14.
ギルガメシュは、またウルシャナビに語った。
「さあ、ウルシャナビよ、ウトナピシュティムへの道はどこか。その道しるべをわたしに与えてくれ。もしあなたが案内してくれるならば、あなたと共にこの大洋を渡ろう。もしあなたの案内が得られないならばわたしは再び荒野をさまようだろう。それが俺の運命ならば、この身に受けよう。」
ウルシャナビは、ギルガメシュをとがめる。
「ギルガメシュよ、あなたの手が舟を止めたのだ。あなたは<石物>を壊し、ひこばえを伐りだした。死の川を渡るには<石物>が必要なのだ。<石物>がなければ死の川を渡ることはできない。この川を渡った者は、英雄シャマシュのみだ。」
【なんと無謀な男だ。しかし、よくぞ遙かな死の川まで達したものだ。・・・して、わたしは舟師だ】
ウルシャナビは、ギルガメシュを奮い立たせる大きな声をあげた。
「ギルガメシュよ、斧を取り上げよ。森にくだり、5ニンダ(1ニンダは約6メートル)の櫂を120本伐り出せ。皮を剥ぎ、水かきを付けよ。そして舟にそれを運べ」
ギルガメシュはこれを聞くと、喜び勇んで斧を取り上げた。そして大太刀を抜いた。彼は森にくだり、5ニンダの櫂を伐りだした。皮を剥ぎ、水かきを付け、舟に運んだ。ギルガメシュとウルシャナビは舟に乗った。彼らはマギル舟を出航させた。1ヶ月と15日の海路は3日ですんだ。
ウルシャナビは死の水に達した。