青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

風と共に去りぬ ~映画史に輝く「スラング」!

2016-06-29 | 青春・名画劇場

活字離れ・洋画離れが進む中、「風と共に去りぬ」を知らない人が多くなっても、仕方がないかも知れません。原書、訳本は勿論、映画でも見たことがないという人は、英文学や英語を学ぶ大学生にもたくさんいます。「ポール・マッカートニー?誰それ?」という若者がいても、21世紀においてはもはや当たり前。娯楽は本から映画、映画からテレビと移りかわり、今では娯楽のキングと言えば、携帯でのゲームなのかも知れません。

マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)は、1936年6月30日に出版されました。

“I’ll think of it all tomorrow at Tara…. After all, tomorrow is another day.”


これは、この作品の最後の1行なのですが、作者であるミッチェルはこの1行を最初に書いてから、この作品を書き始めたのだと言います。意外と知らない方が多いようなのですが、「明日は明日の風が吹く・・・」という有名な訳は、実は翻訳本では使われていません。映画の字幕で採用され、一般にこの訳が最も有名な訳になったようです。「風と共に去りぬ」という邦題と共に、「風」という言葉を使っているのは実に見事です。

風と共に去りぬと言えば、このセリフが名セリフとして有名なことは、皆さんもご存知だと思いますが、AFIが選ぶ「アメリカ映画・名セリフ100」の第1位に選ばれたセリフは、風と共に去りぬからのセリフなのですが、実は上のセリフではありません。それは次のセリフなのです!


“Frankly, my dear, I don’t give a damn.”


ずっと主人公スカーレットを愛し続けて来たのに、彼女から愛されない夫バトラー。彼が遂にスカーレットに愛想を尽かせた、物語の最後の最後になって初めて、スカーレットはバトラーを愛していることに気が付きます。そして彼に初めて愛していることを告げるのですが、もう夫婦関係に疲れ切った彼は、スカーレットを拒否します。「あなたがいなくなったら、私はどうすればいいの?」という彼女の問いに対して、彼が言い放ったのがこのセリフなのです。

「率直に言って、俺には関係ないね。」という意味ですが、dear と damnの雰囲気から、冷たくも紳士的な気持ちが迫ってくるようなセリフです。

原作通りの台詞なのですが、実はこの“damn”という言葉は、映画化された1939年当時は、製作コードにひっかかる言葉でした。そこで“I don’t care.”に変えようかという議論がされたのですが、プロデューサーのデビッド・セルズニックはこの言葉にこだわり、敢えて5,000ドルの罰金を払ってまで、このセリフを使いました。そして、そのセリフが、映画史上に残る名セリフとなったのです。

ちなみにこのセリフ、原作者のミッチェルが最初の夫と別れる時、夫から言われた言葉です。(彼女は2回結婚しています)

 

珈琲を飲みながら、梅雨を思う

2016-06-24 | ぶらり散歩

梅雨らしいというより、ちょっと降り過ぎの感がある天気が続いています。熊本と首都圏の渇水が気になります。皆さんは雨が嫌いですか?

子供の頃は雨が好きでした。子供はみんなそうでした。傘をさしてクルクル水滴を飛ばすのが楽しい。長靴を履いて歩くのが楽しい。だから水たまりをわざわざ選んで歩く。「ピチピチチャプチャプ、ランランラン」という歌詞には、よくぞ・・・と感心します。

大人は、汚い所を歩かない、傘が壊れるし、水を飛ばして傘で遊ばないようにと、子供に注意します。昔に比べたら僕たちの住んでいるところは、比べものにならないほど綺麗になりました。水たまりにアメンボもいません。そもそも水たまりがありません。どこもかしこも舗装されていて、ビー玉で遊ぶための、穴さえ地面に掘れません。


同じ景色が、子供と大人では違うのです。

 

雨が降ろうと槍が降ろうと、僕たち大人にとっては毎日が仕事。でも、ちょっと一息ついて珈琲を飲んだ後で、こういう看板を見ると、今日書いたような景色を思い出しました。黒板とチョークという取り合わせも、僕は大好きです。

アメリカには飲み物の自動販売機や、喫茶店はほとんどありません。外国人は日本の自動販売機に必ず驚きますし、スタバなどのコーヒーショップはありますが、いわゆる喫茶店はありません。喫茶店というのは、日本の文化だとつくづく思います。向こうではカフェテリア式のお店や、ドライブスルーのコーヒー店が人気です。日本人がそういう場所を好むのは、チップが不要だからかも知れませんね。

そのお店専用のカップを持って行けば、割引してくれるお店もあります。いわゆる日本式のアイスコーヒーの類を置いていないお店もあります。頼んでアイスコーヒーらしいものを作ってもらっても、「シロップ?何それ?」と、砂糖の粉しか出て来ないところも。(笑)僕が1番「え?」と思った苦手なものは、“flavored coffee”でした。香りや、アーモンドやチェリーの変な味のついたコーヒーは、僕の好みではありません。1つくらい美味しいものは無いかと、かなり注文したのですが巡り会いませんでした。

向こうのお店に行くと・・・

“What can I get you today?” (今日は何にしますか?)

“What size would you like?” (サイズはどれにしますか?)

こういう質問を聞くことが多いですね。

逆に言えるようにしておきたいのは・・・

“How big is a medium?” (Mってどれくらいの大きさ?)

“One cheeseburger… hold the pickle, please.” (チーズバーガー、ピクルス抜きで)

アメリカって、食べ物も飲み物も大きいことが多いので。店によっては

tall (S) grande (M) venti (L) とイタリア語で呼ぶところもあります。発音が通じない時は、small, medium, large と言えば通じます。(笑)