これから帯の制作にかかります。上質の半巾帯と名古屋帯を二本続けて同じ経糸で織ります。
織物の美しさにはたくさんの色が入っていたり変化組織の複雑な織り方をしたり、そういうのもありますが、糸の風合いや微妙な色の違いの中に美しさを見出すというのもあると思います。
今回の経糸は柿で染めた糸が主で、ピンクベージュのようなたて糸です。
千切りに巻かれた経糸だけ見ても私はきれいだな~と感じ入っています。
赤城の節糸は蚕が吐き出した時のウェーブがふっくら残っていてあまりにきれいなので写真に納めました。
このウェーブが締め心地のよさにつながります。
また、節や毛羽があって経糸として扱いにくいものではありますが、この節や毛羽が緯糸としっかり組み合い地の目を強くします。
そして立体的に織り上げることができますので織りあがった布の色にも陰影、深みが生まれます。
この経糸を今回の紬塾染織コースに申し込まれた方のために少し残して、織実習をしていただきます。
毎回そうですが、風合いよく織りあがる秘密はこの糸の力のお陰なのです。
4月21日からの紬きもの塾'13へお申込みいただいた皆様お待ちしております。