中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

第4回 紬きもの塾――真綿から糸をつむぐ

2018年06月25日 | 紬きもの塾’17~’20

4月にスタートした「紬塾'18」は私の都合で2回お休みとなり、関係の皆様にご迷惑をおかけしましたが、ようやく昨日2回目の講座開催となりました。

今年も3名の方に久米島式で真綿から糸をつむいでもらいました。
2枚の角真綿(約3g強)を掛けました。上の真綿からきれいに一枚ずつ片付けてつむぐとスルスル真綿が出てきます。
一番つむぐのが難しい着尺2~3本合わせたような太さにつむいでもらいました。

1時間半、つきっきりで見ておりました。。(@@;
目が話せませんでした、、。(・・;

三人の方がつむいだ糸。違いがわかりますか?
織ったときの景色が楽しみです…(^^♪

大事なことは真綿の繊維をちぎらないようスルスルと出てきやすいように、人が真綿の状態をよく見て繰ればいいだけです。
五感を働かせて、よく観察することが大事です。

真綿作りもすべて手仕事で、繭一つ一つを指先で広げて重ねたとても手間のかかっているものですが、これ自体も不揃いであったり、不規則性もあり、こちらが素材に近づいてあやすように扱わなければならないのです。

糸をつむぐことは楽しい仕事でもありますが、着るためにつむぐということは厳しいことです。

糸つむぎの内容は初めての方は昨年の記事もご覧ください。→ 

糸つむぎの台は久米島にしても結城にしても、とても単純な道具です。
人が真綿から糸を引き出してくる際にどこかに真綿を止めておく(掛けておく)だけのための道具です。

固定している釘も少ないほうが繊維を切らないのでよいです。
竹の釘があればそれがベストと思います。いろいろ工夫すれば良いと思います。

素材や道具に素直に向き合う姿勢がないといい糸つむぎは出来ないと思います(なんでもそうですが、、)。

蚕が2日ほど掛けて吐き出す、あの0.02mmの細い糸は無理に引っ張り出せばどんどんちぎれてしまいます。
そのことに気づく優しい眼差し、素直な観察力が必要です。

次回7月1日は順序が逆になってしまいましたが、真綿や糸の話し、植物の中に潜んでいる色の話、風合いの良い布を織ることについて講義します。
「紬きもの塾」の一番核になるところを話します。






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