジャズベースは常に憧れの世界だ
新宿のジャズスポットで聴いたジャズメンのベースやドラムスはまた新しい世界を教えてくれた
そんな廻り道を続けている私にとってかっこいい楽器はやっぱりウッドベースだ
うまく弾けないけれども乾いたボディからしなるような弦の響きが素晴らしい
百年も二百年も生き続けている楽器に人は憧れる
Esperanza Spalding - On The Sunny Side Of The Street (Live at the White House 2016)
Esperanza Spalding: "Overjoyed"
Backstage with Esperanza Spalding at the White House