ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

店主ご挨拶

ようこそお越し下さいました。 昨年(2010)、3ヶ月の雲水修行に行ってまいりました。 私は働き者で(自己申告)、精舎は朝は早く夜は遅く「朝瞑想」の時間は、気がつくといつも寝ておりましたが・・。 私の人生の1ページに、思いがけないご褒美を頂けたような日々を過ごさせて頂きました。・・ま、主婦でも決心ひとつで如何様な道も開けるんですね。 今も精舎に行くと「実家に帰った」ような気がします。 このブログ管理人は、最近物忘れ症候群中につき、おいで頂いた感謝を申し上げ、コメントを頂いても書いたり書かなかったり、付き合いが悪いことのご無礼をお許し下さいませ。

ウトナピシュティム 8

2006-08-07 06:34:59 | ウトナピシュティム
8.
12ベールに達したとき、明るさがもたらされた。
刺草や棘藪や茨のある草原が見えるようになると、それらは紅玉随の実をつけ太陽の光を浴びて輝いていた。葡萄の房はたわわに実り、葉といったらラピス・ラズリで出来ていた。激しく吹き荒れていた北風は、柔らかい風となり心地よく草原をわたった。

やがて海辺に出た。海は穏やかにうねり輝き、波間に魚が飛び跳ねた。
ギルガメシュが海辺を歩いていたとき、酒場の女主人シドゥリと出会う。
彼女は眼を上げて、遠くの彼を眺めた。彼はライオンの毛皮をまとい、神の身体を有していたが、その胸には悲嘆があった。顔は遠い道のりを行く者のようだった。酌婦は遠くに彼を認めて心に思いめぐらした。
「この者は、あるいは殺人者かもしれない。どこからやって来て、どこに行こうとしているのか」
シドゥリは、ギルガメシュを見て門を閉ざした。門を閉ざし閂をかけた。
ギルガメシュは酌婦に注意を向け、顎を上げて彼女に呼びかけた。
「酌婦よ、あなたは何を見てあなたの門を閉ざすのです。返答なくば、私は門を打ち壊し、閂を砕きましょうぞ」
酌婦シドゥリはギルガメシュに言います。「わたしの門に近づいてはなりません。あなたはライオンの毛皮をまとい、その顔は暗く嘆きに満ちています。あなたの荒々しい波動が場を汚すのです」