「はるき堂」と聞いたら甘いもの屋さんか、本屋さんかと思うだろう。
これがランチを出すお弁当屋さんであり、夜は居酒屋になり、はたまたバンドの名前だとなると何がなんだかわからなくなる。
ひょんなことでお邪魔してトイレに入ったら2冊の本が並んでいた。
「はるき堂」とは、どうやら村上春樹の「はるき」からきているようだ。
立川駅の南口を10分ほど歩いた街並みの一角にあるお店は、八重洲や新橋の路地裏を思い起こす。
ふらっと入って一杯やっていると、常連さんがやってくる。
待ち合わせたわけでもないのに、一人二人と顔を並べて四方山話が始まる。
居酒屋で飲んでいるうちに意気投合して音楽をやろうかという話になったのか、音楽を通じての飲み友達か、
どうやらそんなところらしい。
10人も座ると身動きが取れなくなってしまうような空間は、映画「三丁目の夕日」の一シーンを見ているようでもある。
「ハルキ堂バンド」は、このお店を経営するSさんとYさんとで展開するユニット。
遠藤賢司とか、高田渡とかあの時代のフォークソングを思わせる曲調あり、妙にメロディラインのきれいなポップス風があったり。
嬉しそうに演歌調へ行きたがるSさんのギターからは攻撃的なフレーズが出てくる。
さてアン・ルイスの「グッバイ・マイラブ」を歌い始めたIさんに、三丁目の常連さんたちの心が一つになる。
言い出しっぺのYさんがいなかったのが残念だが、クラプトンあり、ジョン・フォガティあり、酔った勢いで出てくるロック、オールディーズの数々。
イーグルスにせよクラプトンにせよ「アンプラグド」バージョンを出している。
アコースティック・ギターでロックのヒットを歌うのは聴いて心地良い。
このいつまでも尽きない映画の一シーン、毎日のように上映されているのだろう。
芸達者なみなさんの顔を思い浮かべながら帰途についた。
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