中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第3回紬きもの塾ーとことん着尽くす、第4回紬きもの塾ー糸をつむぐ

2014年06月03日 | 紬塾 '13~'16
今回は午前、午後を通しで紬きもの塾を行いました。

午前は久米島式の方法で真綿から少し太めの糸をつむいでもらいました。
午後は着物の更生の話を実例を見てもらいながら進めました。そして後半は麻の伊達締めを縫うべく運針の練習をしました。


糸つむぎは糸を見るのではなく左の指先で引き出した真綿の一定量を見定め、右手の指先に水か唾を付けまとめていくことが大事です。重ねた真綿の上の方から綺麗に片付けていくよう注意深く作業を進めます。なるべく均一にします。

真綿の繊維をちぎらないよう(毛羽立ちの原因になる)滑らかにつむぎます。
繭から引き出す糸と違って、真綿にする段階でも繊維が切れてしまってますので紬糸は毛羽立ちやすく、なるべくつむぐ時に長繊維の状態を更に損なわないようにするという意識をもって行うことが切です。

それにしてもみなさん夢中でつむいでいました。もっとやりたいということでした。
この仕事で暮らしを立てることはできません。でも人のやるべき仕事だとは思います。


画像はつむいだ糸を綛揚げしているところです。溜まった糸の上におはじきを置き糸同士が絡まないようにします。

さて、午後からの運針もみなさん難しいようで、、、^^
まずは針に糸を通さないで空で運針の練習をしました。

右手中指の第一関節のあたりに指ぬきをはめます。
針の頭を指ぬきに当てて針を持ち、人差し指と親指を交互に進めてもらいました。
が・・・指ぬきに(革製が滑らなくてよいです)針の頭が固定できないで苦労していました。
手芸など好きでやっている人も結局自己流で縫っていただけで運針の基本は知らないのです。
「小学校で運針を習いたかった~!」との声もありました。
少し練習するとそれでも針を進められるようになり「ワー縫えてる!」という歓声も上がってきました。
できるようになった人から糸こきの仕方も指導しました。針を抜かずにシュッとやれるようにコツを掴んできました。

よいしょっ!よいしょっ!‐ー‐ー‐‐ー‐・(~_~;

目は不揃いでもまずは基本の型は身につけたほうがよいです。

伊達締めは、みなさん完成しませんでしたが、今回は基本の縫い方をみっちりやりましたので,
あとは一人ひとり家で実践あるのみです。

30度超の暑さが梅雨入り前にやってきました。
夏の着物も少しでも涼しく着たいです。
麻の伊達締めは襦袢の上に使うと良いです。
着物の上には博多などの(糸質の良い、締め心地の良い)すべすべした伊達締めが相応しいと思います。

手持ちの古布(絹や麻、メリンス)があればそれを使うのが一番です。
本来は新しい布から伊達締めや腰紐は縫うものではなかったと思います。
今回は麻の襦袢地をみんなで分けました。5尺9寸~6尺(1尺≒37,9cm)あれば十分です。


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