「日本桜草」は古典園芸で、今は他の古典園芸同様に衰退している。
日本桜草は日本に自生しているプリムラのことで、自生と言っても、もうほとんど絶滅しているに等しい。
私も特に興味が無く、埼玉県の県花だと言うことくらいしか知らなかった。
『埼玉県花サクラソウ サクラソウ科に属する多年草で、川のほとりや野原に自生し、春先にハート形の花びらの花を咲かせる。北海道南部、本州、九州に分布し、県内でも、かつては荒川沿岸に広く自生していた。田島ケ原(さいたま市)の自生地は、今も昔ながらの面影を残し、国の特別天然記念物になっている。昭和46年11月5日に「県の花」に指定された。』
出典:埼玉県のHPより
知人が「埼玉県の自生種と同じものですよ」と実生の苗を下さった。もう20年以上前のことだ。
実生と言うのは、種から育てた苗のことで、日本桜草は株が1年で2~3倍に増えるので株分けで増やすのが普通なんだけど、実が成って種も出来るのだ。
自生種と言うだけあって、いたって丈夫でほったらかしでも育った。
その後に別の人から、栽培種の名無しの品種をもらって、色が薄いから「薄色」と名札に付けた。
さらにまた別の人から栽培種の「雲月」と言う品種をもらった。これは札落ち(品種名が分からなくなること)しないようにしっかりと名札に書いておいた。
以前にもブログに載せたが、知人の桜草マニアが、古典園芸で昔使われていた植木鉢の「孫半斗鉢」を復元させて窯元に数をまとめて発注するので乗らないかと言う誘いに乗って復刻版の孫半斗鉢を入手した。
孫半斗鉢が衰退して消滅した理由は使ってみたらすぐに分かった、桜草の栽培にはまったく適していないからだ。展示用の飾り鉢にしか用を成さない。
前置きが長くなったが、この「孫半斗鉢」や桜草に使われる伝市鉢や、丸鉢には、苗を植えつける「お作法」とやらが存在するので今日はその説明。
去年の鉢をひっくり返して、雑草や古くなって黒くなった根っ子を取り除く。
日本桜草は1年のうち3分の2の期間は地上部が枯れ、何も無い鉢を育てることになるので非常につまらないガーデニングだ。衰退するにはそれなりの理由があるわけだ。うんうん
でも休眠中に水切れさせるとあっさりと枯れ死して来年の春には芽が出てこない。
株を手でほぐしながらジャブジャブ水洗いする。そして大きな芽を4つ選ぶ。
4つの株をこのように配置する。古典園芸用語で「4芽追い回し」と呼ばれている「巴植え」という方法。
家紋の巴(ともえ)で「四つ巴」という家紋があり、それに似せて植える。
孫半斗鉢に土を入れ、桜草の株を4つ並べる。上に土を1寸(2~3cm)かけて出来上がり。
こんな感じ。あまった残りの株は別な鉢に適当に植えてのびのびと栽培させる。
(孫半斗鉢は桜草の栽培には適していない)
さて、本来の桜草の古典園芸は、小屋組花壇で「雛壇飾り」と言う方法で鑑賞する。
この、小屋組花壇というのは菊や皐月などの日本古典園芸の基本で、「花壇」の語源でもある。
『小屋組花壇は、横一間(いっけん・約180cm)、奥行き五尺(ごしゃく・約151cm)の小屋に、奥に障子、両脇にすだれをかける(あるいは三面障子)。
雛壇飾りは、横一間、巾六寸(ろくすん・約18cm)の棚板を五段にし、一段に七鉢、合計三十五鉢を飾る』とされている。
伝統を受け伝えている保存会もあるので、興味のある人は「日本桜草 雛壇飾り」で画像検索するといい。
イギリスにも、似たように英国伝統園芸として、プリムラのオーリキュラという品種を、階段状や本棚風の飾り花壇に飾って鑑賞する園芸がある。「Auricura Theatres」という、日本語に約すと「オーリキュラ劇場」と言う。
こちらは、日本の桜草古典園芸のように衰退していなく、まだ多くの愛好家がいるようだ。
日本桜草は日本に自生しているプリムラのことで、自生と言っても、もうほとんど絶滅しているに等しい。
私も特に興味が無く、埼玉県の県花だと言うことくらいしか知らなかった。
『埼玉県花サクラソウ サクラソウ科に属する多年草で、川のほとりや野原に自生し、春先にハート形の花びらの花を咲かせる。北海道南部、本州、九州に分布し、県内でも、かつては荒川沿岸に広く自生していた。田島ケ原(さいたま市)の自生地は、今も昔ながらの面影を残し、国の特別天然記念物になっている。昭和46年11月5日に「県の花」に指定された。』
出典:埼玉県のHPより
知人が「埼玉県の自生種と同じものですよ」と実生の苗を下さった。もう20年以上前のことだ。
実生と言うのは、種から育てた苗のことで、日本桜草は株が1年で2~3倍に増えるので株分けで増やすのが普通なんだけど、実が成って種も出来るのだ。
自生種と言うだけあって、いたって丈夫でほったらかしでも育った。
その後に別の人から、栽培種の名無しの品種をもらって、色が薄いから「薄色」と名札に付けた。
さらにまた別の人から栽培種の「雲月」と言う品種をもらった。これは札落ち(品種名が分からなくなること)しないようにしっかりと名札に書いておいた。
以前にもブログに載せたが、知人の桜草マニアが、古典園芸で昔使われていた植木鉢の「孫半斗鉢」を復元させて窯元に数をまとめて発注するので乗らないかと言う誘いに乗って復刻版の孫半斗鉢を入手した。
孫半斗鉢が衰退して消滅した理由は使ってみたらすぐに分かった、桜草の栽培にはまったく適していないからだ。展示用の飾り鉢にしか用を成さない。
前置きが長くなったが、この「孫半斗鉢」や桜草に使われる伝市鉢や、丸鉢には、苗を植えつける「お作法」とやらが存在するので今日はその説明。
去年の鉢をひっくり返して、雑草や古くなって黒くなった根っ子を取り除く。
日本桜草は1年のうち3分の2の期間は地上部が枯れ、何も無い鉢を育てることになるので非常につまらないガーデニングだ。衰退するにはそれなりの理由があるわけだ。うんうん
でも休眠中に水切れさせるとあっさりと枯れ死して来年の春には芽が出てこない。
株を手でほぐしながらジャブジャブ水洗いする。そして大きな芽を4つ選ぶ。
4つの株をこのように配置する。古典園芸用語で「4芽追い回し」と呼ばれている「巴植え」という方法。
家紋の巴(ともえ)で「四つ巴」という家紋があり、それに似せて植える。
孫半斗鉢に土を入れ、桜草の株を4つ並べる。上に土を1寸(2~3cm)かけて出来上がり。
こんな感じ。あまった残りの株は別な鉢に適当に植えてのびのびと栽培させる。
(孫半斗鉢は桜草の栽培には適していない)
さて、本来の桜草の古典園芸は、小屋組花壇で「雛壇飾り」と言う方法で鑑賞する。
この、小屋組花壇というのは菊や皐月などの日本古典園芸の基本で、「花壇」の語源でもある。
『小屋組花壇は、横一間(いっけん・約180cm)、奥行き五尺(ごしゃく・約151cm)の小屋に、奥に障子、両脇にすだれをかける(あるいは三面障子)。
雛壇飾りは、横一間、巾六寸(ろくすん・約18cm)の棚板を五段にし、一段に七鉢、合計三十五鉢を飾る』とされている。
伝統を受け伝えている保存会もあるので、興味のある人は「日本桜草 雛壇飾り」で画像検索するといい。
イギリスにも、似たように英国伝統園芸として、プリムラのオーリキュラという品種を、階段状や本棚風の飾り花壇に飾って鑑賞する園芸がある。「Auricura Theatres」という、日本語に約すと「オーリキュラ劇場」と言う。
こちらは、日本の桜草古典園芸のように衰退していなく、まだ多くの愛好家がいるようだ。