夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

陽はまた昇る、初日に祈る

2016年01月08日 | 日記・エッセイ・コラム


昨年の今頃書いたブログを読めば自身の関心の傾向、感動のパターンが見えてくる
昨秋話題になった「下町ロケット」に似ているようなTVドラマだった

自分の原体験とオーバーラップするから、手に汗握るし、一喜一憂する
一昔前企業戦士などとおだてられて過労死したり身体に異常を来たしたりた経験のある世代なら同感する

人が集まった経済活動のための組織、会社というものにいつしか同化して沈められる戦艦の艦長のような気になる
「そんなに頑張ったって会社なんて何も面倒見てくれないよ」とわかっていても頑張ってしまうのが日本人か

ドラマ「下町ロケット」が面白かったのは、脱落する者、裏切り、犯罪行為などが素直に描かれていたところにある
主人公の小気味良い活躍だけでなく、組織の連携プレーでもなく、世の不条理そのものが描かれているから納得する

「どんなに暗くてつらい夜であっても朝には必ず陽が昇る」
そう自ら言い聞かせて仕事をしてきた者達にとって、万人に公平な朝陽はありがたい

涙とともにご飯を食べたことのない人は信用しない
そう言い切った人は、悲しみや喜びが身体に染み渡っている



陽はまた昇る
「はてヘミングウェイかいな」と回したチャンネルの映画、見覚えのある俳優さんたちがたくさん出てくる。どうやら日本ビクター社を舞台にした経営と開発と営業をモチーフにしたストー...

ブルームーン

2016年01月07日 | 音楽


循環コードでできた名曲は多い
「C Am F G7」という古典的なコード進行がここまで可能性があるものか、と思うくらいだ

「Blue Moon」はジャズのスタンダードとして様々なミュージシャンが取り上げている
敬愛する尾崎紀世彦さんの残された映像でのボーカルは、息を呑むようなパフォーマンスだ

ギターでは「Tommy Emmanuel」の演奏が近年の定番と言っていいのかもしれない
低音弦でベースラインを弾きながら、メロディを弾く、時にコードを眠気覚しのように入れたり

彼がギターマニアから評価される理由もわかる
スライド、プリングオフ、など一般的なギター奏法に加えて人口ハーモニクスなどあらゆるギター・テクニックが満載だからだ

どんな楽器でも「テクニックがあれば全てOKか」と言えばそうでもない
テクニックが本領を発揮するには適切なタイミングで弾かれるという、当たり前の前提条件があるからだ

彼が評価される大きなポイントは天性のリズム感にあると思う
ギャロッピング奏法で知られるベース・ランをさらに鋭角化してコードワークと絡める

ベース・ラインとメロディ・ラインが同時進行して、なおアクセントがつく
もちろんチェット・アトキンスが開発した奏法の延長線上にいるのだが、チェットとは異なる世界を主張している

あんな風に弾けたらなあ、と思わせるギター・プレイ
リズム・コントロールが完璧だからこそできる「ドヤ顔」

音楽性や人間性は重要だ
チェットがいつまでも先達でいるのはそれなりの理由があると思うのだ







Tommy Emmanuel Blue Moon

Blue Moon   尾崎紀世彦&中本マリ UPG‐0077


堀尾和孝【Journey アコギ一本勝負】KazutakaHOLIO PV Digest Virsion

引き潮

2016年01月06日 | クラフト


学生時代のバンドの売りは、何でもできること
当時まだ盛んだったダンス・パーティのニーズは踊るためのバンドであり、リズムパターンが多ければ多いほど良かった

いい気持ちで踊っているカップルは、勝手なもので「ここでジルバ」とか「次ワルツ」とか要求する
終わる頃には「スロー」をリクエストしてチーク・ダンスを踊る

バンドマンを引き受ける者は、傍目で見て演奏するだけ
踊れる先輩諸氏はバンドを任せて踊りに入ってしまったり

今思えば社交ダンスは健全な男女の出会いの場であって、見知らぬ異性を誘うことができる
わずか3分足らずの演奏の間、ときめきを覚えながら次のパートナーを品定めする

映画「バック・トゥー・ザ・フューチュア」のシーンに出てくるような派手なパーティではなかったが、出会いの場であった
当時のハワイアン・バンドはそうしたダンスパーティ向けには都合が良かった

スティール・ギターでメロディを取り、「マンボ」と言われれば「真珠貝の唄」を演奏する
さらにスタンダードジャズを期待される場合は、ビッグバンドのコンボ編成と対バンで出かけた

「引き潮」はインストルメンタル曲として知られており、ドラマチックな構成が好きだった
Kくんの弾くビブラフォンのメロディから始まってスティールギターにチェンジする

ロバート・マックスウェルの作ったこの名曲、本当に潮が引いていくような後半が素晴らしい
ライチャス・ブラザースのボーカルものもまた良い

この曲、落ち着いたリズムをキープするのが難しい
スローでノリがあって雰囲気があってと

学生時代が懐かしい



Righteous Brothers - Unchained Melody [Live - Best Quality] (1965)

Righteous Brothers - Ebb Tide live

You've Lost That Lovin' Feeling - The Righteous Brothers 2002