近所に 今は一人暮らしの 70代のジイさんがいます。
そのジイさんは 今でも元気がよく、頭も シッカリしているのですが
どうも近所迷惑な人でして オマケに声もデカくてウルサイ人ですから
近所の人はあまり関わりにならない様にしています。
少々 差し障りがあると いけませんので その内容とかは 省略しますが 日頃オイラも頭に来てました。
こないだ会社から帰ってくると そのジイさんが またロクでもない事をしているので
一気に頭に血が上り 『 このジジイ! もう許さねえ! 』 と、車から降りて 怒鳴りつけたところ、
ジイさんも 負けてはいません、 顔を真っ赤にして 大声で文句を言い出しました。
一応ここは 街中なので 声がこだまします。 もう 二人で 顔をくっつけての 怒鳴り合いです。
近所の人が 窓越しから見ているのが 解りましたが とにかくこのジイさんに負けては後に引きますし
それ以上にオイラも エキサイトしてましたし^^;
「 もう頭にきた! 」 胸ぐらを掴んで 前後に揺すったら ビックリするほど 手ごたえがありませんでした。
まるで ネコを掴んでいるくらい 手ごたえがありません、
普通なら 足で踏ん張って 頑張り通すモノだと思っていたので どんなに威張っていても年寄りの力など
こんなもんなのかと 拍子抜けしてしまいました。
こんなの 叩いたら すぐに死んじゃう! とまで思いましたからね、
それからイッキに この喧嘩に対して 醒めてしまって、 半分気が無くなっちゃいました。
そこに ちょうど、お隣の爺ちゃんが 道から出て 遠巻きに見ていていて それを見つけた ジイさんが
「 〇さん! ちょっと来てくれ! 」 と言って 自分の正当性を訴えます。
そんなの 何一つ 正しい事など無いのですが 呼ばれた爺ちゃんは さすがに 面と向かって 「 アンタが悪い 」
とは言えずに 困った顔してました。
ジイさんの威勢は治まりませんが オイラは 「 こんなジイさん相手にした オイラが馬鹿だった、帰って散歩に出るわ! 」
といって 「 バイバイね! 」 と言って 家に帰ると ジイさんに呼ばれた爺ちゃんが 「 まぁまぁ、 」 と言いながら
そのジイさんの家に戻すようにして連れていきました。
オイラはそのまま ワカメの散歩に出ましたが 散歩しているうちに 何だか気が晴れて来たんですよ
どうしてなのか不思議な気持ちになっちゃいました。
久しぶりに でっかい声出したせいで 気が晴れたのだと思います。
この喧嘩が 同年代や 年下ならば こんな気持ちには絶対にならないはずですが
相手が年寄りで その年寄りの胸ぐら掴んだ時の 軽さが 自分の気持ちの中で 喧嘩しちゃいけない、
と、我に帰らせたのだと思います。 20分は二人で怒鳴り合っていたので
多分、生活の中での頭の中のモヤモヤまでも 飛んで行ったのかも知れませんね、
30分ほどの散歩の中で 頭の中は 『 さーてと・・・。これから謝りに行こうか、』 と、思うようになりました。
どちらが いいとか悪いとかではなくて ここは年下のオイラが謝らなければ この先は絶対に修復できないし
この晴れやかな気持ちでいる今でなければ 多分もう行けなくなる! と、直感しました。
ジイさんの家の外からは そのジイさんが 仲介に入った 可哀想な爺ちゃんに 大きな声を出して何か喋っています。
爺ちゃんゴメンネ^^;
半開きになっている玄関の戸を ガラッ! っと開けて 「 ジイさん飲んでるんかね? 」 と言うと
「 この野郎! また来やがったか! アッタマにきた! 」 と言って 立ち上がりました。
すかさず 「 いやね、 さっきはオイラも悪かったなと思って 謝りに来たこてさ! 」 、というと
「 この野郎、まだ人を馬鹿にしやがんのか! 」 と、再びエキサイト!
中に入っていた爺ちゃんが 「 まぁまぁ、 この人が謝りにきた、ってんだから話でも聴いたらどーらね、 」
と、座らせると 「 ならば、まずその犬を どこかにやれ! 」 との一点張りでしたので
「 おお! ちょっと待ってなせ! 」 と言って、まずワカメを家に戻す事に!
出るついでに 「 おみやげいる? 」 と言いながら 袋に入れたワカメの う〇ちを 見せると
意外にも笑ってくれました。
ワカメを家につれて帰って その場でもう一度 そのジイさんの家に行きます。
仲介の爺ちゃんは 人質になっていたような顔して待っていました^^;
急にオイラに謝られて 最初、面を喰らったジイさんも だんだん機嫌良くなり
「 俺はこの近辺の祭りの頭を担当しているんだ!」 と、自慢話を始めました。
オイラは 一応おだてて 爺さんの機嫌を良くする事に成功!
機嫌良くなったジイさんは だんだんと酒も回ってきて 祭りの仕切り話にも熱が入ります。
まぁ、ある程度 聞いていましたが 時間を見計らって
「 凄い話ですねぇ、 じゃぁ、ウチのカカアが ご飯作って待ってると思うからこれで帰る事にしますね 」
と言って 隣の爺ちゃんを連れて その家を出てきました。
家に戻った後、お隣に行って 爺ちゃんに 「 とんだ トバッチリを喰らわせてしまって悪かったね、 」
と謝りました。 爺ちゃんは 「 まぁまぁ、昔から あんな人だから 上手くやって下さいね^^; 」 と云われました。
自分の家に戻ると 別の近所の オジサンがやってきて
「 遠巻きに見てたけど、あのジサは あんな奴だから 気にしないでいいからさ、 」 と言うような内容を言ってくれました。
意外にも 晴れ晴れしていた顔をしているオイラをみて かなり驚いていましたが
「 まぁね、あの年寄り相手に 同じレベルまで下がって 一緒に喧嘩していたオイラも 大人げ無かったしね 」
と言って 喧嘩のあと、一応、謝りに行った事とかも 報告すると 「 オメーさん、シッカリしてるねー! 」
と、褒めてくれました^^
翌日、冷静になって 考えてみると 自分の取った行動は 後々になっては ジイさんのためには
良い薬になったとは思いますが オイラも少し 言いすぎの部分もありました。
ジイさんは 今頃 喧嘩の時のオイラの言葉を 思い出して かなり凹んでいるのでは?
とも思いましたが とにかく頭に血が昇っている時ですので 腹の中に溜まった事を 全部言ってしまいましたからね、
ま、 過ぎた事は 仕方ないし、これであのジイさんも 少しは静かになるでしょう(*^_^*)
気のせいか、近所の人達が 嬉しそうな顔してオイラを見るような感じがします(^_^;)
「 最近は 地震雲がよく出ているよね、それもなかなか消えないし 」