11.
ギルガメシュはこれを聞くと、シドゥリの住む海辺から森へと出かけた。
森にたどり着くとギルガメシュは自分の斧を取り上げた。それから大太刀を抜き、森からひこばえを伐りだした。森の中に大きく音が響きわたった。
ウルシャナビは、ギルガメシュを見出さざるを得ないだろう。
ウルシャナビは遠くに木を伐りだす音を聞いた。
「誰がやってきたのだ。誰が森で育てた俺のひこばえを伐採したのか!」
ウルシャナビは斧の音を聞いて走った。
ウルシャナビはギルガメシュをその目に捉えた。
ウルシャナビが見ると、ギルガメシュは威光に包まれていた。
「おまえは何者だ。おまえは誰の許しを得て、俺が育てた大事なひこばえを伐りだすのだ。」
ギルガメシュが答える。
「わたしは香柏の森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天牛を捕らえてこれを打ち倒したものだ。わたしはウトナピシュティムのもとへ行きたい。死と生の秘密を父ウトナピシュティムから聞きたいのだ。」
ウルシャナビは言う。
「たとえおまえが香柏の森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天牛を捕らえてこれを打ち倒したのだとしても、俺のひこばえを無断で伐りだして良いはずはなかろう。」
「おまえにウトナピシュティムへの道の案内を頼みたいのだ。」
「断る!」
「断ると言われたら、おまえの舟を力づくでも奪い取るまでだ。」